サテュロスの祭典

神話から着想を得た創作小説を掲載します。

兎神伝〜紅兎四部(34)

2022-04-04 00:34:00 | 兎神伝〜紅兎〜革命編其乃二
兎神伝

紅兎〜革命編其乃二

(34)飛翔

飛んでいる…
遥かなる海の上を飛んでいる…
彼方に見えるのは、楽園に渡り、優しい家族に引き取られて行った丸子達の姿…
もう、いつも裸で船縁に繋がれて、便所代わりに弄ばれる事はない。
いつもお腹を空かせ、餌と称して突き出される穂柱にむしゃぶりつき、白穂を啜って過ごす事もない。
みんな、暖かい着物を着て、美味しいものをお腹いっぱい食べさせて貰って…
ガッコウと呼ばれる場所に通って、友達もたくさんできて、幸せに暮らしている。
燦々と照らす日差しの下…
鴎が飛び交い、海猫が歌う…
水底を覗き込めば、何と沢山の魚が踊っている事だろう。
波の上を跳ね上がるのは、イルカと呼ばれる生き物だろうか…
これは夢…
情事の間に見える幻の夢…
明日には全て消えて…
遣属使としてやってきた、聖領(ひじりのかなめ)の神職(みしき)達に、穂試(ためし)と称し、数日に渡って弄ばれ…
やがては、聖領(ひじりのかなめ)に連れて行かれ、今までにも増して過酷な日々が待っている。
それでも…
『アッ…アッ…アッ…アーンッ…アッ…アッ…アッ…アーンッ…』
若芽は、小さな乳房を優しく揉まれ、跨ぐ恒彦の股間の上で腰を動かしながら脳裏を過ぎる景色…
それは、眩いばかりに煌い輝きに満ちていた。
こんなにも、世界が美しい何て…
もっと…
もっと…
飛んで行きたい…
何処までも…
『アンッ…アンッ…アンッ…アンッ…』
恒彦の穂柱が、次第に固く熱を帯びるにつれ、若芽の全身も火照り出し、下腹部の辺りから、次第に熱いものが込み上げてくる。
また、中で泉の如く湧き出でようとしてるのだろう…
そうしたら、また、更に空高く、更に遠く彼方へと飛んで行けるのだ。
『刑部(ぎょうぶ)様…刑部(ぎょうぶ)様…刑部(ぎょうぶ)様…』
若芽は、平蔵に教わったように、中で穂柱を扱くように肉壁を締緩しながら、更に腰の動きを早めてゆく。
心地良い…
何て心地よいのだろう…
平蔵の田起(たおこし)を受けた時…
弄られても、挿れられても、痛くもなければ辛くもない…
こんな心地良い穂供(そなえ)があるのだと驚いたけれど…
今はもっと心地よく、暖かい…
『穂供(そなえ)をするとな、相手の心の内がよっくわかる。』
更に絶頂の予感が高まるにつれ、平蔵の濁声が耳の奥底を過ぎる。
『相手の心の内…ですか?』
『そうだ。どんなに取り繕って見せてもな、穂供(そなえ)をして、心地良いと感じぬ相手には気を許さん事だ。特に…穂供(そなえ)で女に痛い思いをさせる男は、ろくでなしだ。』
『あの…』
『なんだ?』
『平蔵様…』
『平蔵様ではない。哲人のテツ…テッちゃんだ。』
『テッちゃんは、その…私とされて…その…』
『おうおう、気持ち良いとも、気持ち良いとも。まるで、常世にいる心地だ。おめぇが気立の良い子だとようわかる。』
『本当でございますか?』
『本当だとも。鈴子と美雪より、おめぇの方がずっと心地良いぞ。』
『鈴ちゃんや、ミッちゃんより?』
『いやいや、あの子達も良い子なのはわかるんだがな、いかんせん、気が強すぎるのがな…その点、おめぇは本当に優しくて良い子だ。
あ…
でも、これは、あいつらには内緒だ。こんな話をしたのが知られたらな、今度こそ、本当に穂柱と穂袋を噛みちぎられるでな。』
『まあ、テッちゃんったら…』
思い出し笑いをしかけた時…
『アッ…』
若芽は、思わず声を漏らし、全身を硬直させた。
恒彦の放つ暖かなモノが、中で広がってゆく…
最初は下腹部の内側で…
更にその暖かさは、全身隈なく広がって行き…
同時に、頭の中が真っ白になったかと思った刹那…
飛んでる…
高く高く…
飛んで行く…
まるで、勢いよく浮き上がったかと思うや、綿雲の中に包み込まれるような感覚に陥っていった。
気付けば、若芽は恒彦の胸に倒れ込んでいた。
日頃は華奢に見えるが、着物を脱げば屈強な腕が肩を抱き、無骨な手と指先で、若芽の頬や頭を撫で回している。
暖かい…
何て暖かいのだろう…
胸の奥底で、囲炉裏の火が焚かれたような心地がする。
すると、また、平蔵の濁声が耳の奥底を過ってゆく。
『それはな、おめぇが、ツネ公を慕ってる証拠だ。』
『私が…刑部(ぎょうぶ)様を?』
『そうだ。腕に抱かれて、優しくされて、胸の奥底に囲炉裏の火が焚かれたような心地がするのは、その男を慕ってる証拠だ。
初恋…って、奴だな。
どうだ、そう言う気持ちになるって、良いもんだろう。』
『はい。でも、私…』
『此処の疼きが止まらなくて、辛えか。』
『アァァ…アンッ…アンッ…テッちゃん…そこ…』
『もっと、慰めて欲しいか?』
『…』
『なーに、恥ずかしがる事はねぇ。腹が空けば、腹の虫が鳴くのと同じ事…
朧の里では、女の子のいる家では、普通に父や兄が、こうやって娘や妹の疼きを慰めてやりながら、自分で鎮める方法を教えてやってる。
幼な子に、手ずから粥を食わせ、箸や匙の使い方、椀の持ち方を教えるのと同じ事よ。
さあ、手をそっと神門(みと)に添え、ワレメを指先で…』
『アンッ…アンッ…アンッ…』
『そうだ、旨いぞ。参道の中は繊細に出来てるからな、優しくそっと…傷つけねぇようにな。』
『アンッ…アンッ…アンッ…』
『よしよし…疼いて眠れねえ時は、そうやって慰めるんだ。
それで、次第に身体(からだ)が解れてきたら、ツネ公に抱いて貰え。本当に疼きを鎮めるには、抱いて貰うしかねぇからな。』
『あの…でも、刑部(ぎょうぶ)様には、佳奈さんと言う方が…』
『それは、それだ。男女の思いを一人に限定する必要は全くねえ。食い物だって、湯漬けが好きだからって、味噌汁を食っちゃいけねえ道理がないのと同じだ。
惚れあった相手がいても、他に惚れた奴、惚れてくれた奴がいれば、抱いてやり、抱かれてしまえば良い。それで子ができれば、皆で育ててやれば良いのよ。そうやって、人と人との繋がりは広がってゆくもんだ。』
確かに…
恒彦に抱かれ、中に放たれる度に、心は海の彼方へと飛び立って行き、世界は大きな広がりを見せたような気がする。
だけど…
抱かれている時は、心地よさに夢中になって忘れてしまっていたけれど…
こうして潮が引き、恒彦を想い始めてからの長い疼きが鎮まりすっきりすると、また、佳奈と言う少女の事を思い出す。
ずっと一人ぽっちだった恒彦が、佳奈と暮らし始めて、漸く潤いを得たと言う。
佳奈と言う子もまた、同じだと言う。
孤独だった二人が出会い、漸く肩を寄せ合い、暖かな潤いを得た。
でも…
佳奈さんは、まだ、抱いて貰ってないんだっけ…
互いに愛撫しあい、穂柱を口で慰め、白穂を呑み込んで終わりだと言う。
それでも…
『刑部(ぎょうぶ)様の味は、磯の味がします。広い広い海の味がします。』
そう言って、佳奈は愛する男の全てを得た思いで、無邪気に喜んでいると言う。
だのに、自分が先に抱かれてしまって…
佳奈さんは…
佳奈さんは…
と…
不意に顔を上げると、恒彦がジッと自分を見つめている事に気づいた。
『刑部(ぎょうぶ)様…』
若芽は、何か言いかけ、口を噤む。
出会った時から心を寄せていた男に抱かれ、満ち足りた気持ちの自分とは真逆に、恒彦の目は、深い悲しみとも苦悶ともつかぬ眼差しをしていたからである。
やはり、佳奈さんより先に自分を抱いてしまったから…
若芽もまた、それまでの喜びと打って変わって、締め付けられるような胸の痛みを覚えた。
何て事をしてしまったのだろう…
佳奈さんを差し置いて、抱かれてしまうなんて…
しかし…
『あの…刑部(ぎょうぶ)様…私…
『薊…』
『あ…薊?』
恒彦の口から出てきたのは、全く違う、聞いた事もない女の名であった。
『薊…薊…薊…』
恒彦は、譫言のようにその名を口走りながら、見る間に青ざめ震え出し…
『薊っ!』
最後に一際声を上げて叫んだかと思うや、若芽をいきなり押し倒した。
『刑部(ぎょうぶ)様っ!』
若芽は、恒彦の突然の変貌に、一瞬の戸惑いを見せたが…
『アッ…』
恒彦に唇を吸われ、首筋を舐められ、無骨な手に椀を逆さにしたような乳房を揉まれ、指先で神門(みと)を弄られるにつれ…
『アンッ…アンッ…アンッ…アンッ…』
若芽の意識はまた、広い大海原へと投げ出されて行き…
『アッ…アーーーーーーンッ!』
再び膨張を見せた恒彦の穂柱が、仄かに若草を茂らせた神門(みと)のワレメを分入り、参道の奥への潜り込んで行くと、それまでの思いは綺麗に吹き消えた。
今はまた…
飛んでいる…
遥かなる海の上を飛んでいる…
『アーンッ!アンッ!アンッ!アーンッ!』
次第に、中で熱を帯び出す恒彦の穂柱の温もり…
泉の如く迸る予兆…
『刑部(きょうぶ)様!刑部(ぎょうぶ)様!刑部(ぎょうぶ)様!』
気付けば、声高に恒彦を呼ばわりながら、屈強な背中に腕を回し、分厚い胸板に顔を埋め、やがて訪れる飛翔の時を待ち焦がれていた。

