9月28日(水)
なべさん、こっとさんと別れ宇都宮駅前のビジネスホテルに宿泊。隣のビルに入っていたICIスポーツで、ザックを購入。(皇海山の行程でザックが裂けてしまった為ガムテープで応急処置も限界にて)最近、行く先々で装備の破損でとんでもないお土産をご当地で購入する事態になってます。安全を考えたら、破損する前に買い替えるのが一番なんでしょうけど、使い慣れた装備は愛着もあるし見極めはホントに難しいです。
9月29日(木)
本日移動日 チェックアウトギリギリまで休養、桧枝岐の状況を調べると食料の現地調達は中々大変そうだったので、隣のセブンで消費期限が10月3日のパンを追加で2個購入。今回公共交通機関で移動の連投山行でしたが、これがこの後とても役に立つとはこの時はまだ気が付きませんでした。
遡ること2か月前焼岳にいたご年配の女性グループの会話に、山小屋があるところで調達できるものは最初から持っていかなければ軽量化できる、というくだりがあって、段々体力に自信が無くなってきたこれからはそういうのもアリなのかと思い、燧ケ岳を越えてから購入した方が軽いから駒ケ岳の行動食2日分だけにしようか迷ったのです。結果、尾瀬小屋に行動食になりそうな食料は売り切れで無し、御池の売店は開店が8時半で使えない、桧枝岐のJAで調達できたのは消費期限が当日というシロモノのみでした。
予定通り、駒ケ岳登山口のバス停の前の「すぎのや」さんという民宿に着。ここはネット予約を受けていなくて、現金決済のみなのがネックなのですが、その分ハイシーズンで他所が満室やおひとり様不可でも受けてもらえてオススメです。安くてご飯も美味しく、上の駒ケ岳登山口までの送迎もしてもらえます。
9月30日(金)
上の登山口まで縦列駐車がびっしりある中、すぎのやさんに送迎してもらって、7時スタート。よく整備されたルートで景色も良く10時に駒の小屋に着。受付13時からだったので、ザックをデポしてピストンの装備のみで駒ケ岳と中門岳へ。駒ケ岳山頂には360度の眺望ののった石碑があるけれども、樹が大きくなっていて全然見えず。中門岳へ向かうと、途中に池塘が散在しとても眺望のよいルート!!一応平日のはずなのに、結構な人で賑わっていて、あれが平が岳、こっちは日光などと話しているのを横でふむふむと聞きながら、おひとり様山行を満喫しました。
夜は小屋にて自炊。他の人が珍しい装備を使っているのが興味深く参考になりました。今は固形燃料で軽くするという方法もあるようでした。
うわさに聞く駒の小屋の宴会が始まり、仙台の女性パーティの方から東北のおススメルートなどを教えてもらいその日は就寝。 行動時間5時間 快晴
駒の小屋前のご来光
10月1日(土)
小屋の前の池に写るご来光を撮影した後、朝食。キリンテへ下山予定でしたが、バス待ち時間があまりにも長く他のグループは、キリンテから桧枝岐まで車道を1時間歩くそう。翌日の燧ケ岳越えを想定して体力を温存しておきたかったのでバスを待つつもりでしたが、大津岐道は快晴、富士山と燧ケ岳を眺めながら歩くルートは快適で、1時間余分に歩くなら車道より大津岐道の方が気持ち良さそう、と急遽下山連絡先に連絡して、御池へ降りることに。
キリンテへは急下降で1000m近く下りるのですが、御池の標高はキリンテより500mも高いので大杉山のアップダウンは少々あるものの、ゆるやかな稜線歩きで結果的に膝も温存、7時半出発11時半御池着で行動時間4時間でした。
