社会不安障害:SAD、ボランティアとセカンドライフ

SADで会社を休職したが、一年で復帰し、無事定年を務めて、その後の生活とボランティアについて気ままに掲載中

篠田節子「カノン」

2008-03-05 22:05:22 | 趣味(読書)

前回偶然読んだ篠田節子「ハルモニア」で、篠田氏の小説にはまりそうと書いたが、やはりはまって、また偶然図書館で見かけたこの「カノン」と言う物語を借りて来て読んだ。

たまたま偶然かも知れないが(氏の他の作品が2冊目で、他の作品でも出てくるのかもしれないが・・・)、前回の氏の作品「ハルモニア」と同じ弦楽器しかもチェロを極める事がその主題になっている。氏の経歴を余り知らないが、書籍の紹介だけでは、これだけの音楽(クラシック:特にバッハ)や楽器の音への詳細な描写がなぜできるのか不思議です。

という事で、この書籍もまた、ネットで検索してみると、様々な方が、読まれていました。本当に、ここ20年ばかし、この手の書籍を殆ど読まなかった事がよくわかりました。最も先の長い人生(明日死ぬかもしれませんが・・・)を考えると、日本だけでもとんでもない数の小説が既に存在し、新たに毎年創造・出版されている事を考えると、定年後の読書は楽しみです。

さて、この「カノン」ですが、皆さんもどの範疇に入れるか迷われているようですが、つまり、この「カノン」はホラー?ミステリー?サスペンス?はたまたSF(これはない)?
私的には最初はホラー、真ん中はサスペンス、最後チョット前はミステリー、最後人生再チャレンジ小説(???)と言うことで、どちらかと言うと、最後だけが、私に取って心に残る作品です。

つまり、人生は2度ない中で、20年前の夢を心の深淵に押し込め現実的な生活を送ってきた女性が、20年前の男の死に際のテープに因って、音楽への情熱が呼び戻され、残りの人生をチェロに掛ける(但し、家族は捨てないで・・・)と言う中々実際はできない事への羨ましさですが・・・。
※これが、この書籍に超要約です。

実は、私も40歳前後に悩みました。一度しかない人生をくいのないように生きたい!自分のやりたい事は何なんだ???それは、今の会社ではできるのか?どうするのか?その答えは・・・。当時の家庭環境と言うより自分の健康状態があまりよく無かった為、リスクは取れなかったというのが実態です。

従って、それができる人は羨ましい限りです。


カノン-2.jpg
書籍名:「カノン」
発行所:株式会社文藝春秋
発 行:1996年4月25日初版発行
定 価:1,600円(税込み)

<ハードカバーの帯の紹介>
逆行するヴァイオリンの調べにのってあの男がかえってくる
書き下ろし長編ホラー
 

かって愛した男が、死の瞬間まで演奏したバッハのカノン。そのテープを渡されてから起こる奇怪なできごと。男の死の蔭にあるものは何なのか。幻のヴァイオリンの調べが響くとき、流れていった二十年の歳月と、三人の男女の愛、憎しみ、哀しみが交錯する。

<ハードカバー表紙裏の紹介>
二十年前に愛した男が、ヴァイオリンでバッハのカノンを演奏しながら自殺した。遺書がわりなのか、それを逆回転で録音したテープを渡されてから、瑞穂と小田嶋の周囲では奇怪な出来事がたて続けに起こる。男の死の蔭にあるものは、二人の男と一人の女の間の愛なのか、それとも憎しみなのか----。幻聴のようにヴァイオリンの調べが響き、二十年の時が交錯する書き下ろしホラー。 


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