ロシアンブルーの吐息

こぎみよい音で始まるユーロビート曲。
ユーロビートなだけに単調すぎなのがちょっと惜しい。こじんまりとまとまってしまって悪くはないんだがインパクトが薄い。
最後のBridgeの間奏なんて、違うメロディで更にハイパーにノリたかったと思う。特にエンディングのアウトロが安っぽい。
使ってる音は古臭くないので、けっこうハイパーエナジーに昇華できたと思うんだよなぁ。

アルバムのイメージの幻想的な森に相応しい。
ユーロビートならではのメロディアスに流れていく曲展開の中で
妖艶な歌声・パワフルな歌声
など、大まかにいうと石川秀美節がすごく上手に、いや、これまでより巧みな歌唱力を活かしている。
カ行とイの発音のかっこよさは石川秀美ならでは。
ラストのサビ２連発の1verse2verseよりもソウルフルに歌い上げる点も素晴らしい。

メロディアスな楽曲と石川秀美のボーカルの相性は得意なだけあって、歌唱の自信さえも安心して聴き感じとれる。
シングルでいう5thシングル：Ｈｅｙ！ミスター・ポリスマン、12thシングル：ミステリー・ウーマン、21thシングル：危ないボディー・ビート、25thシングル：Everynight
ラスト30thシングル：Lucyにつながる路線。

作曲家の牧野信博氏による作品は20thアルバム：PRECIOUSで初のタッグではあるが、同じく彼の作品を並べると
♪Myself（スローバラード）
♪BITCH（ハウス）
♪ロシアンブルーの吐息（ユーロビート）
３種３様の楽曲を作った功績は大きい。

前２曲の解説は以前このブログで紹介した
♪Myself（2005/6/12）
♪BITCH（2006/5/22)を参考にしていただきたい。

歌詞は石川秀美後期作品ではおなじみの森雪之丞。
すっかり成熟した女の世界観。すっかり大人の女性ボーカリストに成長し、女っぷりもよりレベルアップした石川秀美だからこそ歌える世界であり、
寛容、豊かさ、余裕を感じさせる。極みですね。魔力のような艶やかさである。
いったい何がロシアンブルーの吐息なのか、歌詞には出てこず、曲タイトルからイメージを膨らませた作品なあたりも作家性が出ている。

一貫したアレンジャーの矢賀部竜成は素晴らしいですね。この作品でのトータルアレンジがこの曲でも力が発揮されている。
アルバム中の他曲よりも単一的な作品に聞こえていたが、単なるユーロビート調作品なのだが、
デジタル音源を聴ける現代（ipodで更に）で、一つ一つの音がやはり幻想的な森であり、アルバムのイメージは崩れていない。

また、アルバム中の曲順位置も良い。インパクト弱いだけに後半にくるのだが、このアルバムでは後半もインパクト大な曲が配置されている。
アルバム中盤のスロー・ミディアムな楽曲が並ぶ中に自然にさっくりとしっとり咲いて煌きを放つ、と言ったとこだろう。

さて、今年は何と言っても秀美ちゃんのＣＭ復帰が嬉しい２０１０年でした。
来年度も期待してしまいますねｗ
昔のように皆で一緒に盛り上がった気がしました。

２０１０年度もたくさんの方が来て下さって嬉しくありがとうございました。
どうぞ２０１１年度もよろしくお願いいたします。
よいお年をお迎えください。