兎神伝〜紅兎四部(33)

2022-04-04 00:33:00 | 兎神伝〜紅兎〜革命編其乃二
兎神伝

紅兎〜革命編其乃二

(33)兎喰

揺れる…
ゆらゆらと揺れている…
揺籠にも似た心地良い揺れ…
しかし、その揺れは、不意に初めて乗った船酔いの揺れに変わった。
『ウグッ!ウグッ!ウグッ!ウグゥゥゥッ!』
遠き日の甘い眠りは、苦悶に満ちた呻きに覚まされた。
『薊!』
思わず飛び起きる恒彦の目の前で、ほっそりとした小さな身体(からだ)に、荒くれ男が三人掛りで群がっていた。
『ウッ…ウッ…ウッ…』
『オッ…オッ…オッ…』
『フゥ…フゥ…フゥ…』
剛毛に覆われた三人の荒くれ達は、薊の口と股間と尻の三つの孔を同時に貫き、獣じみた声をあげていた。
周囲では、先に事を終えた男達が褌を締め直し、次の順番を待つ男達は膨らませた股間を揉みながら、涎を垂らしながら見物をしていた。
既に何人の男達に貫かれたのであろう…
薊の股間と尻の孔から、血混じりの白穂が滴り落ちていた。
『ウグッ!ウグッ!ウグッ!ウグッ!』
薊はまた、三つの孔を抉られる度に、苦悶に満ちた声を漏らした。
『クフッ!クフッ!クフッ!』
捻り込まれた穂柱の先端が、咽頭を突くのであろうか…
時折、喉の奥でむせ込みだす。
しかし、図太いモノで口を封じられ、咳き込む事ができず、目にいっぱいの涙を浮かべていた。
それでも、薊の三つの孔を貫く男達も、周囲で見つめる男達も、一編の憐憫をかけようとする者はいない。
周囲で見つめる男達は、相変わらず涎を垂らしてニヤけており…
三つの孔を貫く男達は…
『ウォッ!ウォッ!ウォッ!』
『オォッ!オォッ!オォッ!』
『フゥッ!フゥッ!フゥッ!』
一段と声と息を荒げながら、腰の動きを早めて行った。
『ウグゥッ!ウグゥッ!ウグゥッ!』
涙を溢れさせ、薊の漏らす苦悶の声が、哀れを誘う。
『やめろ…やめろ…やめろーっ!!!』
最初は金縛りにあったように震えて見つめていた恒彦は、遂に声を張り上げ、男達の間に割り込もうとした。
すると…
『恒彦、おめえにはつくづく失望させられたぞ。』
野太い声と共に、肩を掴まれ抑えつけられた。
『親父…』
『船酔いはするは、兎相手に甘っとろい飯事遊びに興じるわ…女の味を覚えて早々、百舌の奴を責め殺した時は、見所ある奴だと頼もしく思ったがな…俺は、つくづくガッカリさせられたぞ。
さあ、もう一度よく見ておけ。兎は、こうやって喰うもんだ。』
恒彦の父…
御宮一家の頭、善治郎は前一本欠けた黄色い歯を見せてニヤけると、恒彦の顔を無理やり薊の方に向けた。
『ウォォォーッ!!!!』
『オォォォーッ!!!!』
『フゥゥゥーッ!!!!』
三人の渡瀬人(とせにん)達が、思い切り三つの孔を突き立て、獣のような咆哮をあげるのと…
『グフゥゥーッ!!!!』
薊が背中を弓形にして、苦しげにあげる呻きが交差する…
暫しの間、薊の三つの孔を貫いたまま、臀部をヒクつかせて静止していた三人の渡瀬人(とせにん)達は、事を終えると、漸く穂柱を引きぬいた。
『ゲフッ!ゲフッ!ゲフッ!』
激しく咽せ込む薊の股間と尻の孔から、鮮血混じりの白穂が、ドロッと溢れ出してくる。
『ゲフッ!ゲフッ!ゲフッ!ゲフッ!』
咽頭目掛けて放たれた、大量の白穂が、気管に絡みたくのであろう…
薊は、口と喉を押さえ、更に顔を真っ赤に咽せこみ、転げ回り続けた。
しかし…
『さあ、次は俺達の番だ。』
『オラッ!脚を拡げろよ、脚をよ!』
先に事を終えた仲間が、未だ糸を垂らす穂柱の先端を布切れで拭き取る傍ら…
順番を待ち焦がれていた別の渡瀬人(とせにん)三人が、早くも褌を脱ぎ捨てると、薊の手を押さえ、乱暴に脚を開かせるや、血と白穂まみれの股間の参道と尻の裏参道に荒布を捻り込み出した。
『イッ!イギーッ!』
薊は、爛れた剥離塗れの肉壁を擦られる激痛に、首を振り立て呻きを上げる。
三人の渡瀬人(とせにん)達は、そんな薊の姿に憐憫の情を寄せるどころか、ますます穂柱を膨張させ…
『ヒヒヒヒ…こんな汚ねえところに、でぇーじな俺の一人息子を通すわけにゃーいかんからな。』
『しっかり拭き取って、綺麗にしてから、息子を通してやるぜ。』
一層、激しく乱暴に荒れた参道の肉壁を擦り、先に放たれた白穂を掻き出し拭き取り続けた。
『イギッ!イギッ!イギッ!ヒィーッ!!!!』
首を振り立て、身を捩って呻く薊の声が、物悲しく船内に響き続ける。
しかし、それはまだ、始まりに過ぎない事を、薊は知っている。
『さあ、俺の上を跨いで、四つ足になって貰おうか。』
薊は目にいっぱい涙を溜め、しゃくりあげながら、言われるままに、渡瀬人(とせにん)の一人の上を跨いで四つ足になる。
跨がれた渡瀬人(とせにん)は、薊の髪を乱暴に鷲掴んで顔をあげさせるや、ニンマリ笑いかけながら、もう片方の手で、薊の股間を弄りだす。
やがて、神門(みと)の位置を正確に確認すると、膨張した穂柱を慎重に貫き出した。
『ウグーッ!』
思わず目を瞑り、固く口を食いしばって呻き出す薊に…
『どうだ、やっぱり白穂でべたついているより、乾いている方が具合良いだろう。』
渡瀬人(とせにん)は、嘲笑うように言いながら、次第に腰の動きを早め出す。
『ウグーッ!ウグーッ!ウグーッ!』
薊は、顎を逸らし、背中を弓形にしながら、更に苦悶の呻きを上げた。
すると…
『表だけじゃー、物足りねぇなー。裏にも通してやろうじゃねーか。』
もう一人の渡瀬人(とせにん)が言うなり、尻の裏神門(うらみと)に穂柱を突き立て…
『オラオラ!呻いてないで、口を開けろ!俺のをしゃぶるんだよ!』
更に別の一人が薊の頬を激しく打ちながら、口を開かせ、穂柱を捻りこんでいった。
それが、どれほど続けてられていったかは定かではない。
三人が事を終えれば、また別の三人が…
その三人が終われば、更に別の三人が…
そうして、順番待ちの三人が一順すれば、最初の三人から、また同じ事が始められる。
恒彦は、父親の善治郎に無理やり薊の方に向けさせた顔を必死に背けようとしつつ…
思いとは裏腹に、身体(からだ)は反応を示し出す。
股間が、異常にムズムズと疼き出したのだ。
同時に、それまで渡瀬人(とせにん)達に交代で回される薊から、必死に目を背けようとしていたのと打って代わり、見たいと言う欲求にかられ出した。
