社会不安障害:SAD、ボランティアとセカンドライフ

SADで会社を休職したが、一年で復帰し、無事定年を務めて、その後の生活とボランティアについて気ままに掲載中

百田尚樹「ボックス!」

2011-09-10 07:39:18 | 趣味(読書)

偶然手に取った書籍だ。もちろん著者は知らない。初めての作家だ。表現が少し変わっている。しかし帯の紹介が面白そうだったので、気楽に読む事にした。

『永遠の0』で全国の読者を感激の渦に

巻き込んだ百田尚樹が、大阪のボクシング部を

舞台に少年たちの友情と挫折、成長を描き出した

感動のスポーツ青春小説!

感動と興奮の

ボクシング小説だ。

読み始めると

やめられない。

北上次郎

『日刊ゲンダイ』(6月23日)

友情・恋・ライバル・
闘い・挫折・栄光
様々な経験を経て
二人の少年が
つかみ取ったものは!?

読み終わった今、興奮と震えがとまり
ません。お腹の底からわき起こる感動
に、何度も声をだして泣きました。胃
が飛び出しそうなくらい、試合のシー
ンでは本当に緊張して、食べ物がのどを
通りませんでした。ボクシングは孤独
なスポーツですが、まさに血のかよう熱
い感動をいただきました。
ーーー栗生圭子さん(東京・読者カードより)

しかし気楽に読むにはかなりの長編だった。そう縦一段組みで585ページもある。そして読み始めると実はあっという間に読んでしまった。確かに読み始めると止まらない。そして感動。なぜ感動するのか?感動しそうな要素がちりばめられたストーリーだからだ。スポコンの王道となる、絆の強い友情、そして強力なライバル、それを乗り越えて行く為にものすごい努力をすると言う昔ながらの正統派スポーツ作品だからだ。

CCF20110909_00000 書籍名:ボックス!
著 者:百田尚樹(ひゃくた・なおき)
発 行:2008年7月8日初刊発行
発行所:株式会社太田出版
頁 数:縦1段組み585ページ
価 格:1780円+税

おなじみの主人公木樽は、進学校のトップクラスだが、気が弱く、いじめられっ子。泣きそうなぐらいいじめられて、辱められる。そしてそのいじめられ子を昔から助けていた親友鏑矢が、ボクシングへと誘う。鏑矢は常に目指す目標であり、天才的な才能でボクシングの高校大会で勝ち上がってゆく。木樽はすぐボクシングをやめてしまいそうだったが、尋常ではない根性で、練習に励み、そしていつの間にかその才能を開花させる。元ボクサーの監督沢木の指導で。

二人の階級ライト級にはすでに超人的なライバル稲村がいた。そしてそのライバルに最初に挑戦した鏑矢は、無残にもやぶれ、いったんはボクシングをやめてしまう。しかし重い病気を持ちながらマネージャをしていた守護天使丸野の死亡により、再び復帰する。しかしその時には、すでに木樽が大きく成長しており、試合で木樽が鏑矢を倒す。敗れた鏑矢は、稲村を倒す為に木樽のスパーリングパートナーとなり、必死に練習する。そして木樽は万全を決して稲村と戦うが、稲村は・・・。そして鏑矢は・・・。そしてその後二人は・・・。

物語の進行は、英語の女性教師耀子だ。その耀子は、鏑矢の活躍で、ボクシング部の監督元ボクサー沢木をサポートをする為に、顧問となる。と言うこれもよくあるパターンだ。

この作品を読み終えて感じたのは、最初から練られたストリーの典型パターンと言う事だ。そしてボクシングマンガの典型だ。もちろん「あしたのジョー」は違う。そう、昔の典型的なパターンにある、根性・ライバル・恋はあるが、ジョーは弱弱しくはない。その後のコミックの野部利雄『のぞみ?ウィッチィズ』や森川ジョージ『はじめの一歩』と同じで主人公はいじめられなければならないと言う条件が必要となる。

いずれにしろ娯楽作品として、楽しめる小説だ。最も百田氏が放送作家と言う事もあり、その文体は普通の小説とは異なる為、少し違和感はあったが・・・。次は氏の『永遠の0』『聖夜の贈り物』を読んでみようかなと思っている。


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