さるぶつGOO

宗派や宗教団体の壁をガン無視して、自由な「信仰のある生活」を楽しみたいと思います。

マッチポンプはずるいと思う。

2020-05-29 22:06:06 | 仏教講座


数年前、台湾のばあちゃんが亡くなり、葬儀に戻りました。
台湾の葬式は、儒教・道教に仏教いっちょガミ、という華人圏スタイルでしたが、近年、日本のように専用の葬儀場で行う仏教スタイルが増えています。
葬儀の前々日、台北に着くや、さっそく、葬儀に向けた儀式や準備に追われることになりました。
台湾の法事は、立ったり座ったり、一緒にお勤めしたりと、参列者はたいへんです。
私は僧侶なので、「師傳」と呼ばれ、家族とは別席に座らされ、逆に動けません。
渡された経本は『地蔵菩薩本願経』だったと思います。
経本には「ボフォモフォ」という台湾の発音記号でカナがふってありますが、読めません。
なので、
「嘘だろ・・・・・」
と、思いながら、一応、文字を目で追っていました。
なんで、「嘘だろ」と、思ったかと言えば、それは、そのお経の内容が、ちょっと、あれだからです。
身内を亡くして、精神状態が普通でない人たちに読ませられるものではありません。
私なら、5年は禁止したいところです。


厳しい場面というか、えぐい場面が近付いてきました。
心配になってきたので、ばあちゃんの死に激しくショックを受けていた叔父二名を眺めていると・・・。
50男二人が、ぐえぐえ言いながら、鼻から、目から、汁を吹き出して泣き始めました。


「そりゃ、そうなるよなあ・・・・」
と、悲しい気持ちになりました。


いくら、台湾人が漢字に強いと言っても、お経はほとんど理解できません。
それでも、意味のわかる漢字はあります。
むしろ、わかる部分だけ拾った方が、恐ろしく思えるかもしれません。
ほんの一部ですが、こんな感じです。
あえて、読めるようにも、日本語にもしませんので、わかる漢字だけ拾い読みして、内容をご想像下さい。


無間獄者其獄城周匝八萬餘里。其城純鐵高一萬里。城上火聚少有空缺。其獄城中諸獄相連名號各別獨有一獄名曰無間。其獄周匝萬八千里。獄墻高一千里悉是鐵爲。上火徹下下火徹上。鐵蛇鐵狗吐火馳逐。獄墻之上東西而走。獄中有床遍滿萬里。一人受罪自見其身遍臥滿床。千萬人受罪亦各自見身滿床上。衆業所感獲報如是。又諸罪人備受衆苦。千百 画像夜叉及以惡鬼。口牙如劍眼如電光。手復銅爪拖拽罪人。復有夜叉執大鐵戟中罪人。或中口鼻或中腹背。抛空翻接或置床上。復有鐵鷹啗罪人目。復有鐵蛇繳罪人頸。百肢節内悉下長釘。拔舌耕犁抽腸剉斬。洋銅灌口熱鐵纒身。萬死千生業感如是。動經億劫求出無期。此界壞時寄生他界。他界次壞轉寄他。他方壞時展轉相寄。此界成後還復而來。無間罪報其事如是。


死んだばあちゃんの行く末を心配する息子、娘、そして、孫たち。
そんな遺族に、地獄で苦しむ亡者の姿を朗読させたらどうなりますか?
傷口に塩を擦り込むようなものじゃないですか?
壊れますって。


このお経の後で、煌びやかな浄土のお話しである「阿弥陀経」を読みます。
「阿弥陀経」は、私も日本語読みで参加しましたが、いや、フォローにならないって。
あれだけ、ビビらせたら、「阿弥陀経」、少しも入らないって。


「これ、マッチポンプじゃん。」
「しかも、ポンプの水足りないし。」


言っておきますが、別に、悪いお坊さんじゃないですよ。
きちんとした、優しいお坊さんです。
決められたスタイルで、儀式を執り行っただけの話です。


何も仏教に限った話ではありませんが、こういうところありますよね。
マッチポンプ。
浄土教が流行ったのだって、地獄で怖がらせたからだもんねえ。
墓石の人とか壺の人よりはマシかもしれないけれど、やっぱり、良くないよねえ。


もう、やめよう、マッチポンプ。








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