苦悶に呻く薊の姿から、目を背けようと言う思いと、見たいと言う欲求…
目を背けても、聴こえて来る渡瀬人(とせにん)達の喘ぎと、薊の呻き…
自然に起こる生理現象は、意識だけではどうにもならず、身体(からだ)は更に疼いてゆく。
やがて、少しずつ意思は欲求に打ち破られてゆき…
気づけば、恒彦の目は、渡瀬人(とせにん)達に回される薊の姿に釘付けられていた。
『どうだ、おめえもそろそろやりたくなってきたろう?それでこそ、男ってもんだ。』
善治郎は、不意に恒彦の褌を外すと、極限まで膨張している息子の穂柱を見て、ニヤけて言う。
『ムグッ!ムグッ!ムグッ!ムグググゥゥゥーッ!』
恒彦は、何も答えず、相変わらず目の前で三つの孔を抉られ、苦しげに呻く薊を、無言で見つめ続けた。
すると…
『なーに、黙り込んでる。やりてぇなら、やっても良いんだぞ。ほれ、此処がムズムズ疼いて辛かろう?やったら、気持ちえぇぞー。』
善治郎は、無造作に恒彦の穂柱を掴み、揉み扱き出した。
『ウッ!』
思わず声を漏らす恒彦の目の前で…
『ムグッ!ムグッ!ムグッ!』
いよいよ絶頂を間近に控えた三人の渡瀬人(とせにん)達に、一層激しく三つの孔を抉られ、身悶えしている。
『ウッ…親父…やめっ…』
一瞬、父に抗いかけた恒彦だが…
『オォッ!オォッ!オォッ!』
『ウォッ!ウォッ!ウォッ!』
目の前で、薊の股間と尻の孔を抉る渡瀬人(とせにん)の腰の動きに合わせて穂柱を扱かれるうちに、恒彦は金縛りにあったように硬直し…
やがて…
『オォォォーッ!』
『ウォォォーッ!』
『フゥゥゥーッ!』
三人の渡瀬人(とせにん)達が、薊の三つの孔に放つのと同時に、恒彦の穂柱からも大量の白穂が放たれた。
『どうだ、目の前で兎が喰われるのを見て放った気分は。気持ち良ぇだろう。』
漸く解放する息子を見下ろしてニヤける父の前…
『ハァ…ハァ…ハァ…』
恒彦は、床に手をつき肩で息をしながら、目の前の床に目を留め震え出した。
『アァァ…俺は…俺は…』
そこに染み付く、大量の白濁した生臭いモノ…
薊が弄ばれる姿に欲情し、身体(からだ)を反応させてしまった事を明かしている。
『さあ、今度は、おめえが兎を喰う番だ。』
善治郎は、尚も震え続ける恒彦の髪を掴み上げると、また薊の方に顔を向けさせた。
渡瀬人(とせにん)達に、数えきれぬ程貪り尽くされた薊は、口と神門(みと)と裏神門(うらみと)から白穂を垂れ流し、ぐったりと横たわっていた。
『どうした?早く喰え!喰ったら、また、褌を締めさせてやるぞ。』
善治郎は言うなり、薊の側に蹴倒す恒彦に、褌をちらつかせて見せた。
『ほれほれ、おめえの褌、男の証だ。早く兎を喰って、男になって見せろや。』
すると、周囲からは…
『それとも、坊ちゃんは女でいる方が好みですかい?』
『坊ちゃんのケツの締め付けは、格別でやしたからねー。』
『舌使いも抜群でやしたよ。覚えてやすかい?十一の時、信治の奴にケツを抉られサオを扱かれながら、あっしのをしゃぶりなすった時の事をよ。ありゃー、たまりやせんでしたぜ。』
『ささ、兎を喰えねえなら、昔みたく、こっちにケツを向けておくんなせぇ。あん時みてぇに、たっぷり可愛がってやりやすぜ。』
渡瀬人(とせにん)達の下卑た野次と笑いが飛び交ってくる。
『ウゥゥッ…』
脳裏に交差する、渡瀬人の男達に玩具にされ続けた幼き日々の地獄の光景と、目の前で陵辱された薊の姿に、恒彦は苦悶の声をあげ…
『どうした?早う兎を喰え。それとも…やっぱ、喰われる方が良えのか?それならそうと…飯事遊びに興じたその兎と、仲良く並べて、喰ってやってもえぇんだぞ。
そんでもって、おめえは一生、褌つける事も許されず、サオもタマも丸出しに、玩具にされ続けるんだ。』
善治郎が、更に追い討ちをかけるように恒彦の肩を抱き、頬を舐め回しながら、剥き出しにされた穂柱と穂袋を握ってくると…
『うわぁーーーーーっ!!!』
恒彦は、遂に狂ったような声をあげて、薊に飛びついて行った。
それからの記憶は、完全に飛んでいる。
自分が、薊に何をしたのか、どんな風に貪ったのか、何一つ覚えていない。
ただ…
『ウゥゥーッ!ウゥゥーッ!ウゥゥーッ!』
『アァァーッ!アァァーッ!アゥッ!』
絶えず耳に飛び込む、苦悶に満ちた呻き声…
二つの孔を抉り、白穂を放つ感触…
それだけが、二十数年経った今もなお、生々しく身体(からだ)に染みついている。
『あ…薊…』
漸く我に返った恒彦の周囲には、下卑た野次を飛ばして取り巻いていて渡瀬人(とせにん)達の姿はなく…
息も絶え絶えな薊だけが、そこに転がされていた。
『でかしたぞ、恒彦。』
『親父…俺は…俺は…』
『やっぱ、おめぇは俺の倅だ。船に乗って早々に酔い潰れた時はガッカリだったがな、これで、おめぇは正真正銘の一端の男だ。』
善治郎は、震えて顔を見上げてくる恒彦に、また黄色い歯を見せてニヤけると、褌を投げつけ、その場を去って行った。
恒彦は、暫しの間、念願の褌をつける気にもならず、茫然とそこに転がる薊を見つめ続けた。
この時になり、今更のように、忘れかけていた、責め殺してしまった妹の百舌の事を思い出す。
『アッ!アッ!アッ!キャーーーーッ!!!』
尻の裏参道に指を捻り込んだ瞬間…
形容不能な絶叫をあげる七つの少女の声…
『痛い痛い…痛いよう…』
『痛い…痛い…もう…もう…やめてよう…痛い痛い…』
最初は裏参道…
次には参道に、穂柱を捻り込む度に、悲痛な声をあげて泣き噦る妹の顔…
あの時は、意に解するゆとりすらなかったが…
今になって、そこに転がる薊の姿と重なり蘇り、恒彦を責め苛み続けた。
『何て事を…俺は…俺は…何て…』
気付けば、恒彦は胸を掻き毟りながら、咽び泣いていた。
すると…
『恒彦様…』
不意に、もう死んでいるのではないかと思われていた薊が、恒彦の方に手を伸ばしてきた。
『薊!すまねえ!すまねえ!』
恒彦は、思わず飛びつくように側に寄ると、薊は伸ばした手を恒彦の頬に触れさせた。
そして…
『薊…俺は…俺は…』
尚も何か言いかける恒彦を遮るように力なく首を振り、何とも優しげな笑みを浮かべて見せた。
『薊…』
『刑部様…』
恒彦は、漸く長い夢から覚めたように現実に返ると、腕の下から心配そうに見上げる若芽の顔がそこにあった。

