久しぶりに宮部みゆき氏の作品を読んだ。『過ぎ去りし王国の城』以来となるが、かなりの長篇だった。出版はこちらの方が先で、2010年10月だが、元のノベルは2008年6月に刊行されているとの事なので、割と新しい。時期的には、『孤宿の人 上下』と同じなので、このような長篇を連続で書かれる事に改めて驚いた。しかもどちらもかなりシンドイ物語だ。
この『ICO-霧の城』だが、実は最初の方で何ページか読んで、その後読むのを挫折してしまった。そして数カ月ぐらいしてから、再度読み始めて、面白くなり、一気読みした。
宮部氏の作品には、ファンタジー物(異世界物)として、『ブレイブ・ストーリー』、『英雄の書』、『悲嘆の門』等があるが、いずれとも違う、ストリーであり、この『ICO-霧の城』は、これだけでも十分面白い作品だと思う。下巻の方に、ゲームデザイナーで大学教授の方の解説が掲載されており、初めて、元はテレビゲーム『ICO』であり、このテレビゲームのノベライズと知った。別に元を知らなくても、この小説だけで十分楽しめたが……
![]() | 書 籍:ICO-霧の城-(上) |
僕が君を 守ってあげる。 だから 手を 離さないで。 | 霧の城が呼んでいる、時が来た、生贄を捧げよ、と。イコはトクサ村に何十年かに一人生まれる角の生えたニエの子。その角を持つ者は「生贄の刻」が来たら、霧の城へ行き、城の一部となり永遠の命を与えられるという。親友トトによって特別な御印を得たイコは「必ず戻ってくる」と誓い、村を出立するがーー。 |
![]() | 書 籍:ICO-霧の城-(下) |
君には 力が あるんだよ。 霧の城に 負けない力が。 | 断崖絶壁に建つ霧の城にやってきたイコは、鳥籠に囚われた一人の少女・ヨルダと出逢う。「ここにいちゃいけない。一緒にこの城を出よう。二人ならきっと大丈夫」。なぜ霧の城はニエを求めるのか。古のしきたりとヨルダの真実とは。二人が手を取り合ったとき、この城で起きた悲しい事件の幻が現れ始める。 |
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