徳川園から栄に出るときに、名鉄でもなく、メーグルでもなく、初めて基幹バスを使ってみました。
「徳川園新出来」バス停から乗ると、バスは市役所まで一直線なんですね。途中、白壁を通ったりします。
その辺には、K学院があります。
実は、K学院の純金とかいう出身女性と10年以上付き合っていたことが有りました。それだけ長いと、実質婚みたいなものですが「結婚は一度で十分」(一度で懲りた!)と考えている私と、2度も失敗している彼女では、お互いに結婚に進む考えは無かったと思っています。
長い交際期間ですから、そりゃ色々なことが有りましたが、中でも一番記憶に残っていることの中に、当時の二人の関係が急速に終わりに向かった一件がありました。
彼女の家族内での、父親の扱いについてです。
父親は、医者として家族全員に十分すぎる経済的支援をして来まして、十分すぎる資産を生前分与したにもかかわらず、家族からの老年の父親いびりが酷過ぎたんですね。
私はその親父さんとの晩酌に何回も付き合いましたが、実に好々爺で人間的に何も問題ない人という印象、むしろ理性ある公平な人という印象でした。が、なぜか、家族からは疎んじられていたのです。仕事を引退した後は、更にひどくなっていました。
その親父さんの出身大学の附属病院に行ったこともあると話しますと、その親父さんは実に懐かしそうに、そして嬉しそうな表情だったことが、いまだに瞼に浮かびます。
今私は、丁度その親父さんの年齢になっていますので、改めて妙な気分です。
その父親を疎んじる理由を何回か彼女に尋ねましたが、それほど酷いこととは思えないような事だけでした。
家族全員で夕飯を食べるときには、親父さんは伴侶が作る料理に(その家族では母親がいつも料理を作っていまして、私の彼女は何もしない)、いつも「美味しい、美味しい」と言って食べる配慮のできる人。優しい表情以外に怒った顔を一度も見せなかった親父さん。
それなのに、なぜか、家族全員が父親を嫌っていたのです。(=_=)
80近くなったその父親は、家族から老人ホーム送りを画策されます。さほど認知症の段階が高くないのにケアマネとつるんで、なんとか老人ホーム送りに成功します。
しかし、本人は望んで行ったわけではないので、何回も老人ホームを脱出して帰宅してしまう。とにかく老人ホームは嫌いなようでした。老人ホームも3か所くらい変わりましたね。
ある日家族は、家の鍵全部を取り換えてしまい家に入れなくしてしまったんです。(よくそんな残酷なことが出来るのかと呆れた!)
そこにタクシーで帰宅した父親は、門が開かない!から入れない。鍵が取り換えられていますからね。
すると、お医者さんだったプライドを捨てて年老いた男が、生垣の下の数センチの隙間を泥だらけになって搔い潜り、やっと敷地内に入って来たのです。しかし敷地内に入れても今度は家に入れない。鍵が取り換えられていますから。しかたなく、キッチンの窓ガラスを割って入ったようです。('ω')
丁度その時、私は彼女の実家に滞在していまして、2階からそのシーンを目撃してしまったんですよ。生垣を泥だらけになって掻い潜る姿、その衝撃たる姿が可哀そうで苦しくなりましたね。実に悲しい場面を見てしまいました。
しかし私は部外者、法的に無関係の家族問題に介入するわけにはいきません。
その一件がきっかけで、無慈悲な対応を父親に出来る家族に対する違和感と嫌悪感を覚えました。付き合いを続けても私の未来は想像つくというもの。それからは、彼女との関係を疎遠にしていきました。
やがて、会いに行くこともしなくなっていた頃、その父親が老人ホームで寂しく亡くなったという知らせを受けました。
一生懸命に家族のために働いて、十分すぎる財産を家族に残したのに、人生の最後に不遇の死を迎えたのです。男の人生は、辛いですねぇ。
それらから私が学んだこと。
財産は事前に与えずに死ぬ間際まで抱え込んでいれば家族は父親を表面的には大事にするだろう! →しかし死後、相続争いが起きるかも。
結局は、
へたに財産を残すから問題になる。一切残さないのがベスト。貧しさの中にこそ連帯感が生まれる。
なんてね。
まっ、私の実家も、どろどろとした財産狙いの策略があり不条理があったので、私はひと暴れ(大暴れ)して、さっさと縁を切ってしまって正解でした。
私は、お金よりも自由が好き。お金は自由を損ないます。お金があると人はお金に縛られてしまいます。しかし、人の大半は、その束縛を求めて励んでいますね。('ω')
お金があると欲望の達成は確かに簡単ですが、"立って半畳、寝て一畳" という人生の真実を実感できる年頃になると、欲も少なくなります。
それでも稀有に強い欲望を持ち続けている人たちが、世界を翻弄させてしまうのでしょう。(=_=)
人間は、個人家庭レベルでも、国家レベルでも、どうしようもない生き物なんだということを認識して対処していきましょうね。ちゃんちゃん ('ω')