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かけがえのない人間 【上田紀行】

2009-10-11 16:40:04 | 書評
★ かけがえのない人間 【上田紀行】2009-08-27 12:30:20の記事再掲

彼が書く本の傾向は、五木寛之さんの「仏教シリーズ」と関連して読んだ「目覚めよ!仏教(ダライラマとの対談)



でおおよそ感じは掴めていました。この本を読んだ際には、日本の仏教が葬式仏教と成り下がっている現実を訴え、それに対して変えようとする新たな動きについても概説していた様に思います。サブタイトルにある「ダライラマとの対談」も2日間に5時間という長時間に渡る対談を敢行し、ダライラマの宗教者としての一面を我々にと伝えてくれました。不思議な事に「ダライラマ」を紹介する本は多々あるのですが、他の本を読むとどうしても、肉声が感じられない…他聞することが多い人故なのでしょう。それだけ生の対談を紹介することの大切を痛感します。


さて、前置きが長くなってしまいました。今回の「かげがいのない人間」については、現在の若者(平成以降)が自分が受けている不公正・不平等に対して、諦めている態度が多く占めている現実を憂いています。これも、現在の大人たちにも責任があり、そう言った諦めざるを得ない雰囲気作りに手を貸しているのだというのです。その一因が社会の業績主義であり、個人のみ利益重視もなり、組織や社会への信頼を損なうことで生まれる「やる気の無い、諦めざる得ない雰囲気」が日本に蔓延しているというのです。

筆者は、その状況下を認めて、若者たちへの提言として、自分が若い時の苦労を回顧し、自分も「駄目人間」であった事を認め、「他人から見られる、評価される事に慣れてしまった」事が自分で生きる力を殺いでいたという事を訴えています。「力が無いから、出来なかった。」ではなく、「行動の積み重ねによって、自信がつく」のであって、プロセスが逆である事に気づくべきだと述べています。また、「未来に対して、誰かから与えられるもの」と思っている若者も多いことも懸念されています。「愛されたい、、というのでなく愛する人に成れ」とも述べています。

SDTMも半世紀を生きていますが、漫然とここまで生きているに過ぎないかもしれません。「待ち」の人生だは思っていませんが、、本当に自力て全てやってきたとは言い難く、多くの人に支えられて来たと思います。それだからこそ、周りに還元できる様と心がけたいと思います。ただ、他人から見て、有難い/有難くないのか中々見えてこないのも事実です。今後も良く見据えて生きて行きたいと思います。



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2 コメント

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誰しも (Taki)
2009-08-27 21:55:09
持ちつ持たれつ支え合い。
自分もだれかを支えなくては…。
それが「愛する人に成れ」なんでしょうね。
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Taki様 (SDTM)
2009-08-29 17:04:50
☆ 拙い書評にもコメントを頂き、
  恐縮です。

  娘たちを見ていると…我々親たちの責任でも
  あるのでしょうが、すっきりと何かに
  向かって生きてるとは思えず、
  幸せに為り過ぎているため、一途に
  打ち込むことができずにいるのではと
  実感せざるを得ません。
  なかなか良い解が見出せていません。
  
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