兎神伝〜紅兎四部(32)

2022-02-04 00:32:00 | 兎神伝〜紅兎〜革命編其乃二

兎神伝

紅兎〜革命編其乃二

(32)膝枕

揺れている…
ゆらゆらと揺れている…
揺籠に揺らされているようだ…
『アンッ…アンッ…アンッ…』
騎乗位に跨る若芽が、腰を動かす度に、優しい微睡に包まれてゆくのを感じる。
これで、子守唄でも聴こえてきたら、すぐにでも深い眠りに入ってしまうだろう。
恒彦が、ふと若芽の顔を見上げると…
『刑部(ぎょうぶ)様…』
若芽は、ニッコリ笑って恒彦の手を取り、乳房の方に誘った。
『若芽…』
恒彦も、歯に噛むような笑みを返すと、椀を逆さにしたような乳房を揉み、粒程の乳首を、指先で転がし出す。
『アンッ…アンッ…アンッ…』
若芽はまた、赤子の声にも似た喘ぎを漏らしながら、前にも増して、軽やかに腰を動かし出した。
揺れている…
ゆらゆらと揺れている…
穂柱を挿れる時は肉壁を緩め、出す時は強く引き締める…
時には、腰の動きを止めて、包み込む肉壁の動きだけで揉み扱く…
平蔵仕込みの朧流房術か…
いや…
平蔵なら言うだろう…
閨房の作法だと…
朧の里では…
いや、山人(やまと)達の間では、穂供(そなえ)は食と同じ、誰もが生まれた時から嗜む事を許された、命の営みとされていると言う。
赤子が産まれると、男児は母親や姉達に、女児は父親や兄達に、愛撫を受けて育てられると言う。
物心がつくと、愛撫の仕方を教え…
男児は神門(みと)を、女児は穂柱を、口で慰める事を覚えると、親達の見てる前で、近所の子供達と全裸で戯れ遊ばせるようになり…
七つを過ぎると、他家に預けて、その家の異性の大人達からも仕込まれ…
御祭神が目覚めると、好きな大人の異性より参道を開かれ、その後は自由に穂供(そなえ)を楽しむ事が許されると言う。
嗜みか…
俺も、そんな風に穂供(そなえ)を教わりたかった…
しっとり濡れた若芽の肉壁で、優しく穂柱を揉み扱かれながら、更に包み込む微睡の中、恒彦は思った。
恒彦の産まれ育った、御宮宿(おみやのやど)では、穂供(そなえ)は支配であり、搾取でしかなかった。
男による支配と搾取…
女はモノでしかなかった。
幼い頃から、目にするものと言えば、男達の手で玩具にされる年端の行かない少女達の弄ばれる姿…
耳にするものと言えば、弄ばれる少女達の咽び泣く声…
それは、兎津に連れられてくる青兎や穢兎ばかりではなかった。
恒彦の父である善治郎は、実の娘達もまた、進んで進物として、道具として、慰みとして、神職家(みしきのいえ)に差し出していた。
恒彦の姉や妹達は、絶えず屋敷に訪れる神使(みさき)や神漏(みもろ)の玩具にされ…
或いは、近場の社(やしろ)に献上されたりしていた。
全ては、大門船の鑑札を手に入れんが為…
更には、刑部職(ぎょうぶしき)の役職を手に入れんが為…
恒彦もまた、そんな父から最初に叩き込まれた事は、女をモノとして扱う事であった。
女をモノとして扱えるようになるまで…
男児も男とは見做されず、船に乗る事も許されなければ、褌を身につけさせても貰えなかった。
『と…父さん!兄さん!痛い!痛い!』
『ええいっ!泣くな!女はな、こうやって扱うんぞ!こうだ!こうだ!』
『さあ、しっかり舐めろよ。女にさせる前にな、おめえがしっかりコイツの味を覚えねえとな。』
物心ついた頃…
恒彦は、来る日も来る日も、田打と称しては、父や兄達に、尻や口に穂柱を捻り込まれ続けた。
父や兄達にされる事に慣れると、宿場の渡瀬人(とせにん)達からも田打を受け…
やがては…
『ほほう、此奴がおまえの七人目の息子か。』
『へぇ。お味の方は、如何でござんしょう。』
『フムフム…裏参道の締め付けと言い、舌使いと言い、なかなかなものではないか。
男離れした容姿と言い…
このまま、褌を締めさせ、船に乗せるのが惜しいのう。』
『まあ、それも、コイツが白穂を放てるようになった時、一端に女を扱えるかどうかで決まりやすがね。』
『で、女を扱えなければどうする?』
『そいつは、決まってるでやしょう?女を扱えねえ奴は、女として扱うしかござんせん。』
『成る程…では、その時は、それがしが飼うてやろう。たんまり、礼も弾むでな。』
『その時は、よしなに…』
と…
宿場に訪れる、神職家(みしきのいえ)の男好きな者達の相手をさせられるようになった。
『よしよし!おめえも、一端に白穂を放てるようになったな!』
十一の時…
乱暴に鷲掴む父の手の中、初白穂が放たれると、七つになったばかりの妹をあてがわれた。
女の扱いを覚える為である。
『良いか、俺達がおまえにしてやったように、コイツにもしてやれ。最初は、おめえがされたのと同じように裏参道、それができたら、今度は参道の中に白穂を放って、おしめえだ。それで、おめえも褌を締めて、一端の男になれるんだ。』
父の善治郎はそう言うと、全裸に剥かれ、兄達に手足を抑えつけられている妹に、恒彦を嗾けた。
『アッ!アッ!アッ!キァァァァーーーーッ!』
恒彦が、尻の裏神門(うらみと)に指を捻り込むや、妹は耳を劈くような悲鳴をあげた。
指先を締め付ける、裏参道の肉壁の感触が、幼き頃から父や兄達に抉られた時の苦痛を蘇らせる。
されど、この時の恒彦に、妹に憐憫を寄せるゆとりなど一片もなかった。
これをしなければ…
父や兄達…
宿場の男達に、赤兎の如く苛まれる地獄が永遠に続くのだ。
『ヒィィィィィーーーーーーーーーッ!!!!』
背中を弓形に、身体を仰け反らせ、延々と凄まじい声を上げ続ける幼い妹の裏参道を掻き回しながら思った事…
それは…
一刻も早くこの中に白穂を放たねば…
一刻も早く白穂を放ち、男として認められねば…
この地獄を終わらせたい…
女のように扱われる地獄を終わらせたい…
それでも、まだ、尻の裏参道を指で掻き回している間は、胸の疼きはあった。
自分がされた時の苦痛を重ね、妹を哀れむ気持ちもあった。
しかし、それも…
『ヒッ!ヒッ!ヒッ!ヒャーーーーー!!!!』
いつの間にか、極限まで膨張していた穂柱を、尻の裏参道に捻り込んだ瞬間、全て吹き飛んだ。
ただ、疼く穂柱を締め付け、扱かれる心地よさに我を忘れ…
気づけば獣じみた声を上げ、悲痛に泣き叫ぶ妹の裏参道を、夢中になって抉り続けた。
そして…
『ウッ!ウッ!ウッ!ウォォォーッ!!!』
『キャーーーーーーーーーーーーッ!!!』
恒彦の咆哮と妹の悲鳴が交差する中、溢れんばかりの白穂が放たれた瞬間…
『よしよし、よくやった!』
『どうだ、気持ちよかっただろう?』
『さあ、次はいよいよ表参道を通ってやれ。』
『表参道を通ったら、お前も一端の男だ。褌を締めさせて貰えるぞ。』
父や兄達が一斉に手を打ち鳴らし、肩を叩いて言う言葉に、完全に人間である事を忘れ、雄の野獣と化していた。
これで、褌を締める事ができる…
赤兎のように、股間を晒して街中を歩かなくて済む…
何より、女のように男達の玩具にされずに済む…
生暖かな肉壁に締め付けられ、扱かれる心地よさに良い知れながら、頭の中はその思いでいっぱいになった。
気づけば…
『痛いよー!痛い痛い!やめて!やめて!お願い!もうやめてーーー!痛い!痛い!痛い!』
『えいっ!黙れ!喧しい!大人しくしろっ!』
抗い泣き叫ぶ妹を、父や兄達と一緒になって、殴り、蹴飛ばし、踏みつけながら、血塗れになった小さな股間を抉り続けていた。
そうして、何日にもわたって、恒彦は延々と妹を責め苛み続けた。
一度、中に出す心地良さを覚えてしまえば、もう止まるものではなかった。
十五を間近にし、一番盛りの時でもある。
放っても放っても、白穂は尽きず…
白穂の疼きは鎮まる事を知らず…
一日に何十回、妹の中に放ち続けたか、自分でもわからなくなっていた。
そもそも、心地よさに我を忘れていた恒彦の頭から、その間の記憶は全て消し飛んでいた。
漸く我に帰ったのは、妹を苛み始めて半月もした頃…
幼い妹が冷たい骸と化している事に、気づいた時の事であった。
妹を責め殺してしまった…
その事を知った瞬間は、とんでもない事をしてしまったと言う思いに凍りついたが…
『でかした!よくやった!これで、おめえも今日から一端の男だ!』
父に肩を叩かれ、念願の褌が与えられると、その罪悪感も消し飛び、むしろ誇らしい気持ちとなった。
この日を境に、父を親父、兄達を兄貴と呼ぶ事を許された恒彦は、それまでの地獄の日々すらも消し飛んで、一端の男として、渡瀬人(とせにん)として、宿場を闊歩するようにもなった。
父から、玩具代わりにあてがわれた妹達や、宿場の娘達を、取っ替え引っ替え弄ぶ事にも夢中になった。
しかし…
十五の時…
始めて乗せられた船に激しく酔い、倒れた。
渡瀬人(とせにん)達の間では、女を扱い、船に乗れ、喧嘩できる男だけが男である。
まともに船に乗れぬ男は、例え船主の息子であっても、男とは見做されない。
最早、いつ川に捨てられてもおかしくない、荷物に過ぎなかった。
恒彦もまた…
『チッ!役立たずが!野郎ども!コイツを捨てちまえ!』
吐き捨てるように言う父親、善治郎の命じるままに、川に投げ捨てられるところであった。
それを、必死で止めに入ったのは、たまたま同じ船に乗り合わせていた、薊と言う青兎であった。
『出て来い、出て来い、お白穂さん…
出て来い、出て来い、お白穂さん…』
何とも優しげな声と、股間を弄る柔らかな温もり…
