ポルトガルには勝ってほしかったが、今日は勝者に値しないチームだった。
50分以上を1人多い状況で戦いながら、愚かなプレーをした。 PK戦になれば、負けるだろうと思いながら見ていた。
そしてPK戦になった。
しかしランパードもジェラードも外しては、敗戦も仕方ない。
それほど消耗していたということなのだろう。
ファーディナンドは泣いていた。美しいシーンだ。
テリーも耐え切れない表情だった。
この二人が50分間、1人少ない状況でポルトガルにゴールを割らせなかった殊勲者だ。同情する。
そもそもルーニーへの一発レッドは不当なものだった。
アルゼンチンのこのレフリーには最初から不安だったのだが、やっぱりやってくれた。
ルーニーが報復でわざと踏んだと見たか、それとも興奮したルーニーが汚い言葉を吐いたか、どっちかだろうが、しかしそれでもイエローで十分だ。
こういう不運はあったが、敗戦の責任はエリクソンにあるといわなければならない。
前の試合でまったく機能しなかったルーニーの1トップをまた採用したことは信じがたい。
ルーニーがレッドに繋がるイライラを募らせたのも、うまくいかなかったストレスと無縁ではない。
後半頭からクラウチを入れて2トップにしていれば、ルーニーのレッドはなかったはずだ。
そしてまったく違うプレーになったろう。
もうひとつ、GKの問題もある。
トットナムでのプレーは知らないが、この大会では最初から安定感がなかった。
命取りにならなければと思ったが、そうなったとも言える。
ポルトガルは2人目と3人目が失敗したのが、止められたわけではない。
プレッシャーに負けて外してしまったのだ。
ロビンソンは一度も蹴る方向に飛ばなかった。
反対にリッカルドはすべて蹴る方向に飛んでいた。
エリクソンは人選を誤った。
イングランドリーグは、モウリーニョとベニテスによって、この二年で大きくレベルアップした。
山のようなタレントがいながら、2大会ともこの結果しか残せなかったことが、エリクソンの能力を物語っている。
彼は名将とはいえない。
FWの人選も4人のうち2人が病み上がりとはいただけなかったし、ベッカムをキャプテンにしたこともマイナスだったろう。
今日のレモンやショーンライトフィリップスといった右サイドの人材は他にもいた。
チェルシーの選手、テリーかランパードをキャプテンにしたほうが盛り上がったろう。
あんな紳士面をしながら、女性スキャンダルなども起こし、この2年は人気もなかった。
協会も更迭したかったのだろうが、エリクソンのほうが上手だった。
そういうさまざまなことも考えあわせれば、イングランドも勝者に値していなかったと言える。
ポルトガルは今日でツキを使い果たしたのではないか。
あとは、もう自力で戦うしかないはずだ。
しかし、こうなったら、優勝してもらいたものだ。
[イングランド-ポルトガル 0-0 準々決勝]