さんあいの子どもたちの夢を見渡すと「有名になって沢山お金を稼いで、いい生活がしたい」というところに収斂されてくるように感じる。大きな夢を持つのは悪いことではない。いや、むしろ夢に向かって努力することや叶えることが困難な世の中の現実も成長するごとに分かってくるのでとてもよいことだ。そして今度は現実的な夢を追うようになる。プロスポーツ選手の夢がいつしかイラストレーターになったり、会社の社長になる夢から保育士に変わったりしてくる。それもよろしい!
よくテレビ番組でオリンピックのメダリストや大金持ちになった人が、ぶれない夢をもってまっしぐらに努力した姿が感動的なストリーとして紹介される。そういう方もいるでしょう。でも人は成長すれば自分の能力や環境を理解してくる。そして夢はぶれてくる。人生は色々あるし、想いどうりには行かないのが常だ。だから夢はぶれて当たり前、ぶれない方がおかしい。ただ、さんあいの子どもたちにぶれてほしくない夢は1つだけだ。どんなときも“幸せになる”夢を追い求めてほしい。その時、その時の自分に幸せと思える人生を送ってほしいのだ。
1981年から2002年まで21年間にわたってシリーズとして放映されたドラマ「北の国から」の脚本家倉本聡氏は、その最後の作品「遺言」のエンディング場面で田中邦衛演じる黒板五郎に2人の子ども純と蛍への遺言としてこう語らせている。
「自然からちょうだいしろ、自然は毎年お前らを飢えない程度に養って下さる。金なんか求めるな、幸せだけを求めろ。」
かけっこの早い子、遅い子、みんな違ってみんないい! (昨年の小学校の運動会より)