御池でバスを待っていたところ、キリンテへ降りると話していた仙台のお2人が。大津岐峠で私が御池へ変更すると話したので、こちらも御池組に変更したそうです。バスで桧枝岐に戻り、温泉に浸かり、JAで燧ケ岳に備えて食料調達。本当に生鮮品がほとんど無く、消費期限が当日のパンを明日食べても大丈夫だよねえと念じながら2個購入、手元の菓子類とインスタント麺、重さを考えると悩ましいところ。桧枝岐村自体がペットボトルの回収も一切してくれないようなのでお茶の購入も断念して、空のペットに水とすぎのやさんでお茶を詰めてそのまま持ち歩きました。
10月2日(日)
すぎのやさんで洗濯させてもらった着替えも全部背負って今日明日はふた山越えです。始発のバスで御池へ到着、しばらく登山ポストを探しましたが見つからず、警察官立寄り所の看板のところのお兄さんに聞いたところ、こちら側にはありませんとのこと!あまりにも観光客が多いのでもはや管理しないのでしょうか?出すところがないのでは仕方ないので、15分無駄にしたなあと思いつつ、入山。流石に尾瀬なので、グループも多くとても賑やか。山頂はハチ公前のような混雑ぶりに驚きでした。爼倉から柴安倉へ登り、どちらも尾瀬沼や尾瀬ヶ原、360度の大展望でした。その割に通信状況は良くなかったですが。
下りは見晴新道で直接尾瀬小屋へ降りました。なぜか、私以外に1人しか下っておらず山頂の大勢の人たちはどこへ降りたんだろう?と不思議でした。尾瀬小屋にはそこそこ上で見た人たちが来たので、長英新道から尾瀬沼を回って来たのでしょうか?見晴新道は何の問題もないルートであっさり小屋へ着きました。行動時間4時間半、快晴。
尾瀬小屋はお風呂があり、2畳ほどですが個室で快適でした。夕食付で9700円、北アルプスを思えばかなり良心的なお値段でした。
モルゲンロートの至仏
10月3日(月)
バスの時間が気になったので朝食を断り外で自炊、少し早く出発。朝日に輝く至仏を眺めながらモーニング珈琲を飲めたのはラッキーでした。尾瀬ヶ原を歩く行程で少しコースタイムまけるかな?と期待したのですが、写真を撮ったりする時間が思いのほかかかって結局ほぼ時間通り。
それでも、今回単独行で思ったのは、休憩時間がとても短くなるという点でした。なんだかんだ、少し早めに至仏山頂へ。明日上る上州武尊山がもう目の前、振り返れば越えてきた燧ケ岳から会津駒が岳、中門岳が尾瀬ヶ原の奥に見えてとても嬉しかったです。至仏の下りは短いですが見晴新道より余程滑りやすい嫌なルートでした。下山途中で少し雨がぱらつきましたが、鳩待峠13時15分着。行動時間6時間15分、晴れのち雨。
至仏から望む尾瀬ヶ原と燧ケ岳
シャトルバスで尾瀬戸倉へ、路線バスに乗り換えて、武尊口バス停へ。ペンションオウレットという宿の送迎で、武尊牧場近くの宿へ。ここもコンビニ等は無く、バス停近くの食料品店に寄ろうか迷いましたが、セブンの3日期限のパンが活躍してくれたお陰で手持ちで明日も行動できそうと判断して、そのまま宿へ。
10月4日(火)
いよいよ最終日、オウレットのオーナーさんは山岳ガイドさんでもあり、武尊のコースも相談に乗って頂いて、オグナスキー場を1700m迄詰めて頂き、牧場へ降りるコースを選定。スキー場を詰めるのはここを含めて3件だけしか入れないそうなのでとてもラッキー。ちょっとズルしてる感もあったけれど、5座目で流石に長距離歩いて今日中に愛知県へ帰る強行軍に挑戦するより余裕を持って無事に下山が第一、下から歩き出すより2時間近くショートカットできる標高差でした。下りも緩やかで膝へ負担が少ないコース、武尊はどのコースを選んでも必ず鎖場は通過するようなのでそこは承知の上で、このコースが一番安全だと思います。
前武尊
