Web(HP)の構築(フォントの指定)についてなどで、写研やモリサワの話がでた事で、つい懐かしく、昔を思い出した。もう20年以上前になるが、当社に途中入社する前の会社の話である。
私は、実はこの写研の電算写植機への色々な専用ワープロ(以下WP)等からのコンバータを開発していた。当時の会社が、製版出力(電算写植機で印画紙出力し、それ版下にする)を受託する会社で、電算写植機を持って運営している写植機センターへ写研のデータフォーマットを持ち込んで出力依頼をしていた。
元の原稿は、アルバイトの社員(といっても殆どおば様方)に専用WPで入力して、これを写研のデータフォーマットに変換するソフトを作っていたのである。
当時は専用WPとして、東芝、NECや富士通等があり、それぞれFD(フロッピーディスク)のフォーマットは各社独自であり、なんと写研への出力FDは8
インチのIBMフォーマットであった。
※今となっては、FDやIBMフォーマット等死語になっていると思うが・・・。更に当時はまだ3.5インチFDがこれからと言う時代で、主力は5インチFDであった。
さてこれらが、何を意味するか?各社の専用WPはそのFDのフォーマットも独自、もちろんWPの文字コードも独自、文字などを修飾する方法も独自であり、これらを全て、独自で解析していた。
一方写研の方もその媒体である8インチFDのフォーマットも特殊(当時は、MSDOSの普及と、NECのPCがほぼ独占しており、むしろMSDOSのファイル形式が標準になりつつあった)で、且つ文字コードも特殊なコードを使用しており、この変の事情も含めて、当時写研が出力センターの大部分を占める中で、その、特殊性、閉鎖性はかなり物だと思っていた。
むしろ、そこに当時の会社の存在意義があったのかも知れない。
写研のシステムは基本的にはバッチ処理であり、原稿入力さへ行えば、後はバッチ処理で処理できるプログラムを組む事ができた。
つまり、ページ数は多いが、様式が固定されているような出版物、例:リクルート社の住宅情報等は、このバッチ処理に向いている。
※後半の頁の表形式で同じパターンを繰り返すような組版。
WYSIWYGで繰り返しテキストを打ち込むより効率的だからである。実際この様な出版物の製版を行っていた。
この会社には結局約2年程お世話になり、当社に同じような開発依頼を受け(今でいうDTPシステム)、入社する事になるのだが、その前に社長には本当にお世話になった。
※止める寸前、社長が怒りをあらわにされていたが、最後は許してくださり、且つ送別会も開いて下さった。殆ど社長一人で経営されているような物であった。この時に社長から、私に会社を継いでもらいたかったと話しをされ大変残念がられた。
その後毎年、年賀状で近況を報告していたが、確か何年も前になるが、社長の奥様から社長の訃報が届き、恩返しもままならず、おそらく会社は既に無いだろうと思っている。
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