ヒロシを見送ったのは2年前
冷たい雨が降るなか
ヒロシは煙になって
夢なのか...夢であってほしいと思いながら時間をやり過ごした
今でもまだヒロシを引きずりながら過ごしている
たくさんの後悔があるから
ヒロシと過ごした11年
子供たちは高校や大学、専門学生としてて着々と次のステップへ
家から独立していくなかで私の心の隙間を埋めてくれていた
癌と向き合い治療してる私の
家族にも見せない泣き顔を見ていてくれていた
仕事で疲れはてた私のそばでただただ抱き締めさせてくれていた
暖かい陽射しの庭の草引きで
なにものにも換えがたい幸せな時間をくれた
大事な大事な存在
なのに
たくさん留守番させて寂しい思いをいっぱいさせたのに
ヒロシの寂しさに思いを馳せることがなかった
たくさんの“思い当たるフシ”があったのに気づいてあげられずヒロシからのサインを見過ごしていた
ただの老化だと思っていた
寂しかったんだよね
しんどかったんだよね
癒されてばかりで癒してあげることしてあげられなかったよね
そして最後の最期まで寂しかっただろうね
看取ってあげられず病院で息を引き取った
病院からの急変の知らせで駆けつけたけど...
ありがとうもゴメンも伝えられないまま
まだ温かいヒロシに向かって必死で名前を呼んだ
入院するとき見つめあった目が忘れられない
雷が大嫌い
ミカンが大好き
自転車と子どもとランニングする人が苦手
大食漢で脱走魔
ツンデレだけどストーカー...
いっぱいのエピソードを残してくれた
私の相棒
2年
もう2年
まだ2年
もう少しヒロシと
ヒロシを思って過ごします