社会不安障害:SAD、ボランティアとセカンドライフ

SADで会社を休職したが、一年で復帰し、無事定年を務めて、その後の生活とボランティアについて気ままに掲載中

野沢尚『深紅』

2008-11-13 08:21:48 | 趣味(読書)


野沢 尚『魔笛』に続き、久しぶりの氏の作品紹介です。

氏の初期の作品と思うが、『破線のマリス』、『リミット』などとはかなり、趣が異なる作品となっていると感じる。逆に新鮮かも知れないが、一方でこのような題材は割りと少ない。おそらくかなり暗い作品になりそうな予感のする分野だからと思うが・・・。

以前読んだ書籍の中で東野圭吾『流星の絆』が、同じ傾向の分野の作品と思われる。しかし内容は全然異なるが、逆に東野圭吾氏の作品に近いと私的には思ったが、心理的な面がかなり掘り下げされており、これはこれで、良い作品だと思うし、最後が、野沢氏の作品にしても、東野氏の作品にしても、暗い結末が待っている中では、ギリギリの所で割とあっさり最後を向か得られる作品であると思う。

つまり、最後で、最後まで人として落ちる事なく最後を迎える。

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小学校6年の秋葉泰子(かなこ)は、修学旅行中に、父母と年子の弟二人を父親の関係のあった都築則夫に顔をハンマーでつぶされ惨殺される。衝撃的な事件から、マスコミにさらされる中、父親の不倫から母親の父親(祖父)の事業失敗の穴埋めに、父が連帯保証人として、都築を利用した事を知る。
でも関係ない幼い弟達が殺されたのはなぜか?伯母の家族に引き取られ、幸せに暮らしながら、一方で自分一人だけが幸せに生きて良いのかとの精神的病にズット犯され、大学生になる。

死刑が確定した都築にも泰子と同じ娘(都築未歩)がいる事を、記者から聞き、その住所を突き止め、同じ苦しみを負って生きているのではないかと考え、都築未歩に自分の素性を隠し偽名で近づく事に成功する。

泰子は未歩の今までの人生を知るが、それは被害者家族への憎悪でもあり、罪の継承を望んでいる自虐な姿であった。

泰子は、自分の家族を惨殺した娘と死刑囚が、秋葉家を恨んでいる事を知り、逆に復讐しようと、考える。自分の手を汚さず・・・。

一方未歩は、男性と同棲(結婚)していたが、いつも虐待をうけていた。それを知った泰子は、彼を殺すしたらと未歩を後押ししてしまう。

これが、きっかけになり、未歩は夫を殺害する事を計画し、自分が犯人では無くす為に、アリバイ工作に泰子を巻き込む。

いざ殺人の決行の日に、未歩は都築が泰子の家族を惨殺した同じ金槌を使って、夫を後ろから殴りつけるが、死んではいなかった。
泰子は、自分が生きる道を未歩との出会いで、見つけ、この殺人者の共犯(アリバイ)を勤めるより、殺人を止める方に向かう。

現場で座り込んでいる未歩を見つけ、直ぐその場をつれて離れると同時に、救急車を呼ぶ。未歩の男は、死ぬ事なく病院で、美歩から離婚宣告を受ける。

泰子は自分の素性を明かさず、二度と会う事も無いと心に決め、未歩が実家に帰るのを見送る。未歩は泰子の素性を知る事なく、また会えると信じて・・・。

深紅A.jpg書籍名:『深紅』
      しんく
発行所:株式会社講談社
発 行:2000年12月11日初版発行
定 価:1,700円(税別)
頁 数:縦1段組み386ページ/font>


<書籍カバー紹介>

本年度
吉川英治文学新人賞受賞作
   一家惨殺事件。
 生き残った長女と、加害者の娘。
 二人は、出会ってはならなかった。

マクロの社会問題をヒロインのミクロの心理に即して鮮やかに描き出す。
  この作家からは当分目が離せない。--- 郷原 宏(文藝評論家)
          週刊現代1月20日号

        被害者の遺族の苦しみと悲しみ、
    加害者の子供の苦渋に焦点を当てた心理小説。
          東京新聞 1月14日

   不幸な事件で家族を失いひとり生き残ったとしたら?
         勇気ある女性の再生の物語。
            VERY 3月号

         --- 他、各誌で話題沸騰!





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1 コメント

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Unknown (Unknown)
2009-02-08 16:58:28
おじゃまします

報道されない、国籍法改正案、人権擁護法案 外国人参政権 国立国会図書館法改正案、沖縄ビジョン

大手メディアは、圧力に屈しているので日本人のための報道をしていません。「麻生政権の実績」「安倍政権崩壊の真実」「韓国はなぜ反日か」で検索推奨、テレビで報道されない重要な情報を伝えるチャンネル桜も、ネットで無料で視聴できます。視聴者のコメントを投稿された画像に書き込めるニコニコ動画デイリー政治も、真実を知る人の民意が、確認できます。
最近では超人大陸コンテンツという政治家サイトに西川議員が、「真実の報道をしない今のメディア」をあげました。
言論規制の実態を暴かれるのを恐れて、マスコミはネットは悪と印象付けようとしています。
日本の将来に関わることです。

麻生さんを叩くマスコミの正体はこちら

http://blog.goo.ne.jp/nakagawasake
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