国が管理しているライバル他社の重要情報に不正に獲得したパスワードでアクセスし、東北電力の営業活動に利用していたという悪質な犯罪である。それも一人、二人の犯罪ではない。複数の組織的犯罪である。しかもパスワードを不正に手渡したのが子会社の東北電力ネットワークの社員たちということで、送発電分離という国の電力改革に真っ向から反する背信行為でもある。東北電力トッブの辞任責任に発展する事犯だ。
不正アクセス法違反者には、懲役と罰金刑が科せられる。
例によって、東北電力はさらに詳細に調査すると逃げている。一日もあれば全容がすぐわかる事件である。しかし、犯罪に手を染めた社員の名前も人数も発表しない。ほとぼりが冷めるのを待つ考えだろう。
通商産業省も資源エネルギー庁も、不正アクセスを働いた電力会社社員を告発することはないとたかを括っているからだ。
そのために通商産業省や資源エネルギー庁の出来の悪い子弟たちを各地域の電力会社に数多く入社させている。
社員の犯罪を認めた以上、東北電力代表取締役社長の樋口は辞任すべきである。辞任しなければ、情報を不正に搾取された新電力などのライバル他社は納得しないだろう。
仙台のテレビ、新聞はまったく東北電力を追及しない。億単位のテレビCM、広告をもらっているからである。日頃からの口止め料効果だろう。無理もない、地方テレビと新聞は電力マネーがないと経営破綻するところまで追い込まれている。
来年度からは年間25億円の広報費(東北電力では普及開発関係費と呼ぶ)を電気料金から持ち出し、テレビと新聞にばらまく予定。実はその普及開発関係費以外にも、ミニバスケットなどのスポーツイベントへの補助金、女川を中心としたNPOなどへの助成金など不要不急の金が電気料金から支出されている。その額は、全国の既存電力会社の中でも東北電力が突出して多い。
さらに、膨大なテレビCMの見返りに、仙台の民放4社すべてが東北電力や子会社のユアテックの役員を社外取締役や非常勤監査役として迎えている。
もう電力マネーなんかいらない。真実を伝えたいというメディアはないのだろうか。
さて、
東北電力のような集団犯罪者を出した企業が女川原子力発電所を管理し、来年春の再稼働を目論んでいる。放射線の漏洩事故も過去に何回も発生させているが、その度に発表している「人体に影響するレベルではなかった」のデータに不正はなかったのだろうか。自ら放射線漏れ事故を起こし、第三者ではなく、当事者の東北電力が影響なしと発表する不具合な原発運営が今も維持されているのだ。
マスメディアは独自に検証することもなく、最たるブラック企業の東北電力の一方的な説明を鵜呑みにして記事にして来た。
度々放射線漏洩事故を起こし、東日本大震災の際も3本の非常用電源のうち2本も失った。残った一本でメルトダウンを免れたが、防潮堤もかなり破壊された。震災直後、慌てて東北各地から大型クレーン機をかき集めて突貫工事で修復した。その間、災害現場で大型クレーンが足りなくなるという異常事態も招いてしまった。すべて東北電力の防潮堤破損隠しの突貫工事のためである。
果たして、女川原子力発電所に再びのメルトダウンのクライシスはないのか。
女川では原発の再稼働後の視察者や作業員目当ての大型ホテルがまもなく開業する。町有地にである。女川原発に日用品を納入している商工会幹部もタクシー会社も仕出し屋も大喜びである。
まさに、かつての双葉町のような「原発で明るい未来」の様相である。
福島メルトダウンを忘れてはならない。
今も三万人近くが避難生活を強いられている。
まずは、
通商産業省は、電力会社の不正アクセス法違反者を犯罪者として告発せよ。子弟を電力会社に入れていないまともな官僚幹部もいるはずである。