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教養懇話会(98回)「アジア投資銀行について」・・・姶良市ふれあいセンター

2015-05-21 15:12:15 | 教養懇話会

5月21日、姶良市加治木町ふれあいセンターにおいて教養懇話会(第98回)が開催され、今月はNさんが当番で「アジア投資銀行について」を本文A4版4枚にまとめ、添付資料3枚をつけて発表されましたが、Nさんの了解を得たので紹介します。

今回の発表内容は、日高義樹著(PHP研究所)の「中国破れたり」。正論2月号(産経新聞社)軍拡・金融・無法 世界を侵食する中国「異形の覇権」との対立(桜井よしこ)。「日本株100年に一度の波が来た」中経出版(武者陵司)。読売新聞(2015.4.13)「アジア投銀参加判断」。を参考にしてまとめられたたものです。「中国破れたり」の著者の日高義樹氏は現在はハドソン研究所の上級研究員で、シンクタンクの一員としてアメリカの安全保障関係について、アメリカの歴代大統領や要人との人脈を通して研究され、多くの著書を発表されています。今回の内容は著者の見解なので、違和感がある人もおられるかもしれませんが、概要について紹介します。

1、アジア投資銀行の問題点・・・中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)の創設メンバー57カ国が確定し、67か国・地域が加盟するアジア開発銀行(ADB)に迫る内容になったが、日米両国はAIIBで公平・中立な運営や組織体制が実現されるかどうか疑問があるとして、参加を見送った。中国は主要出資国から選出するAIIBの理事を、本部を置く北京に常駐させず、電子メールによる連絡など理事会を運営する方向で検討するという。これでは加盟国の意見は十分に反映されず、中国から選ばれる見込みの総裁が意のままに動かす組織になりかねない。・・・中国の発信力が強いAIIBに加わって出資に見合うメリットがあるか疑わしい。当面は中国の出方と、創設メンバー国による協議の行方を見守ることが得策だろう。

2、アメリカと中国の金融財政の戦争ゲーム・・・アメリカ国防総省は、アメリカと中国の間で金融政策の戦争ゲーム、つまり航空機や軍艦を使わずに金融戦争を行った場合、どういう結果になるかを見極めるウオーゲームを行った。中国があらゆる手段をつかってアメリカの金融体制を崩壊させようとした場合、それが可能かどうかを調べたのである。・・・

その結果、中国は金融戦争でアメリカの金融体制を崩壊させ、アメリカを滅ぼすことが可能であるという答えを得た。オバマ大統領は中国の力を借りてアメリカンの金融体制の崩壊を防ごうとしているが、これはアメリカに重大な危機をもたらす。オバマ大統領は民主主義とは正反対の専制国家中国と、国家のもっとも大切な力ともゆうべき金融で協力することが、いかに危険であるかを全く気がついていない。・・・・

オバマ大統領後のアメリカが、ドルと経済の危機から立ち直るために他国の協力を必要とするならば、まず敵と味方を厳しく峻別しなければならない。最良の道は、日本との関係を再び強化することである。新しい国際情勢の下で、日本とアメリカにとって、最も利益になる関係を、考えなければならない。

補足1・・・AIIB設立に込められた中国の意図・・・たとえ融資が不良債権化しても、被融資国が経済面から中国に依存せざるを得ないという関係が築かれ、その国に対して大きな力をもつことになる。・・・ドルに対抗し、人民元を基準通貨にする構想の現実化・・・

補足2・・・アメリカの世界戦略の変更・・・対日封じ込めから対中国封じ込めへ・・・1980年代後半からアメリカで日本との貿易摩擦から日本たたきが始まった。日本の競争力をそぐため、アメリカが中心となって円を切り上げるよう、プレッシャーをかけ、プラザ合意で1995年に1ドル=79円75銭と戦後最高の円高となり、日本企業の競争力の脅威は大きく後退し、それに代わり、中国が新たな脅威となった。アメリカは世界経済の覇権を目指す中国に対し、「日本封じ決め作戦」を展開したように「中国封じ込め作戦」を展開しようとしている。・・・日本経済の復活は、地政学的観点からアメリカの国益にかなうものであり、アメリカの望んでいるものである。

以上が発表の概要ですが、添付した資料に詳しく掲載してありますので、クリックして確認してみてください。

※写真をクリックすると拡大し2回クリックすると更に拡大します。左上の←をクリックすると戻ります。

       

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