ドラマチックな壮大なバラードで、静かなオーケストラ調とストリングスで始まる序盤。
石川秀美本人が作詞した5周年記念ということでファンへの想いをこめた一曲。
なんでも日記を綴っていたという経緯からプロデューサーに作詞を促されたという本人談。
ベストアルバム:THE BEST HIDEMI 20にて♪Carry On~走り続けて~、と同時初披露の作品である。
前者がこれからの前向きな想いに対し、この曲ではこれまでを振り返った想いが綴られている。
ラジオ番組:石川秀美のLISTEN HOT!において、よく投稿・採用されていた方でこの曲が好きなペンネーム:グラスシューズさんという方がいらっしゃいましたね。
4thアルバム:Spark!!(さ・わ・や・かコンサートPart2)でのライナーノーツでシンデレラがたくさん誕生した1982年という記述を思い出します。
ガラスの靴をはいたシンデレラと自分を重ね、たくさんの素敵な思い出をありがとう。ガラスの靴をはかせてくれてありがとう、という切なる石川秀美の想いが込められているのである。
若干もう少し柔らかく歌ったほうが良いかと思うが、ちゃんと細かく丁寧に歌ってる部分と、
かなり伸びやかでダイナミックな歌い方であるその強弱があった方が石川秀美らいしので、この出来栄えはなかなか納得である。
オーケストラ演奏も実に一つ一つがクラシックのようにドラマティックでダイナミックな展開。
オーケストラアレンジで思い出すのが1stアルバム:妖精(フェアリー)の初めの1曲♪初恋通信のイントロと共通している。
まさに5年目を迎える歌手生活のアイドル歌手としての完了を迎えたエピローグ的アンサーソングとも受け取ることができる。
作曲は18thシングル:春霞恋絵巻の高木祥行で、石川秀美の第一章の終幕に相応しい、そして、新たに第二章を開くわけである。
この作曲者については石川秀美の他作品、また他歌手でもクレジットをみないので、どのような経緯でシングル作家としての採用が決まったのか謎である。
が、なかなか春霞恋絵巻も良かっただけに、この時期に依頼をかけて書いてもらった作品なのであろう。
アルバムプロモーション用にシングルEP
Side-A♪Carry On~走り続けて~
Side-B♪ガラスの靴をありがとう
として作られた様子。
コンサートでは野外ライブにおける1986年7月23日・読売ランドEASTに於けるライブ:SHINE ON MEにて歌われた。
♪どこにでもいる19(nineteen)を20歳になったため、20(twenty)に歌詞変更。
現在のところ廃盤なVHSビデオとレーザーディスクでしかないが、
このライブはとても盛り上がっていて、ボーカル歌唱も活き活きと上手なだけにDVD化してリリースして欲しいものである。
待望の石川秀美BOX~Complete Single Collectionにおいても収録された曲である。
シングル両面~別バージョンの後に石川秀美本人が作詞した作品群が後半で締められている曲群の中でもラストナンバーであり、石川秀美の想いが詰まった証である。
石川秀美が芸能生活を終幕とする際にファンクラブ会報に封入されていたファンへの最後の挨拶と重なる内容であったところから、
彼女の気持ちが常に応援してくれるファンと共に生き、変わらない感謝の気持ちが伺える感慨深い石川秀美作詞作品である。