社会不安障害:SAD、ボランティアとセカンドライフ

SADで会社を休職したが、一年で復帰し、無事定年を務めて、その後の生活とボランティアについて気ままに掲載中

野沢 尚『リミット』

2008-07-02 09:22:11 | 趣味(読書)

野沢尚(のざわひさし)『破線のマリス』に引き続き、野沢氏の作品紹介です。『破線のマリス』で江戸川乱歩賞を受賞した直後の第一作となります。
これがなかなか面白い。野沢氏の作品は他は余り知らない(まだ読んでいない)が、女性が主人公となっており、敵(つまり犯罪者)も女性と言うなかなか面白い作品でした。

前回の読書で楡周平(にれ しゅうへい)『Cの福音』を紹介したが、この作品ではダークヒーローと表現した。

今回の作品は、松岡圭祐氏の世界その14「千里眼の瞳」等「千里眼シリーズ」で登場する岬美由紀のような強い女性ではないが、一女性警察官が、息子を取り戻す為に、警察を裏切り(正しくは、信頼できず)、臓器売買の犯人達(ダークヒロインでは無いと思うが、異常な家庭環境から生まれた凶悪犯罪者達)を追い詰めて行く強力な意思で結果自分の子供を救い、終結するかと思われたが、最後のどんでん返し(つまり、真の犯人が身近にいた)と言う最後まで楽しませてくれた、非常に危ない作品でした。

最近の土浦や秋葉原等の事件を見ても、既に人間を捨てた事件が発生している事を考えると、大変怖い機がする。最も土浦や秋葉原の事件は、そのタマタマ遭遇した方には深くお悔やみを申し上げたいが、その場で犯人が捕まると言う事になった事が多い。衝動的な犯罪であるが、この作品の用に頭の働く人間が、衝動的ではない、犯罪を引き起こす事を考えると、非常に怖い気がする。

小説の作品が、奇怪なのか、それとも事実は小説より奇なりの方が怖いのか?この臓器売買は今でも東南アジアで実際に発生していると予想される。

リミットA.jpg書籍名:『Limit リミット』
著 者:野沢尚(のざわ ひさし)
発行所:株式会社講談社
発 行:1998年6月30日初刊発行
定 価:1,800円+税
頁 数:縦一段組み420ページ 

<著者紹介>
1960年、愛知県生まれ。日本大学芸術学部卒。1985年、テレビドラマ「殺して、あなた」、映画「Vマドンナ大戦争」で脚本家デビュー。その後、映画「その男凶暴につき」、ドラマ「青い鳥」など、多くのヒット作を手がける。97年『破線のマリス』で第四十三回江戸川乱歩賞を受賞。

<ハードカバーの帯の作品紹介> 

江戸川乱歩賞受賞第一作

母性が銃を手にしたとき警視庁4万人が震撼した!

謎の連続幼児誘拐事件、小1の息子と救うため、女刑事は組織からはずれていった。明日の見えない闇の向こうには、絶望だけがなのか?

驚愕の展開、戦慄のラスト。

暴力と暗い情念を描く、書き下ろしノンストップ・サスペンス!

 


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