気づけば、恒彦は柔らかな少女の膝を枕に寝かされていた。
『気分はどうですか?』
少女は、心配そうに恒彦の顔を覗き込みながら、あの歌声と同じ優しげな声で尋ねてきた。
『おめえは?』
『薊です。』
『薊…おめえが、ずっと俺を?』
『まだ、お顔の色が優れません。もう少し、お休みください。』
薊はそう言うと、また、あの歌を歌いだした。
『出て来い、出て来い、お白穂さん。
出て来い、出て来い、お白穂さん。』
同時に、また、股間を弄る柔らかな温もり…
恒彦は、この時になって、はたと気づく。
いつの間にか褌が外されている事を…
同時に、その意味を知り、深い絶望感にもとらわれる。
妹を責め殺し、漸く一端の男と認められて締める事を許された褌…
意識を失っている間に外されていると言う事は…
男として失格者と言う烙印を押されたのと同じ事であった。
そんな彼を慰めるかのように、更に優しい響きを帯びて聴こえてくる歌声…
『出て来い、出て来い、お白穂さん…
出て来い、出て来い、お白穂さん…』
そしてまた、股間を弄る柔らかな温もり…
見れば、薊は歌いながら、恒彦の穂柱をそっと揉み扱いていた。
恒彦が、再び薊の顔を見上げると…
『おっ…お嫌でしたか?』
歌と手を止めて、身を固くした。
『お父さん…泣いてなかなか眠れない時、これをして差し上げると、とても喜んで、ぐっすり眠ってくれたから…』
『父さんが…泣く?』
『はい。私が赤兎の皮剥が決まってから、田打をする度に泣いていて、なかなか眠れませんでした…
それで、私…』
『続けてくれ…』
『えっ?』
『今のを続けてくれ…俺も眠れそうだ。』
恒彦がぶっきらぼうにそっぽ向いて言うと、一瞬、首を傾げた薊は、静かな笑みを浮かべ…
『出て来い、出て来い、お白穂さん…』
また、歌いながら、恒彦の穂柱を揉み扱き出した。
それから、恒彦は毎日、薊の歌声と穂柱を揉み扱く温もりに目覚めた。
歌声も心地よければ、穂柱を揉み扱く温もりも心地よかったが…
何よりも、薊の膝枕の感触がとても心地よかった。
恐らく…
この時、恒彦は産まれて初めて、深く眠れたのではないかと思う。
今にして思えば…
この頃、目覚めている時の記憶と、眠っている時の記憶は、実に曖昧なものであった。
眠っている間も、見る夢は、薊の膝に抱かれて介抱されている夢であり…
目覚めて、最初に見る景色も、薊の優しげな笑顔であった。
最初は、水も受け付けなかった恒彦は、少しずつ、薊の手から粥を啜れるようになった。
『アッ!』
『アッ!』
二人が、同時に声をあげたのは、恒彦が漸く自分で椀を持って粥を啜れるようになった頃…
いつものように、恒彦を寝かしつけようと、穂柱を揉み扱いていると、いきなり噴水のように白穂が放たれた時であった。
『あっ…あの…あの…申し訳ありません…』
白穂塗れにした手をどうして良いか分からず、泣きそうな顔をする薊を見て、恒彦は思わず声を上げて笑いだした。
すると…
『あの…あの…』
しばし、途方にくれた顔をする薊もつられて笑い出した。
漸く二人の笑いがおさまった時…
『凄く、気持ちよかったぞ。』
『気持ち…良かった…』
『ああ、一気に常世に登った気持ちだった。』
恒彦は言うなり、薊を押し倒すや、脚を大きく広げさせた。
『えっ?あの…』
思わず顔色を変える薊は、すぐに何が始まるのか察し、されるがままになった。
男が、こうやって自分にする事はみな同じ…
それは、九つで皮剥を受けた時から、わかりきってる事であった。同時に、そう言う男達に対しては、絶対服従する事も叩き込まれていた。
きっと…
他の男達と同じように、指や異物で参道を掻き回し…
固くなった穂柱で、気の済むまで抉り続けるのだろう…
薊は、歯を食いしばり、拳を握り締めると、覚悟を決めて身を固くした。
しかし…
『アッ…アッ…アッ…アーンッ…アン…アン…アーン…』
気づけば、薊は赤子のような声をあげて、喘ぎ出していた。
『どうだ?気持ち良いか?』
薊の股間に顔を埋め、仄かに若草を茂らせた神門(みと)のワレメに沿って舌を這わせた恒彦は、束の間、顔を上げて尋ねてきた。
『えっ…あっ…はい!』
薊は、これまで男達がするのとは違う事に戸惑いつつ、慌てて返事をすると…
『そうか。俺の妹もな、いつも、俺に可愛がられてビービー泣いてるくせに、これをしてやると気持ち良いって言って、大人しくなるんだよ。
これで、おあいっこってもんだ。』
恒彦はまた、薊の神門(みと)をワレメ線に沿って舐め始めた。
『出て来い、出て来い、お白穂さん…』
『出て来い、出て来い、お白穂さん…』
薄闇の船底で過ごす日々…
朝夕の訪れも、日の過ぎる数も知る術はない。
ただ、薊の歌声と穂柱を扱く感触に目覚め、一緒に歌い出した時が、恒彦にとって一日の始まりとなった。
『出て来い、出て来い、お白穂さん。』
『出て来い、出て来い、お白穂さん。』
恒彦は一緒に歌いながら、薊の顔を見上げると、薊は優しく微笑みかける。
恒彦もまた、悪戯っ子のような笑みを返して、その頬を撫でると…
『出て来い、出て来い、お白穂さん…』
『出て来い、出て来い、お白穂さん…』
また、一緒に歌いだし…
やがて…
『ウッ…ウッ…ウッ…』
恒彦は、下腹部の辺りから、何やら込み上げるものを感じるや、腰を浮かせて爪先を突っ張らせ…
薊は薊で、恒彦の絶頂の訪れが近い事を察すると、穂柱を扱くのをやめて、代わりに口に咥える。
『ウーッ…ウッ…ウッ…ウーッ…』
恒彦は、生暖かな口腔内で、先端をチロチロ舐められる感触と、吸い上げられる感触とに、一段と腰を浮かせて爪先を突っ張らせて行き…
『ウゥゥゥゥーッ…』
一際、声を上げて腰を浮かせたまま静止させると、薊の口腔内に多量の白穂を放った。
薊は、尚も舌先を動かし続けながら、放たれた白穂を一滴余さず呑み込んでゆき…
恒彦が放ち終えると、尿道が空になるまで、穂柱を吸い続けた。
『さあ、今度はおめえの番だ。』
恒彦は、漸く穂柱が解放されると、薊を押し倒して、帯を解き、着物を襟裾を開いて、胸と股間をむき出しにする。
薊も、最初にされた時のように怯える事なく、満面の笑みを浮かべて、されるままになる。
『アンッ…アンッ…アンッ…』
恒彦は、薊の漏らす甘えるような声に聞き耳を立てながら、椀を逆さにしたような乳房を揉み、小さな乳首をしゃぶり、神門(みと)を弄り撫で回す。
『アーンッ…アッ…アッ…アーンッ…』
恒彦が、乳首を吸う唇を、腹部から下腹部、股間へと、舌先でチロチロ舐め回しながら移動してゆくに連れ、薊の喘ぎは小刻みとなり…
やがて、股間へとたどり着き…
『アンッ…アンッ…アンッ…アーンッ…』
一段と軽やかになる喘ぎに合わせ、ワレメ線に沿って神門(みと)を舐め回す恒彦は、急に動きを止める。
見れば、仄かに若草の茂る神門(みと)はしっとり濡れ、小さくはみ出す内神門(うちみと)のヒダは、ヒクヒクさせている。
恒彦は、再び極限まで膨張した穂柱を疼かせながら、薊の股間に釘付けになった。
玩具代わりにあてがわれた妹になら、ここで有無を言わず、我を忘れて穂柱を貫かせていただろう。
いや…
既に三回は、中に放っているところである。
しかし、この時は、何故か泣き叫ぶ妹達の顔ばかりが脳裏を掠めた。
同時に、自分が父や兄達にされた時の事を思い出した。
恒彦にとって、穂柱を貫かれる事は痛い事であった。
痛い事をされる事は支配される事であり、する事は支配する事であった。
妹達にし続けてきた時は、妹が痛がって泣き叫べは泣き叫ぶほど、支配者になれたような陶酔に浸ってもいた。
それが、今は何故か、胸の疼きとなって、次の行為に移れなかった。
すると…
『恒彦様、いらして。』
薊は自ら両手と一緒に脚を開いて、笑いかけた。
『薊…』
『さあ、早く…』
恒彦は、取り憑かれたように、薊の神門(みと)に穂柱を押し当てると、ゆっくりと腰を落としていった。
『アンッ…アンッ…アンッ…』
穂柱が、参道の奥へ奥への挿るのに合わせ、薊はまた、甘えるような声を上げる。
『薊…』
『恒彦様…』
尚も躊躇いがちな恒彦は、うっとりするような薊の眼差しと目線を絡み合わせると、漸く何かふっきれたように、激しく腰を動かしていった。
揺れている…
ゆらゆらと揺れている…
或いはそれは、川面を走る船底だからだったのかも知れない。
しかし、今度の揺れは、最初に船に乗ったときと違って実に心地よい…
揺れによる酔いもまた、心地よい。
まるで、雲に浮かび上がるような、不思議な酔い心地…
まだ、酒の味を知らなかった恒彦は、これが酒盛りの味なのかとも思った。
酔えば酔うほど、更に欲しくなり…
欲するままに呑み干せば、更に酔いは深くなる。
『アンッ…アンッ…アンッ…アンッ…』
『ウゥッ…ウゥッ…ウゥッ…ウゥッ…』
二人の喘ぎが交差する中…
恒彦の腰の動きは止まらなかった。
薊の中に放っては、また膨張し…
極限まで膨張しては、また薊の中に放つ…
その度に、下腹部から全身に広がる暖かな感触…
包み込まれるような温もり…
こんなにも暖かいものだったのか…
こんなにも安らかなものだったのか…
揺れている…
ゆらゆらと揺れている…
妹達を貪り食っている時、一度も感じた事のない、心地よい揺れ…
一日は、この心地よい揺らめきの中に過ぎて行き…
気づけば、また、薊の膝枕に顔を埋めて、眠りについていた。