前武尊をすぎるとトサカ岩、家の串という岩場が続きます。家の串からの下りが一部ルートが崩壊していてそこが今回の核心と聞いていたので、慎重に。ロープが付けてあるということでぶらさがっても大丈夫とのことだったので、念のため前武尊で下降が長そうだったらプルージックをとれるようにシュリンゲの準備をして歩き出しましたが、5~6メートル位の壁で着地点は狭いですがちゃんと立てるテラスになっていたので、手で握って下りました。ほんの数回ですが岩場の下りの練習が役に立ちました。
家の串から沖武尊方面 手前の岩は6m位の懸垂下降
稜線自体はなだらかで、紅葉はまだ少し早いようでしたが、グリーンに赤・黄色・オレンジが混ざってそれもとても綺麗でした。沖武尊山頂からは富士山をはじめここもまた、360度の展望。1週間前の皇海山が目の前に見えてなんだか感無量でした。昨日までの賑わいが嘘のように、山頂で水上から来た人に1人と会った他、スキー場コース1人、牧場コース2人しか歩いていない静かな山旅でした。
1人だと休憩が短くなるせいか、水も軽くしたくて1L行動食も少な目でしたが、行動時間6時間で済んだので余裕で下りられました。天候曇りのち小雨。
避難小屋でオウレットさんに電話を入れて武尊牧場入り口へ迎えに来てもらい、武尊口のバス停近くの温泉(600円)へ。ちなみにこの日はアンテナ4本出ていてもネット回線が受信できても送信できない状態が続いて下山報告も電話にて。沼田駅から高崎・帰路は東京経由で安城へ22時半着。8日ぶりに自宅へ帰りました。
今回の遠征はそもそもヤマケイオンラインに会津駒から上州武尊へ尾瀬の2座を入れて4座登るツアーの募集が出ていて思いついたもので、しかも駒が日帰りだったのでもっとハードだったと思います。ナベサンのお誘いで皇海山からそのままつないだので、日程は早くなりましたが、お陰で全行程晴れたという奇跡に恵まれ、本当に楽しい山行となりました。滅多にしない単独行も準備を怠らなければ何とかなるものだな、と思いました。
車を使用しない山行は、荷物を全部運ぶ必要があり今回は特に軽量化に努めました。宇都宮から先は使用しないシュラフ等を宅配で送り、着替えも1組のみで洗濯でしのぎ、日焼け止めを落とすクレジングティッシュも日数分のみ数えてポーチ類も全部ジップロックにしました。財布も軽くしようと思ってウレタン製の小さいものにしていったところ、尾瀬小屋で割引の為に使おうと思って普段の財布に入れていた労山の会員証を忘れました(泣)
水と行動食の量の見極めはこれが一番軽量化につながると思うと真っ先に減らしたいところですが、今回、万が一の予備がとても役にたったのでやはり現地調達を当てにしてギリギリで歩くというのは、良くないと思いました。水を少な目にしたかったので浄水器を購入し持ち歩いたのですが結果的に出番はなく、でも安心感につながりました。
防寒具の過不足も、庚申山荘はそれほど寒くなくフリースのみにしてダウンを宅配に入れてしまおうか迷ったのですが、持って行って正解でした。駒の小屋の日は標高が高いうえに放射冷却で冷え込みが厳しくトイレも外!無ければとてもご来光を待っての写真撮影はできませんでした。
また今回は庚申山荘と駒の小屋以外は全部充電できる環境でしたが、そうでなかった場合スマホで写真を撮りGPSも使用するというのはどんなに節約しても3日が限度だと思いました。予備バッテリーは持ち歩いたとしても3日以上充電できないのであれば、カメラかGPSのいずれかを専用機にする必要があると思いました。
長いようであっという間だった会津~上州の遠征ですが、沢山学んだ山行となりました。毎日下山連絡に付き合っていただいた下山連絡先さん、ありがとうございました!!