創作童話「九雀物語」九羽の小雀の冒険物語・第8話
女の小雀「キキ」が「トキ」に飛びかかろうとしている小雀たちの前に割って入りました。
相手の小雀たちも、女の小雀とわかっていたので一瞬意味がわからないように間が空きましたが、
小雀のリーダーが、気をとりなおして
「訳もわからず邪魔をするんじゃない!」
と大きな声で威嚇し、他の小雀と一緒に攻撃しようと構えました。
「トキ」と「カイ」もまさか「キキ」がそんな行動をとると思っていなかったので戸惑いながらも、「キキ」を護ろうと身構えたとき、
「キキ」が フー!大きく息を吸った瞬間、自分たち雀たちが出す声ではない、遠くに響き渡るような鳴き声を発しました。攻撃しようとしていた小雀たちは、自分たちの怖さにおびえて鳴き声を出したのかと思ってかまわず攻撃を始めました。
その時でした、上空からすごい勢いで大きな黒いものが飛んできて、攻撃しようとしている小雀たちの前に立ちはだかりました。
驚いて、小雀たちは後ずさりして大きな黒い姿をしているものを見て更に恐ろしくなりました。
目の前の黒い大きなものは、今まで見たことのない大きさのカラスで、自分たちを鋭い眼光で睨みつけているのです。そして大きなカラスは、女の小雀に向かって
「キキ!どうしたんだ」
「キキ」は、目の前に現れた大きなカラスに向かって、今さっきまでのことを話しました。
大きなカラスは「ライ」でした。
様子を見ていた小雀たちは後退りして攻撃の気持ちを無くしてしまったようです。
事情を聴いたカラスの「ライ」は更に大きな翼を広げておびえ出した小雀に向って低く響く声で、
「俺はカラスのライだ!」「この子がどこに居ても一声鳴けば何処へでも飛んでくるんだ!」
「お前たちのしていることは小雀だといっても許されないことだ」
「6羽も一緒にいるんだったら、気持ちを変えたら何でも出来るだろ。 なんだったら、この三羽の連中と一緒にやってみたらどうだ!」
「今見たように、この女の小雀に特別な方法で俺を呼び出せる力をやってあるから、いつでも困ったら呼んでくれ!」
「俺も、小さい頃は、いじめられてばかりだったけれど、少しづつ力をつけて仲間を集めて少しは他のものから怖がられるようになったんだ、だけど俺も、俺の仲間も、自分がされたように 弱いものをいじめたりはしないんだ。
だからお前たちも九羽で頑張ってみるんだな!」
そんな「ライ」の威圧に萎縮していた6羽の小雀も、おそるおそる
ながら、互いの顔をみあわせて「ライ」の言うことにうなずいて
従う様子を見せました。
そんな状態を確かめた「ライ」は
「俺の仕事は終わったから、待っている仲間のところに戻るぜ」
そう言ったと思ったら「ライ」は大きな羽音を残して一瞬のうちに
遠くへ飛んでいきました。
「トキ」と「カイ」それに「キキ」も今までの緊張を緩めて「ライ」
の提案に同調して6羽の小雀たちに和らいだ顔を見せていました。
6羽のリーダーのような小雀が
「俺はダンて言うんだ、ほかのやつの名前はゆっくり覚えてくれ」
「びっくりしたっていうもんじゃないよ! あんな怖いのが護ってくれるなんて!」「じゃあ!これから言われたように9羽でやってみようぜ!」
そんな気持ちを互いに分かり合っていたとき、それまで6羽の小雀
に攻撃されて弱りきって傍にうずくままっていたと思われた老いた
雀がスッと身を起こしたとき、周りが大きな光に包まれ何か輝くよ
うなものが現れました。
8話終了。
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