兎神伝〜紅兎四部〜(31)

2022-02-04 00:31:00 | 兎神伝〜紅兎〜革命編其乃二
兎神伝

紅兎〜革命編其乃二〜

(31)道均

刑部(ぎょうぶ)様が、また大きくなられてる…
若芽は、恒彦の唇を吸いながら、掌の中で再び膨張を始めた穂柱の温もりを感じながら思った。
同時に…
やっぱり違う…
全然、違う…
平蔵様と…
殊に…
『ウッ…』
若芽が、掌の中で存分に膨張した穂柱を口に含むと、恒彦がまた、低い声を漏らした。
『ウゥゥゥゥーッ…』
若芽の口腔内で、恒彦の穂柱は瞬く間に、極限まで膨張し、先端は早くも滑り出していった。
男の白穂の味なんて、みんな同じさ…
恒彦の吐き捨てるような言葉が脳裏を過ぎる。
若芽も、ずっとそう思っていた。
来る日も来る日も、口の中に捻り込まれる穂柱は、どれもろくに洗われていなかった。
どころか…
わざわざ厠で用を足した直後、湿った穂柱を捻り込んで喜ぶ男達も大勢いた。
そうして、あの白濁したものを、咽頭に向かって大量に放ってくる…
ただ鼻を突くような強烈な臭い…
ただ口腔内を満たす生臭さ…
若芽にとって、男の臭い、男の味とは、それが全てであった。
しかし…
『ほんの少し触れられただけで、こんなに身を固くするとは…
哀れよの…
男に怯え、男の感触に震え慄きながら、これから先までずっと、男達の…
不憫よな…』
館に辿り着き、最初に目覚めて目にした平蔵は、若芽の顔をジッと覗き込みながら、そう言って溜息をついた。
『男の温もりも、匂いも味も、抱かれる男によって皆違う。女のそれが、抱く女によって皆違うようにな…
だが、どの温もりも、匂いや味も、どれも本当は安らかで心地よく満たしてくれるもの…
酒や食い物が、喉や腹を満たしてくれるのと同じだ。』
そうして、また思い出すのは…
『どうだ?同じ男が放つものでも、全く違うだろう、味も匂いもな…』
若芽が、口腔内に放たれた白穂を呑み込んだ時…
平蔵が、優しげな眼差しを傾けて、若芽の頬を撫でながら言った言葉…
違う…
確かに違っている…
『ウグッ!』
恒彦が、思い切り尻の裏神門(うらみと)に力を込め、軽く腰を浮かせた刹那…
若芽の口腔内いっぱいに、生暖かいモノが放たれた。
『ウゥゥゥゥ…』
放っても放っても…
泉の如く湧き出る白濁したモノ…
未だ十三の小さな口にはおさまり切れず、今にもはみ出でてきそうなソレを、若芽は一滴余さず飲み干そうとしながら、改めて思う。
違う…
違う…
みんな、違うんだ…
味も…
匂いも…
何よりも…
延々と、尽きる事なく恒彦の穂柱から溢れ続けると思われた白穂も、遂に尽きる時が訪れた。
尿道も、吸われ尽くして殻となり…
若芽の口の中の膨らみも、緩やかに鎮まろうとしていた。
しかし、それもまた、束の間の事…
溢れ出るモノを飲み尽くし、少しずつ萎みかけてなお、小さな舌先に先端をくすぐられ続けると…
恒彦の穂柱は、またも、膨張を始めた。
いよいよだ…
これからだ…
私と刑部(ぎょうぶ)様は…
これから本当に…
いよいよ本格的に気を込めて、穂袋を揉み、穂柱の竿を扱き、先端に舐めながら、思いを馳せていった。
恒彦に抱かれる夢を見たのは、いつ頃からであったろう。
漠然と、そうなれば良いなと思ったのは、船の上…
脇腹の刺し傷の応急処置が施され、目覚めると、そこには可愛く着物を着せられた穢兎(けがれうさぎ)達が、心配そうに顔を覗かせていた。
若芽が、笑みを浮かべて一巡させると、漸く笑みを返す穢兎(けがれうさぎ)達は、次々と若芽の隣に潜り込んできた。
中でも、一番小さく甘えん坊の丸子は、片時も離れず若芽と添い寝して、若芽も丸子を胸に抱いて眠り続けた。
丸子は、若芽が目を覚ます度に、同じ事を聞いてきた。
『ねえ、どんな夢を見たの?』
『夢?』
『丸子は、お父さんとお母さんのところに、お姉ちゃんを連れてゆく夢を見たの。お姉ちゃんがずっと優しくしてくれた事、可愛がってくれた事を話したら、凄く喜んでくれて、おいしいものをたくさん作ってくれたよ。それで、お姉ちゃんも、うちの子にして良いよって言ってくれたの。』
『そう、私も、ちびまるちゃんのお家の子にして貰えるんだ。嬉しいな。』
『うん。毎日、お父さんとお母さんのところで、一緒に遊べるね。』
丸子は、赤兎の時から、束の間の眠りの中で、夢を見るのだけが楽しみだったと言う。
見る夢は、決まって優しい父と母の夢…
最も、丸子は若芽同様、両親の顔を知らない。どんな家族の家に生まれたのかも知らない。
丸子の夢に出てくる両親は、想像の両親だった。
逆に、若芽は夢など見た事はなかった。
いや、見てはいたのだが、夢に出てくるのも、現実同様、欲情した男達であり、起きている時同様、絶え間なく口と股間と尻の三つの孔に穂柱を捻り込んできた。
起きている時も、寝ている時も、同じ光景が続くうち、次第に夢と現実の見分けがつかなくなって、夢など見てないのと同じになった。
それは、恒彦に救い出されてからも同じであった。
やはり、夢の中でも同じ顔の同じ男が、若芽の全身を弄り回し、穂柱を参道に捻り込んでくる。
ただ…
『お姉ちゃん、昨夜もずっと、刑部(ぎょうぶ)様の名を呼んでたね。』
目覚める度に、丸子がニコニコ笑って若芽に言う。
『刑部(ぎょうぶ)様の?』
『刑部(ぎょうぶ)様と、夢の中で何をしていたの?何だか、とっても嬉しそうだった。』
若芽は、そんな馬鹿なと思った。
確かに、救い出されてから、夢の中で若芽の身体(からだ)に貪りついてくるのは、何故か恒彦であった。
おそらく、なまじやさおとこなだけに、絶えず鋭い眼光を放つ彼が、怖かったからなのだろうと思う。
けれども、不思議な事に夢の中で彼にされるのは、一つも嫌でなかった。
むしろ、嬉しかった。
もっと、して欲しいと思った。
夢の中で、自分から求め…
何度も何度も恒彦の名を呼び、その声は歓喜の叫びとなった。
目覚めれば、身体(からだ)中が火照り、神門(みと)の奥がしっとり濡れていた。
目覚めれば、そんな自分に戸惑いを覚えていた。
『ねえ、お姉ちゃん、夢の中で刑部(ぎょうぶ)様と何をしてたの?』
『何をって…』
『私は、夢の中で、お父さんとお母さんと、折り紙折ったの。カメ父さんに習った鶴さんと亀さん折って見せたら、とっても上手だって、褒めてくれた。』
『そう、良かったわね。私は、刑部(ぎょうぶ)様と…』
言いかけ、口を濁らす若芽は、遂に見た夢をどう話して良いか分からずに終わった。
それでも丸子は…
『お姉ちゃんの夢、本当になると良いね。刑部(ぎょうぶ)様と、夢の中でした事、本当にできると良いね。』
そう言って、満面の笑みを残して、他の穢兎(けがれうさぎ)達と一緒に、亀四郎に連れられて行った。
そして、それが丸子の笑顔を見て、声を聞く最後となった。
丸子達がいなくなり、急に寝床が寂しくなった若芽は、それまで以上に恒彦に抱かれる夢を見るようになった。
夢は、目覚めても終わる事がなく、恒彦の姿を見かけては、身体(からだ)中が火照るのを感じた。
そして、気づけば、手は股座に忍ばされ、神門(みと)のワレメを弄っていた。
あの日もまた…
青兎達が、全裸で平蔵と戯れる傍で、一人恒彦を思い、寝床の中で股座を弄り回していた。
『アッ…アッ…刑部(ぎょうぶ)様…刑部(ぎょうぶ)様…アッ…アッ…アッ…アァァッ…』
ふと気づけば、寝巻きの触れたあたりが、まるで漏らしたように、ぐっしょりと濡れている。
『あっ…私…』
我に帰った若芽が、自身の身体(からだ)の変化に戸惑いと恐れを感じていると…
『傷が疼くのか?』
裸に寝巻きを一枚羽織っただけの平蔵が、若芽に声をかけてきた。
『平蔵様…』
『平蔵様ではない、哲人のテツ…テッちゃんだ。』
『テッ…ちゃん…』
『そうだ。』
『テッちゃん…あの…あの…私…』
『疼いておるのは、傷口ではないな。』
平蔵に言われると、若芽は唇を噛んで押し黙った。
『好いた男の事を思って、身体(からだ)が疼くのは、おかしい事でも何でもない、普通の事だ。腹を減らした丸子が、おめえに結をせがむのと同じだ。』
『まあ!ちびまるちゃんと同じだなんて…私、あんなに小さくありませんわ。』
『何を言う。おめぇも丸子も、俺に言わせりゃあ、同じ子供…ほんの赤子だ。』
平蔵が言うと、若芽は漸くクスクス笑い出した。
『論より証拠…』
平蔵も笑いながら、若芽を抱き起こしながら、スルスルと帯を解き、漏らしたように濡らした裾よけと腰巻を外し…
『アッ!』
若芽は、股間に手を回されると、忽ち身を固くした。
それでも、膝を閉じたり股間を手で隠そうとしないのは、何をされても、抗えば凄惨な仕置きを受け続けてきたこれまでの経験によるものだろう。
『おめえは、まだまだ男を知らねえ、おぼこ。参道もコチコチで、ちゃんと開かれておらん。』
平蔵は、若芽の神門(みと)を、ワレメの線をなぞるように優しく撫で回しながら、言葉を続ける。
『私がおぼこ…参道が開かれてない…』
『そうだ。おめえは、今まで飢えた野獣共に食い散らかされただけで、まだまだ参道も開かれてなければ、女にもなっておらん。生娘だ。
生娘は、好きな男と抱きおうて、満たされて、初めて女になるのだ。』
『好きな男と…』
『抱かれてぇんだろう?ツネ公に…』
若芽は、忽ちいつも夢見る光景を思い出して頬を紅くした。
『ならば、素直に抱かれる事だ。男は、抱きたくなれば抱きたい女をだけばよく、女は抱かれたくなったら、抱かれたい男に抱かれると良い。男女に大人も子供もなく、男は生まれた時から男、女は生まれた時から女…互いに求め合う事は普通の事だ。命はそうやって結ばれてゆく。』
平蔵は言いながら、若芽の首筋に唇を当て、チロチロ舐め回しながら、ゆっくりと肩に向けて動かしていった。
『ウッ!ウゥゥッ!』
最初のうち、やはり、若芽は、相変わらず身を固くしていた。
物心ついてからずっと…
身体(からだ)を弄られるのは、怖くて、痛くて、辛い事でしかなかった日々…
