社会不安障害:SAD、ボランティアとセカンドライフ

SADで会社を休職したが、一年で復帰し、無事定年を務めて、その後の生活とボランティアについて気ままに掲載中

東野圭吾『美しき凶器』

2008-11-06 08:26:21 | 趣味(読書)


東野圭吾『卒業 雪月下殺人ゲーム』に続き、今回も東野圭吾氏の作品紹介である。氏の作品は殆ど読み終わったのかなと思う度に、図書館で新しい書籍を発見する事になる。さらに新刊も次々に発刊されており、なかなか読破までに到っていない。あとどの作品が残っているのか定かでない。

さて、今回の作品は当初『タランチュラ』で、初校が掲載されており、私が呼んだ作品では、氏の中期の作品ながら、趣向の異なる新たなる作品でもあり、なかなか楽しめる作品となっている。東野圭吾『鳥人計画』と同じ種類の分類に属する趣向と考える。

つまり、スポーツの世界でのドービングをより科学的に進め、強靭な肉体を持つ秘密兵器をある科学者が作り出すが、その実験体となった女性は、科学者がかっつてその科学者によりドーピングを受け、世界的に実績を上げた者達に、殺される現場に居合わせ、現場にいた4人を復讐する為に、次々に殺していく。
この190センチを超える女性の悲哀が、かなり悲しい。肉体改造の為に、科学者が行なった事は、妊娠させトレーニングを繰り返し、生まれる子供は中絶させ、之を繰り返す事で、トンでもない怪物女(タランチュラ)を作り出したのだが、最後に最も悪の化身となり、このタランチュラを利用し、自分の今の地位を守る為に、他の三人を殺す事にした、女がいた。佐倉翔子である。勝手の恋人でもあった、日浦有介をも殺し、日浦の奥さんも殺そうとするが、警察が気づき、最後の戦いをタランチュラと始める事になり・・・。タランチュラの悲哀というか、氏の独特の世界を最後に描いていると思う。

美しき凶器A.jpg書籍名:『美しき凶器』
発行所:株式会社 光文社
発 行:1992年10月25日初版発行
初 稿:この作品は「コットン」(天山出版)1991年12月号から92年5月号に掲載された「タランチュラ」を改題、加筆したものです。
定 価:760円(税込み)
頁 数:縦2段組み257ページbr>


<書籍カバー紹介>

 美しい女の定義は、いろいろあると思う。いろいろあっていいと思う。僕は世界陸上やオリンピックなどを見て、鍛え上げられた物体を駆使し、それぞれの競技に挑む女子選手幸の姿を美しいと感じた。
 その結果この作品のアイディアを思いついたわけだが、小説にするとなると、彼女達の美しさを賞賛してばかりもいられないのが、ちょっとつらい。「著書のことば」


安城琢磨、丹羽潤也、日浦有介、佐倉翔子の四人は、かつてスポーツ界で活躍した実績を元に、現在もぞれぞれの分野で活動していた。だが、彼らの栄光の陰には、永久に葬り去らなければならない過去があった。その秘密が暴かれようとしたとき、四人は、唯一から彼らの過去を知る仙堂之則を殺害した。さらに、仙堂の屋敷に火をかけ、彼らのデータを消し去った。全て彼らの思惑通りに事は進んだように思われたのだが・・・・。恐怖が彼らを襲った!タランチュラ(毒グモ)のように、忍ぶ寄る影!?
息を呑むサスペンス!驚くべき大どんでん返し!新境地に挑む著者の渾身作!戦慄の長編推理小説秀作!





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