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【書評:動物と向きあって生きる】

2006-10-29 00:54:45 | 書評
☆ 今、動物園で注目度No.1の「旭山動物園」の副園長・獣医の坂東元さんが書いた本。図書館にあったのですぐさま借りて読んでみました。

  彼が「旭山動物園」のどん底時代に考えた「野生動物」を見せるとは、、ということをこの本で述べています。

  現在、旭山動物園での展示?というか動物たちを見せている「ペンギン館」「あざらし館」「チンパンジーの森」「もうじゅう館」が既にそれぞれ人が集まっています。確かに従来とは違う動物たちの見せ方になっており、人気が人気を呼ぶ正帰還となっているようです。しかし、そのマスコミの騒ぎ様に対して、筆者である坂東さんは頑なに「野生動物を如何にみせるか」という事に拘っている。「野生はペットではない」「ギリギリで生きている野生動物には、慣れることは『死』を意味するくらい事だ」「人間が、野生動物を『かわいい』と見る価値基準を勝手につけているだけでは、真の野生を理解させることはできない」等と書き込んでいます。

 ストレートに「こうあるべきだ…」とは言って居ないまでも、求道していることは間違いはない。下手な説明をするより見せる「野性」って何かを思い求めている坂東さんの気持ちは理解できたと思います。

 平易な文章なので、一読をお勧めします。挿絵は「あらしのよるに」を書(描)いたあべさんによる物。あべさんも旭山動物園の出身です。

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