暗い土牢や御贄倉の土間で目覚めた時…
今日も、どれだけの男達に、何をされるのかを思い、震えが止まらなくかった日々…
赤兎だった頃の感覚が、今なお、身体(からだ)に染みついて離れなかった。
しかし…
『大丈夫、怖がる事はない。俺が今、おめえの身体(からだ)を解きほぐして、惚れた男に抱かれる事のできる身体(からだ)にしてやる。』
耳元近く息を吹きかけるように囁きかける平蔵に、指先で神門(みと)のワレメを弄られても、不思議と痛くなかった。
『刑部(ぎょうぶ)様に…私が…』
『まあ、厳密に言えば、おめえがツネ公を抱いてやるんだ。』
いきなり、身体(からだ)中を弄り回すのではなく…
丹念に耳朶をしゃぶりながら、言葉を続ける平蔵に、優しく神門(みと)を撫で回され、先端極部を包皮越しに摘まれると…
少し荒っぽく、揺籠に揺られる心地に陥りだす。
或いは…
剛毛に覆われた腕に抱かれ…
濁声の子守唄を聴いていると言うべきか…
されど、何故か安らかで心地よい…
お父さん…
若芽は、不意に心の中で呟くと…
『アッ…アッ…アッ…アッ…』
平蔵の胸に顔を埋め、少しずつ身体(からだ)の力を抜きながら、小さな喘ぎ声を漏らし始めた。
お父さん…
お父さん…
お父さん…
若芽は、産まれて一度も父親の顔を見た事がない。
土牢の中、絶え間なく弄ばれて育ち、七つで皮剥を受けてからは、貪り食われて過ごした日々…
男は皆、ケダモノでしかなかった。
父親など、存在どころか、そんな言葉がある事すら知らなかった。
なのに今は…
何故か父親に抱かれ、頬ずりされ、擽られている気がして、もっと弄られようと、自ら脚を拡げ出していた。
『お父さん…お父さん…お父さん…』
『お父さんか…悪くねえ。平蔵様より、ずっと良い。』
『お父さん…私が…抱くの?刑部(ぎょうぶ)様を…抱くの?』
『そうだ、おめえが、ツネ公を抱いてやるんだ。』
平蔵は、尚も、赤子に頬擦りしてあやすように、若芽の神門(みと)を弄りながら、囁き続ける。
『あいつはな…今、佳奈と言う女の子と一緒に暮らしている。』
『カ…ナ…ちゃ…ん…』
『良い子何だぞ。歳こそ丸子より一つ上の十一だがな、中身はおめえと同じくらい大人だ。
あの歳で、一端の女房気取り…飯の支度から、洗濯、掃除、何でもこなしてあいつに尽くそうとするだけでなく、あいつの心の痛みや傷もわかって、支えてやろうとしている。』
『そう…でしたの…』
『まあ、そんな顔するなって。もう、惚れあった女がいるからって、そいつを惚れちゃいかん道理もなく、抱いちゃいかんなどとは、誰も決めとらん。』
『でも…私…抱いたら…佳奈ちゃん…可哀想…』
『馬鹿な…そんな風に、勝手に決めて勝手に束縛されとるのは、麓人(くまそ)連中だけだ。
俺達、山人(やまと)の間では、求め合う男女は、他に褥を同じゅうする奴がいてもいなくても、求め合うままに、いつでも抱き合うのは当たり前の事だ。
結が好物な奴が、焼き魚を喰うのと同じ事よ。』
『結…お結…ちびまるちゃんが大好きな…』
『そうだ。その丸子が、焼き魚くっちゃいかん道理がないように、佳奈と惚れあってるツネ公を抱いちゃいかん道理はない。
穂供(そなえ)る事は、喰う事と全く同じ事だからな。』
『でも…』
『それにな、奴は、まだ佳奈を抱いてやってねえ。』
『まあ…どうして…』
『おめえと同じだ。心の古傷が元で、女を抱けなくなってる。いや、抱くのを恐れているんだな。
佳奈は、ツネ公の為に必死にその恐怖を振り払って、抱かれる事ができるようになったってのに…
抱かれよう、抱かれたいって思ってるのに…
肝心のツネ公がな…
だから、おめえの手で、あいつを男にしてやってくれ。』
『男…に…?』
『早え話が…おめえの手で、惚れあってる佳奈を抱いて、いつか子を産ませて、男としての喜びを…幸せをつかめるようにしてやって欲しい。』
『私が…刑部(ぎょうぶ)様を…幸せに…?』
『そうだ!おめえが、ツネ公を幸せにしてやるんだ!良い子だ!おめえは、物分かりの良い、賢い子だ!』
平蔵は、最後にそう言って頬擦りするや、漸く神門(みと)を弄るだけではなく、若芽の全身を舐め回し始めた。
『アッ…アッ…アッ…アッ…』
若芽は、首筋から肩、肩から腕、掌、指の一本一本…丹念に舐め回される毎に、不思議な感覚に陥っていった。
頭の中が、フワフワとする感覚…
身体(からだ)が宙に浮かび、漂う感覚…
更にそれは…
『アンッ!アンッ!アンッ!アンッ!』
平蔵に優しく乳首を吸われ、神門(みと)先端の包皮を捲り、神核(みかく)を直接摘まれると、若芽の声は一段と高くなる。
そして…
平蔵の唇が、胸から下腹部、下腹部から股間へと移って行き…
神門(みと)の狭間のワレメを舐め上げて行く舌先が、先端の包皮を捲られ、剥き出しにされた神格に触れてゆくと…
『アァァァーーーンッ!アンッ!アンッ!アァァァーーーンッ!』
背中を弓形にして身悶える若芽は、背中に生えかけた小さな羽が、少しずつ翼になつて広がってゆくのを感じ…
平蔵が、舌先で擽られていた小さな突起を、唇に含んで吸われるや…
『アァァァァァァァァァァーーーンッ!!!』
若芽は、遂に大空を飛び立ったと思った刹那…
頭の中が真っ白になり、意識が遠のいていった。
『どうだ?心地良かったか?』
平蔵は、我に帰った若芽に、無骨に笑いかけながら尋ね…
『はい、とても…』
若芽がニッコリ笑ってうなずくと…
『朧の里ではな、本当に好いた男の為に道を開けるよう、女の子は産まれた時から、実の父親や兄達に田起(たおこし)を受ける。それが、俺が今、おめえにした事だ。』
若芽の頬を撫でながら、また、話しを始めた。
『それで、物心つき始めたらな、今度は土弄(つちなぶり)と言うのをさせる。』
『つち…なぶり…?』
『早え話が、俺がおめえにした事を、今度は、おめえが俺にするんだよ。』
平蔵は言いながら、さりげなく若芽の手を自身の穂柱に導いていった。
『どうだ、大きうなっておろう?俺の身体(からだ)が、若芽を可愛いと言うておるぞ。』
平蔵が片目を瞑って言うと、若芽は肩を窄めてニコッと笑って見せ、掌の中で更に膨張する穂柱を、優しく握り締めた。
『さあ、そいつを扱いてみてくれ。最初は優しく、赤子を撫でるように…
それから、徐々に、力を込めていってな…』
若芽は、掌の中で膨らみを増し、熱を帯びてゆくモノに、赤兎だった頃に抱いた嫌悪感を何も抱かぬ自分に不思議さを感じていた。
臭くない…
汚くない…
怖くない…
むしろ、それは…
『そうだ、その調子だ。良いぞ、良いぞ、上手だぞ。』
竿を一扱きする毎に頬を撫でられ…
『うーん…良い心地だ、常世に登ったような心地だ。』
先端を撫で回すと、満面の笑みを傾ける平蔵の声の優しい響きもあったのかも知れない。
次第にそれは、愛しくてたまらないものとなっていった。
気づけば、若芽は自然と舐め始めていた。
最初は、穂袋の裏の付け根からチロチロと…
次第に舌先を穂袋へと移して行き…
更に竿の付け根から尿道に沿って、丹念に舐め回し…
『ウッ…ウッ…ウッ…』
小さな口いっぱいに穂柱を頬張り、先端の裏側を舌先で擽り出すと、平蔵は心地良さそうな声を漏らし始めた。
やがて…
『ウゥゥゥゥーッ!』
一際大きく漏らす声と同時に、若芽の咽頭目掛けて、大量の白穂が放たれた。
『どうだ?まだ男が…俺が怖いか?』
白穂を放ち尽くし、尿道が殻になるまで吸われ尽くした穂柱が、若芽の口腔内で再び膨らみと熱を帯び始めた時…
優しげな眼差しを向けて問いかける平蔵に、若芽は答える代わりに、穂柱を咥えたまま笑みを浮かべた。
『そうか、そうか、おめえは本当に良い子だ。』
平蔵もまた、そう言いながら穏やかな笑みを浮かべると、若芽を咥えた穂柱から離させ、そっと押し倒した。
『へ…平蔵…様…』
『平蔵様じゃねえ…』
『お父さん…』
『うーん…やっぱり、俺はテツが良い。哲人のテッちゃんだ。』
『テッ…ちゃん…』
『そうだ、テッちゃんだ。』
平蔵は言いながら、若芽の股間に手を回し、唇を重ねようとする。
『ダ…ダメ…』
『何故だ?』
『あの…その…私の口…汚い…から…』
『どうして、汚い?』
『その…その…』
『俺のは汚かったか?臭かったか?』
未だ戸惑う若芽が首を振るより早く、平蔵はその唇を吸いながら、無骨な指先で、神門(みと)のワレメを弄り出した。
ソコは、前の時よりも速やかに、且つシットリと湿り出す。
『それじゃあ、そろそろ、道均(みちならし)をしよう。』
『みち…ならし…』
『最初は実の父や兄達と…慣れたら近所の子供達と、存分に土弄(つちなぶり)をして、男と言うものを理解させたらな…
身近な大人に、参道を開いて均して貰う。
本当に惚れた男と抱き合う時、失敗しないようにな。
それを、山人(やまと)の間では、道均(みちならし)と言うんだ。』
『あの…あの…あの…』
平蔵が若芽の脚を拡げさせ、穂柱の先端を神門(みと)のワレメに擦り付けた刹那…
若芽は、漸く気を許し、解しきった身体(からだ)を凍りつかせた。
また、赤兎だった頃の記憶…
来る日も来る日も野獣と化した男達に、股間を抉られ続けた記憶が蘇ったのである。
しかし…
『大丈夫、怖くねえ。ツネ公を抱いてやりてえんだろ?幸せにしてやりてえんだろ?』
耳元近く平蔵に囁かれると、ハッと我に帰った。
『刑部(ぎょうぶ)様…』
そして…
今、若芽の身体(からだ)の下では、蒼白になった恒彦が見つめている。
その眼差しは、一見すると鋭く恐ろしくもあったが、よく見ると物哀しく怯えているようにも見えた。
『大丈夫…怖くありませんから…』
若芽は、何処か幼な子をあやすような気持ちで笑いかけると、恒彦の股間に跨り、穂柱を神門(みと)のワレメに包み込んで行き…
『刑部(ぎょうぶ)様、私を連れて行って下さいな。』
『何処へ行くと言うのだ?』
『海の彼方へ…刑部(ぎょうぶ)様の匂いのする、遠い遠い海の彼方へ…』
ゆっくりと腰を動かし始めた。


