北八ヶ岳の森 ソフィア ヒュッテにて 参加者を代表して、一言とご依頼を受けて、思い出しながら、大変大変遅くなり、申し訳ありません。 とお詫びの一言から報告させていただきます。 8月24日、新宿を集合時間通りに出発、ほぼ新車同様のレンタカに乗り込み、総勢八名の一泊二日の旅が始まりました。 和気あいあいと、全員一緒に、同じ車一台で目的地に向かうのもいいものですね。 車窓からの眺めも、楽しいおしゃべりも、そして、リラックスした居眠りも、同じ時間で共有できます。 渋滞もなく中央高速を順調に走り、須玉インターをおり、予定通り地元のスーパーで食料品の買い出しをしました。 山小屋での献立の材料と、今晩の大事なお楽しみの、お酒ビールの程よい量を、しっかりと車に積み込みます。 さすがはチームワークの良さでしょうか。短時間にスムーズにことが運んで行きます。 スーパーで購入した、温かいお昼のお弁当を車内で頬張りながら、車窓ごしに広がるレタス畑や、所々に揺れるコスモスを眺め、快適な旅はさらに続きます。 8月末のすすきやコスモス。高原の一足早い初秋にホット涼しさをもらいながら、清里高原を経て松原湖へ。 ここ松原湖では、Kご夫妻の乗る車とも首尾良く合流。 ここからは、総勢10名に。 人数が増えると、楽しさも増してきますね。 車は二台となって、国道299号線を進みます。 この道は、通称メルヘン街道と呼ばれているそうですが、タイトでカーブの多い登り坂が続きます。 そんな中でも、私たちは、ネイチャーズの名ドライバー山下さんの安全運転のもとで、しっかりと、うとうとしたのでした。 無事に最初の目的地、車を駐車する48番カーブの空き地に到着しました。 森林の中を走り抜けて、ここはもう、標高2000メートルの世界です。 この辺りは国定公園、この先に宿泊のできる山小屋が存在するなんて、今では、新設の許可は下りないそうです。 また、このヒュッテは、今回の計画をお世話して下さった、Iさんご夫妻の出身校の関係で、利用が可能となりました。 ソフィアヒュッテは、岳人憧れの日本最古の丸太小屋だそうです。 貴重な山小屋泊まりの旅、それだけでも心が踊ります。 空気がひんやりと心地よく、車から降りた皆さんも自然と笑顔に。 気がつけば、おやつ用に購入した、ポテトチップスの袋が、パンパンに膨れあがっています。 平地とは違った気圧に驚きと面白みを感じる、山ならではの楽しさです。 買い出しした食料を皆で分担し、リュックに詰め込み、さあ!いよいよヒュッテまでの山道歩きのスタートです。 道のかたわらには可憐なホタルブクロが一輪、ワレモコソウと一緒に声援を送ってくれています。 清々しい樹木の中の、ほぼ平坦な山道を歩くこと約50分。 いよいよソフィアヒュッテとの対面です。 小川の流れの音と、風にそよぐ枝葉の音だけが聞こえてきます。 歳月を思わせる山小屋の佇まいは風格と優しさを醸し出しています。 山小屋の入り口脇の外壁には、このような文が記されています。 1935年、国定公園八ヶ岳東方に位置するこの谷間に、当時の学生は自ら汗して山小屋を建てた。 今ここに在る者は、この自然の姿と、風雪に耐えたこの山小屋を明日に在るだろう人に、伝えなければならない。 上智大学 この一文に触れて、再び感動。身が引き締まる思いがしました。 小屋の中、中央には二階就寝スペースにまで暖かさが行き渡るように工夫されたまきストーブが備えられています。 ストーブの灯を囲み、創設当時の学生さんたちは、どのような話をしたのだろうか、、、、 窓ごしに眺める白樺の林の美しさに目を向けながら、思いを馳せたりもしました。 今でも電気が届かない、携帯の電波も届かない、こういう場所の存在は貴重だと思います。 自然の懐の中で、ゆっくりとした時間の流れや、それにともなう変化を感じとり、、、 若者だったら、澄んだ心持ちで、自分と向き合える、人生と向き合える、、 色々な事から追われがちな日常から離れ、そんなふうに考えたりもしました。 小屋のすぐ近くには、手作りの礼拝堂もありました。 次回訪れる機会があったなら、キャンドルをともしながら、女性軍で讃美歌を歌うのも素敵かな、、と思いました。 思い思いに山小屋の近くを散策した後は、さっと室内のお掃除。 寝床の準備。 そして、いよいよ今晩のメインディッシュ、餃子作りの開始です。 時間のかかる包み作業は皆で一緒にワイワイと。 プロ並みに、きれいに仕上げる達人もあらわれて、大変な盛り上がりでした。 形がきれいだと、もうそれだけで美味しさアップですから。 また、中身としては珍しい、トマトとチーズ入りの餃子を披露する料理名人もおり、大好評となり、大変楽しい賑やかなひとときとなりました。 松原湖から合流した、Kご夫妻差し入れの、地元の美味しい漬け物やトマト巨峰に大満足し、改めて山ならではの味わいに感動したりもしました。 実際美味しいのでしょうが、山で、親しい皆さんと一緒に味わうと、特別に美味しいですよね。 満足したお腹で、歓談した後は、皆さん、いつもより早い時間に就寝です。 なかなかいい感じのお月様は出てくれましたが、曇りがちで満天の星とはならなかったので、そうなりました。 Tさんが夜中ストーブのまきを絶やさず小屋を暖めて下さったので、高地での冷えも感じず安眠することが出来ました。 翌朝は朝からの雨となりました。 外の雨音をおかずにしながら、朝食のハムエッグや、焼きそばをいただきました。 雨もまた楽しからずや、、少しゆっくりとしていると、雨がやんでくれました。 逆らわずにいると、天も味方してくれるのでしょうか、、 全員で手早く小屋のお掃除を済ませ、帰り足です。 ほんの少しの霧雨のふる中、ソフィアヒュッテを後にしました。 心の中で有難うございますと山小屋に告げ、来た道を、ゆっくりゆっくりと歩きました。 途中、ヒュウン、、、という鹿の鳴き声を聞きました。 またね、と言っているかのような、一声でした。 電気の来ない、緑深い、澄んだ空気の中にいると、だんだんと日が落ちて、暗闇が訪れ、月が顔を出す、そんな当たり前の時間の流れが、新鮮でいとおしくさえ思えてきます。 たまに山深いところに身を置くのもいいものですね。 ご一緒して下さった皆さん、どうも有難うございました。お疲れ様でした。東京M