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初代高松駅について別のデーターからわかってくる事で実体に迫ってみよう!!
かれこれ10年前以上ぐらいになりますが、今以上に初代高松駅について盛り上がっており、多くの方々から情報をもらっておりました。
私も、そのころ多度津町立資料館等で初代高松駅の資料を見せていただきにお伺いしました。
残念ながら高松駅の資料は見つからなかったのですが、初代多度津駅と、初代と思われる琴平駅舎の大きさがわかる(使用目的、部屋寸法がわかる簡単なもの)簡単な図面のコピーを見せていただきました。
その書類に縦横の寸法(尺貫法 1間=約1.8m)で書かれていましたので坪数が計算できました。
どうして琴平駅舎にこだわっているかと言いますと、現在残っている写真や絵図に描かれている高松駅舎の旅客ターミナルの南側から見た線路側の形状は、琴平駅舎の西側から見た線路側の写真と全くといってよく似ています。
そこで、*参考資料3 讃岐鉄道初代琴平駅 多度津町立資料館蔵 より初代琴平駅舎の坪数を出してみました。
◎初代琴平駅舎の坪数(庇ひさしを計算に入れない)
建て幅11間(66尺) X 奥行5間(30尺) = 55坪
入口側の引き込み 幅5間 X 奥行1.5間 = 7.5坪
を引きますと初代琴平駅は建坪47.5坪となります。
ちなみに 琴平初代目 正面側の両サイドの幅は3間(そこに縦長の窓が2か所ある)。
比較対象をこんな推測で進めさせていただきます。
それでは
◎初代高松駅の坪数
明治29年8月13日香川新報の初代高松駅関する記事(詳しく調べられておられたM氏より)に駅舎の入札記事があります。それによれば、下記の通りになります。
初代高松駅舎の入札時の坪数(旅客ターミナル)
停車場本屋吹抜貫庇(ひさし)トモ 七十坪六合一寸一才余(70坪余)
ここで、重要なポイントを押さえておくと、
案1 停車場と付随するすべての庇(ひさし)供で70坪あまりと解釈するか、
案2 停車場母屋に含まれるだけの吹抜貫庇(ひさし)供で70坪あまりと解釈するか
<案1 停車場と付随するすべての庇(ひさし)供と解釈する場合>
①初代高松駅の庇をのけた本体だけの旅客ターミナルの坪数は初代琴平駅と同等か少し大きい。
②旅客ターミナルの正面サファードの庇とホーム側通路の庇をプラスして敷地面積が70坪余り
この設計でいくと、ホーム側の庇をのけた建坪は、初代琴平駅に正面サファードに庇を少し付けた規模になります。
琴平駅舎と同等かそれ以上の規模にするには、坪数が70坪とすると線路に接するホーム側の庇の間口は1間以上は取れないのです。
駅舎と線路までの間口は、多度津駅のホーム1面2線の場合で3間となっていますから、1.5間から2間は欲しいところですが・・・我慢できなくもない。
◎案1 初代高松駅イメージ位置図
南ホーム側庇、西ホーム側庇1間幅の場合でイメージしてみました
初代高松駅における駅舎と線路とホームの位置関係図(イメージ図)↓
画像をクリックで拡大
上記の通りでいけば、初代琴平駅をほぼ変更なしで高松駅のイメージが出来上ります。
内部の部屋割りも初代琴平駅と同じ。西側の貨物ターミナル側出入口の改札口が初代琴平駅と同じ設計どおりである事が、別の絵図(*参考資料2)で確認できています。
旅客ターミナル、貨物ターミナル、ホームとかの全体的配置は*参考資料1の明治40年度の初代琴平駅舎を参考にしました。
*参考資料1
明治40年の絵はがき 琴平駅(現ロイヤルホテル付近)
(画像の説明文として)
1889年開通時の讃岐鐡道琴平駅 神明町にあった
開業時の琴平駅(現ロイヤルホテル付近)
https://tono202.livedoor.blog/archives/1377674.html
*参考資料2 高松駅舎の西側貨物ターミナル側の改札口があると証明できる資料
西成典久著 高松海城庁の物語79P初代高松駅となる西浜停車場の絵図に西出入口が描かれている
*参考資料3
讃岐鉄道 琴平停車場の簡単な設計図
(初代高松駅もほぼ同等の配置、規模であったと推測されます)
讃岐鉄道 多度津町立資料館 蔵
多度津停車場の簡単な設計図
図 予定
多度津町立資料館 蔵
ちょっとブレイクタイムを・・・
続いて
<案2 停車場母屋に含まれるだけの吹抜貫庇(ひさし)供と解釈する場合>
まずは、比較対象とします2代目琴平駅舎の考察です。
◎2代目琴平駅舎の坪数
2代目琴平駅舎の資料はいただけませんでしたが、公開されている資料等から正面側の左右の縦長の窓数が初代の2か所から3か所に増えていることから一回り大きくなっています。
これと同じ正面側の両サイドの幅(3か所の窓になっている)は、多度津本社駅舎が3か所の窓で3.5間で同じですので、讃岐鉄道多度津駅の設計図でわかる3か所の窓での幅は3.5間でいいでしょう。
そうなると幅は少なくとも1間増やして12間 奥行も1間増やして6間
中央の前玄関屋根付き庇(ひさし)があるので、入口側の引き込み空間があるので2坪ほど引きますと
駅舎の幅 3.5間(左右の部屋の間口)X2+5間(中央のエントランス間口)=12間
12(間口)X6(奥行)=72
72-2(エントランス部分の引き込み)=70(坪)
私の独断と偏見ですがこれぐらいだったのではと推測します。
この讃岐鉄道2代目琴平駅舎は、後々まで長く残っていましたのでもっと調べればはっきりした構造と造りがわかると思いますが、高松駅舎との比較の中で落しどころを探っていきますのでご容赦ください。
<庇(ひさし)を母屋の入口エントランス部の吹抜庇のみと解釈して初代高松駅を考える>
正面の中央エントランスの庇を入れて70坪余ですので、規模は2代目琴平駅とほぼ同じ規模、サファードは入口の中央に吹抜のある間口3間奥行1間ぐらいの吹き抜け庇(ひさし)のエントランス付きぐらいのイメージです。庇に関してはあくまでイメージです。
①旅客ターミナルの正面入り口に吹き抜けのエントランスのみ庇をプラスしての敷地面積が70坪余り
縦横 12間 X 6間 =72坪
正面側の中央の引き込み 2間 だと 70坪
こちらでも、当時の入札で指定のある70坪の駅舎ができます。
図 後程ご案内いたします