Sea Loves You 石川秀美

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1000 Night

2007-04-22 14:44:21 | 00.Single-B

1000night シングルSide-Aではすっかり、大人ムードのミディアム/スローテンポな曲が続いている最中で、大人の女性像をまとった石川秀美だが、これらのシングルのSide-Bでは得意とするアップテンポを歌う傾向にあった。

当時も思っていたのだが、世間が求めてる石川秀美曲は、Side-Aがノリで、Side-Bが良質なスローナンバーだと良かったんだけどなぁ・・・

そして、今回のこの曲。
随所にイイ点があるのに、全体的にもったいないくらい可もなく不可もなく普通の出来に感じる曲。

時代的に打ち込みの音が多様にあり、ドラムの音が安っぽくなってしまっているために、
Eギターの音が違和感があり、ロックっぽいのか?ユーロビートっぽいのか?という、どっちつかずな曲に仕上がっているのが難点である。

しかし、この曲には随所にイイ点もたくさんあるだけに非常に惜しい一曲。
素晴らしいくらいにEギターの音の動きがよく、軽快に爽快で、Bridgeのうねり具合や、IntroやOutroのEギター音の登場、退場感がすごくイイ。LAサウンド的なギターの音符の流れ。健康的LAロック感は、とても石川秀美に似合っていると思う。

Bridge以降の、アレンジもよくて最後のサビの部分がより盛り上がる。ユーロ的なのだが、ここはこれで素晴らしい。

特筆すべきなのは表現力がより一段と上達している歌唱力である。
Eギターに負けないくらいの、うねりやねばりを効かせたボーカルと、非常に伸びやかな艶な歌声。
ボーカルの強弱以上の感性の高く、完成度も高い、カツゼツの良い歌い方など、Side-Aとは違う、本来の石川秀美らしい健康的に活発な歌唱力を披露している。
石川秀美本人も、楽しそうに伸び伸びと曲にノッて歌っているのがよく分かるくらい、石川秀美の歌声が元気である。

以前から、Rock/Soulな石川秀美の歌唱を述べてきたが、この曲の作者もそれを分かってるかのような、歌唱メロディを譜面にしている。
同じようなフレーズにしないで退屈さを感じさせない、またそれに応える石川秀美の熱いカッコイイボーカルが活きてきて、とても聴き甲斐があり楽しい。

さすがというべき作曲家:馬飼野康二
石川秀美の前年度のシングル&アルバム(1988年)を総合でプロデュースしていたが、この曲も季節感は違えど、同一線上でメロディアスに仕上げている点が好ましい。
全盛期や中期後期にもっとたくさん石川秀美とのコラボレーション曲があっても良かったくらい、相性が良い作曲家である。

全体的にちょうどシングル発売の季節のような、緑があふれ青い空と白い雲、透明な風がふくような春から初夏の景色感のイメージが強い爽やかで広大な曲である。
毎年、今頃の季節になると、聴きたくなる一曲である。

欲をいえば、もう少し、ドライブ感やエッジ感を出して、スピーディに、ユーロビートにするか、生音のロック感を強くするか、にした方がより石川秀美らしい1曲になった事は間違いない。
石川秀美の1986年時にリリースしたベストアルバム:THE BEST HIDEMI 20に収録された♪Carry On!~走り続けて~♪みたいに・・・

ちょうどファンクラブ会報にも載っていたのだが、石川秀美は28thシングル:Silence Blue/1000 Nightのジャケット撮影のために、年が明けたまだ寒い冬の時期に、野外ロケで春の訪れを感じさせるように撮ってきた事を語っている。

「次回はまた明日」がキーワードな1000Nights
歌詞にも出てくるのだが「千夜一夜物語」
・・・アラビアンナイトとは、世界観を見てもちょっと関係がなさそうだし、石川秀美の曲の中で中近東風なアラビアン風な曲もない。
千夜が一夜に集約されるようなまっすぐな純粋な愛の世界観という意味での「石川秀美の1000Night」という解釈ととらえるわけなのだが・・・どうなんでしょう?ね。

記念すべきデビューの4月21日から、1000Nightどころか、9125日~約10000Nightくらいですかね、現在。
1982年4月21日から幾日も、たくさんの夢や希望を多くの人に堪能させてきた石川秀美。

現在は普通に幸せな生活を送っているだけに、ファンである我々も、秀美ちゃんの生活をそっと応援するべきであり、両者ともに一定の距離をもちつつ、素敵な思い出についてお互いが、そっと見守りながら応援できる本人とファンとの関係が1番のベストだと思う。

デビュー25周年おめでとうございます。


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