私の父は戦争には行ってないのですが、叔父達の何人かは戦争体
験があります。
その中のひとりの叔父の戦争体験を紹介したいと思います。
大正生まれのこの叔父は昭和18年頃に私の叔母と結婚。
当時としては珍しい恋愛結婚でした。
そしてすぐに長女が産まれますが、その直後に召集令状が来て出征。
陸軍に入隊して中国大陸に行きます。
その後、大陸にいた多くの陸軍兵と同じく南方へ送られます。
たどり着いたのがパラオ諸島のペリュリュー島。日本軍の守備隊が
最初に玉砕した島として有名です。
玉砕、全滅ですから当然戦死広報が届きました。遺骨もなにもあり
ませんが葬式をして墓まで立ました。
ところが戦後、戦友の方から生きているという情報があり、アメリ
カでの捕虜生活を経て昭和21年に無事帰国。
まさに奇跡の生還と言えるでしょう。守備していた場所が良かった
とか上官が学徒出陣した士官で無駄死をさせなかったなど、幸運も
あったと思いますが、愛する妻や子供にもう一度会いたいという
思いも強かったのだと思います。
戦死広報が届いた時の妻の悲嘆にくれる様子や、戦後奇跡の再開を
果たした時の事を、妹にあたる叔母から聞きましたが、どんな戦記
ものよりリアリティがあり、言葉がでませんでした。
戦後はがむしゃらに働いてそれなりの社会的成功を収め、ペリュリュー
島に慰霊碑を立てました。
充分小説にできるくらいの波乱万丈の人生でした。当時はこんな話
はいくらでもあったのでしょうね。
数年前にこの叔父は亡くなりましたが、戒名は戦死したとされた時
にもらったものをそのまま使いました。
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