兎神伝〜紅兎四部〜(30)

2022-02-04 00:30:00 | 兎神伝〜紅兎〜革命編其乃二
兎神伝

紅兎〜革命編其乃二〜

(30)海鳥

縁側に腰掛け、一人遠くを見つめる彼は、近寄り難い孤高を漂わせている。
それでいて、見ていると何故か胸の奥から込み上げるものを感じさせ、そっと肩を寄せて抱きしめたい気持ちにもさせられる。
だけど、今は…
明け六つに、そっと重ねられた唇に目覚めると、そこには懐こい彼の笑みが浮かんでいた。
これは、夢の続きなのだろうか…
若芽は、未だ微睡醒め目を擦りながら、そう思った。
いつも、厳しい眼差しをしている彼は、なまじスラリとしたやさおとこなだけに、一層の凄みを感じさせている。
これまで、彼が笑った顔を見た事がない。
なのに、今は…
『ちびまるちゃん…』
『結が食いてぇ。』
『お腹、すいたの?』
『ああ、腹ペコだ。』
『お姉ちゃん、握ってあげるね。』
若芽が言うと、小首を傾げて笑いかける彼の顔は、何とも幼くあどけなく…
愛しい気持ちが込み上げてくる。
若芽は、恒彦に連れられて、館の裏手にある台所に来ると、既に炊き上がっている白米に手を伸ばす。
結を握ると言っても…
両親の顔は知らない…
そもそも、どのような家で産まれてきたのかもわからない。
物心ついた時には、社(やしろ)の土牢に繋がれていて、神職(みしき)達の穂柱をしゃぶらされ、小さな神門(みと)に指や異物を捻り込まれ、参道を掻き回されて過ごしていた。
着物など、一度も着せられた事がなく、いつも全裸で寒さに震えていた。
当然…
料理どころか、女の子らしい事を何一つ教わった事など無い。
大門船で、渡瀬人(とせにん)達にしゃぶらされた穂柱の放つ白穂以外、何も食べる物を与えらず、いつも飢えている穢兎(けがれうさぎ)達に、こっそり食べさせる為に握ったのが、産まれて初めてであった。
そんな若芽が、団子のような結を握る手を、待ちきれぬように覗き込む恒彦を見ていると…
一番幼かった丸子の事を思い出す。
『はい、刑部(ぎょうぶ)様。お結、できました。』
『おおっ、うまそうだな。』
恒彦は、また懐こい笑みを浮かべて結を受け取ると、夢中でかじりつき、胸につかえさせた。
若芽は急ぎ水の入った竹筒を取ると、何を思ったか不意に、水を口に含み、恒彦と唇を重ねて、流し込んでやった。
物心ついた頃から、家畜のように桶に首を突っ込んで水を飲まされた丸子は、竹筒の水をどうやって呑むか知らなかった。
それで、若芽はいつも口移しに飲ませてやっていたのである。
まるで、哺乳瓶のミルクを飲むように口移しの水を飲む丸子を見ていると、赤子の母になった気持ちにさせられたが…
流し込まれた水を、喉を鳴らして飲み込む恒彦も、同じ顔をしていた。
しかし…
不意に恒彦の舌先が、唇の中に潜り込んできた瞬間…
赤子の恒彦が、少しずつ大きくなって行き始めた。
若芽は、優しく抱きしめる恒彦の腕に身を委ねながら、舌先を絡ませる。
互いに互いの舌先を相手の唇の奥で絡ませる合うごとに、恒彦の顔は幼児から少年に、少年から青年となり…
年頃の若者となったところで、歳がとまった。
私の愛しい人…
刑部(ぎょうぶ)様…
恒彦が、重ねた唇を若芽の首筋に移しながら、着物の双肌を降ろされ、帯を解かれ出した瞬間…
恒彦は、若芽の赤子から弟に、弟から兄に…
そして、産まれて初めての男となった。
同時に…
最初は、平蔵の温もりが、男の温もりだとも思ったが…
今は、やはり違う、あれは父親の温もりなのだと思う。
同じ男の温もりでも、こんなにも違いがあるなどと言う事を、若芽は初めて知った。
七つで皮剥を受けて以来、数えきれぬ程の男達が若芽の中を通り過ぎて行ったが…
あれは全て、男に抱かれたと言うより、野獣に食い散らかされたと言う方が、正しかったからだ。
何処の社(やしろ)でも、黒兎や白兎達は、赤兎を妹のように可愛がる。
若芽もまた、七つで土牢を出され、赤兎としての日々を過ごすようになってから、黒兎や白兎達に可愛がられたが…
その黒兎に男を感じるより早く、白兎が産んだ仔兎神(ことみ)を、若芽が産んだ事にされ、青兎にされた。
それが、軍弾庁(ぐんだんちょう)内の軍弾館(ぐんだんやかた)に暮らし初めて、漸く二人の男を知る事になったのである。
『アッ…アッ…アッ…アァァッ…』
若芽は、椀を逆さにしたような乳房を揉まれ、乳首を吸われると、海鳥のような声をあげた。
実際…
潮の香り…
海の味…
若芽も恒彦の首筋から胸板にかけて唇を這わせ、その温もりを味わう毎に、自分は波の上を渡る海鳥になった気持ちになった。
飛んでいる…
飛んでいる…
刑部(ぎょうぶ)様と言う波の上を…
何処までも…
何処までも…
『アッ!』
若芽は、不意に下腹部から痺れを感じると、背を弓形にして跳ね上がった。
『アンッ!アンッ!アンッ!』
股間に回した恒彦の指先が、神門(みと)のワレメをなぞるのに合わせ、更に跳ね上がる。
そして…
『アァァーーーンッ!』
恒彦が乳房を揉みながら乳首を吸うのに合わせて、神門(みと)の先端包皮を捲りあげて、極部を直に摘むと、若芽は更に大きく跳ね上がって膝を崩した。
恒彦は、危うく仰向けに倒れそうになる若芽を、蹲み込んで膝に抱きとめると…
『一緒に、湯に浸かろうか…』
『はい、刑部(ぎょうぶ)様…』
虚な顔で頷く若芽に、また、懐こい笑みを覗かせた。
脱衣所に入ると、今度は、若芽が長椅子に腰掛ける恒彦の帯を解き、後ろから降ろす双肌に、唇にを這わせていった。
着物が滑るように脱がされて行くのに合わせ、暫し肩甲骨の辺りを丹念に舐め回すと、背骨に沿ってゆっくりと唇を這わせて行く。
そして、やがて腰まで来ると、褌を解きながら、股ぐらに小さな手を潜り込ませてゆく。
『フゥゥゥー…フゥゥゥー…フゥゥゥー…』
恒彦は、褌の中で穂柱を扱く手の動きに合わせ、大きく息を吐きながら、目を閉じる。
暖かい…
若芽は、次第に掌の中で穂柱が膨らんで行くと、クスクスと笑い出した。
やがて、褌が完全に外されると、恒彦の正面に周り、穂柱を扱き続けながら、股間に顔を埋めた。
『ハァァァー…ハァァァー…ハァァァー…』
恒彦の息を吐く声は、股間を舐める若芽の舌先の動きに合わせて、次第に大きく早くなって行く。
若芽の舌先は、穂袋を丹念に舐めた後、穂柱の付け根を擽り、更に裏側の筋に沿って舐めて行き、先端に辿りつくと、動きを止めた。
恒彦が静かに目を開くと、若芽の笑顔が、穂柱を扱き続けながら見上げている。
『どんな味がした?テツと余り変わらないだろう。』
『いいえ、全然違います。』
『そうか?』
『はい。平蔵様は、サラサラとして優しい味でしたが…刑部(ぎょうぶ)様は、しっかりして逞しい味がします。』
『俺の味は、逞しいのか。』
『はい。』
若芽が満面の笑みで大きく頷くと、恒彦はその頭を不器用に撫で…
『行こうか。』
また、少し首を傾げるようにして、懐こい笑みを浮かべた。
『アッ…アッ…アッ…』
露天の温泉の側で、岩石の風呂椅子に腰掛ける若芽は、後ろに座る恒彦の穂柱を扱きながら、喘ぎを漏らす。
『フゥゥゥ…フゥゥゥ…フゥゥゥ…』
大きく息を吐く恒彦もまた、若芽の背中を流しながら、仄かに若草を茂らす神門(みと)を、ワレメ線に沿って指を擦らせる。
『アッ!アッ!アッ!アッ!』
『フッ!フッ!フッ!フッ!』
二人の声は、互いの股間を弄り合う手の動きに合わせて、次第に大きくなり…
『フゥゥゥーーーーッ!』
恒彦の穂柱から、最初の白穂が大量に放たれるの同時に止んだ。
『刑部(ぎょうぶ)様のお白穂さん。』
若芽が手に掬う白穂を掲げながら、戯けた笑みで振り向くと…
恒彦は、唐突に唇を重ねながら、若芽の身体(からだ)をこちらに向かせた。
『アッ…アッ…アッ…アッ…』
恒彦の唇が、首筋を過ぎ、乳首に辿り着いて吸い出すと、若芽は再び声を漏らし出した。
若芽の身体(からだ)は、既に白桃色から薄紅色に紅潮し、湯に入るのを待たずして、すっかり火照っている。
恒彦が、若芽の股間に手を回すと、神門(みと)のワレメの中は、シットリと濡れていた。
テツの奴は、蜜の味がすると言っていたが…
この味は…
何と言うのか…
結の味…
いや…
結と言うより…
握る手の味…
握る手の温もり…
母の味…
母の温もり…
恒彦は、若芽の乳首を存分に吸うと、更に下腹部に向けて唇を這わしながら思った。
丸子が、あんなにも慕うわけだ…
この子は、身体(からだ)中から、母の香りを醸し出している。
十三にして、既に母親…
もし、ややを産んだら…
さぞかし…
しかし、恒彦の思いは、唇が若芽の股間に辿り着くと止まった。
神門(みと)の辺りは、漸く柔らかな若草が茂り出したばかりだと言うのに…
すっかり肥大して、熟女のようにはみ出した内神門(うちみと)の秘肉は真っ黒く変色し…
中を開いて見れば、剥離の跡だらけで、爛れていた。
幼い頃から、いったいどれだけ掻き回され、荒らされてきたと言うのか…
この状態では、おそらく御祭神も…
その時、不意に…
『イヤッ!イヤッ!ヤメテッ!ヤメテッ!お願い、ヤメテッ!』
初めて出会った頃…
誰かに触れられる度に、火のついたように泣き叫ぶ佳奈の姿が脳裏を過る…
『痛いよー!痛い!痛い!痛いよー!』
それでも、元々、赤兎ではなかった佳奈は、まだ泣き叫ぶ事が許されていた。
しかし、赤兎は…
『何だと?痛ぇだと?』
『痛えってのはな、こう言うのを言うんだ!』
『オラッ!足を拡げて見ろ!本当の痛みって奴を、教えてやるぜ!』
少しでも拒み、抗う言葉を口にすれば、凄惨な仕置きが待っている。
初めての航河で船酔いに倒れた恒彦を、優しく介抱してくれた赤兎の薊も…
『さあ、恒彦。おめぇも十五だ、いっぱしの男を見せて見ろ。』
『コイツとやりてでんだろう?存分にやれ。』
共に乗船する渡瀬人(とせにん)達に手足を抑えつけられ、大きく開かされた薊の股間を見た時…
真っ赤に腫れ上がった神門(みと)の内側を見れば…
それは、穂柱や異物を捻り込まれた時の傷とは、明らかに違う傷…
切り傷や刺し傷、火傷のような跡が、無数に見られた。
中でも針のようなもので刺されたような、神核(みかく)の傷は、無残であった。
そんな薊の参道を…
十五の盛りだった恒彦は、欲望の赴くままに貫いた。
あの時の苦悶に満ちた薊の顔…
しかし、それ以上に…
事を終えた後、自分のした事に震える恒彦に、優しく笑いかけた薊の顔は、片時も忘れる事ができず、遂に女を抱く事ができなくなった。
そして、今もまた…
恒彦は、若芽の股間に目を釘付けたまま、次第に全身に悪寒が走り、震えが止まらなくなり始めた。
すると…
『刑部(ぎょうぶ)様。』
若芽は、動きを止めた恒彦に呼びかけると…
『若芽…』
『私を鳥にして。刑部(ぎょうぶ)様の波の上を渡る海鳥に…』
『海…鳥…』
『はい。飛んで行きとうございます。刑部(ぎょうぶ)様とご一緒に…遠く、遠く、海の彼方へ…何処までも…』
蒼白になった恒彦に、ニッコリ笑いかけるや、今度は若芽の方から唐突に唇を重ねた。