以前、司馬遼太郎の『洪庵のたいまつ』でも記事に取り上げたニッセイの「経営情報」だが、今年の5月号に面白い記事が掲載されていた。「経営のヒント山本一力江戸の商いから」お仕着せそれを着たら、プロだ。なかなか教訓を込めた記事で楽しく読ませてもらうと同時に同感した。要は江戸時代の丁稚小僧でさえ、お仕着せを着る事の重さを理解していたが、現代のお仕着せたる制服を着たなら、プロで有るべきだが、今では様々な分野で素人が跋扈(ばっこ:のさばる)している。これは、まったくその通りだと思う。
家電量販店ジョーシンの店員(派遣含む)の知識不足(扱う商品の勉強をしろ!)でも掲載したが、これはジョーシンだけではなく他の家電量販でも同じだ。そしてそれがPC等の多少専門的知識が必要ならわかるが、今流行の液晶TVでも全く同じとなっている。もちろん同じ事はTVだけでもなく、洗濯機や電子レンジ果てはアイロンまで及んでいる。最もそれだけ、アイロンでさえ進化しているのだが・・・。しかし、今に始まった事ではないが、限りなくプロが少なくなりつつあるのは情けない。そうこの記事にあるように、お仕着せたる制服を着たなら、それはプロでなければならないし、プロでなければ、制服を着るべきではないと言う事になる。
しかしそれでは、店員の数が足りないから、制服は着ても、名札の所に、「研修中」或いは「研修員」などの表示が必要だろう。「新入社員」では、お年でもプロで無い方にはあわないだろうから。せめて、この様な方法を取ってでも、企業も、プロでない素人の方も戒めと同時に自己啓発して欲しいものだ。本島に自分が給料を貰っている事の意味づけを考えて欲しい。ただ、販売コーナーに立っているだけでは、意味がないのだが・・・。
- 『経営情報』株式会社星和ビジネスサポート発行
- やまもといちりき【山本一力】1948年高知県生まれ。1997年『蒼龍』でオール讀物新人賞を受賞してデビュー。2002年に『あかね空』で直木賞を受賞。市井の人間模様を人情豊かに描く作風が圧倒的支持を集める。近著は『夢曳き船』『普平の矢立』(共に徳間書房)、『くじら組』(文芸春秋)など。(経営情報5月号)
- おしきせ【お仕着せ】主人から奉公人に季節に応じて着物を与えること。また、その着物(広辞苑より)
- ばっこ【跋扈】「跋」は越える意、「扈」は竹やな》魚がかごを越えて跳ねること。転じて、ほしいままに振る舞うこと(大辞泉
)。
なかなか今回の『経営情報』も役に立った。しかし毎回、為になる言葉が多い。実際は調べないと読めないし、意味なども確認しておく必要があるが・・・。
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