社会不安障害:SAD、ボランティアとセカンドライフ

SADで会社を休職したが、一年で復帰し、無事定年を務めて、その後の生活とボランティアについて気ままに掲載中

西田俊也『復活の恋人』

2009-06-13 16:03:59 | 趣味(読書)

西澤保彦『スナッチ』に続いてのこれまた、新しい作者の作品紹介となる。実際は、他の作品をこの書籍より先に2冊読んでいるが、あえてこの作品を西澤保彦『スナッチ』の続きとして掲載する。

理由は、そのストーリーの基本的部分が結果的に同じと解釈したからに他ならない。

西澤保彦『スナッチ』は、ハヤカワ文庫ジャック・フィニイの『盗まれた街』原作『ボディ・スナッチャーズ』から生まれた作品(とあとがきでも作者が述べている)であるが、結果当時22歳の大学生が、結婚直前に、異種生命体に身体を乗っ取られて記憶を失い、31年後の53歳に突如、覚醒する物語であった。

今回の西田俊也『復活の恋人』は、中学3年の少年が、憧れの同じ中学生の女性とデート前夜にひき逃げ事故に遭い、そのままこん睡状態に陥り、奇跡的に20年後、中学生のままで目覚めると言う話である。

つまり、記憶を無くす年、その理由、復活するまでの年数と前後の結果が異なるが、基本的なコアの部分は同じである。何れにしても、浦島太郎の状態(タイムスリップのような状況)の主人公が、迷いながら周辺で起きる事件や背景を含めて、最後に辿り着く結末は???と言う意味で極論すると同じになるかなと勝手に解釈して、先に掲載する事にした。

この西田俊也氏の作品も実はまったく初めて読む。相変わらず、図書館の無尽蔵とは言わないが、日本の多くの小説家の方に感謝したい。面白い作品が、多く眠っており(私から見て)、逆の意味で言えば、ほぼ無限の小説が存在する事になるとつくづく考えている。これ以降紹介する作品の中にも、初めての作者の作品がどんどん登場する事を予告しておく。

一方前回の西澤保彦『スナッチ』も、2008(平成20)年10月25日初刊発行であったが、いみじくも今回の西田俊也:『復活の恋人』も2008(平成20)年10月25日初刊発行で全く同じ日に発刊されているのも、単なる偶然かも知れないが、面白い。ランダムに取り上げた作品がしかも、両氏とも多くの作品を世に出されているが、最新作を選んでしまったのも単なる偶然???

復活の恋人.jpg書籍名:『復活の恋人』
著 者:西田 俊也(にしだ としや)
発行所:株式会社幻冬舎
発 行:2008(平成20)年10月25日初刊発行
定 価:1,800円+税
頁 数:縦一段組み406ページ (原稿枚数400字詰めで810枚)

<ハードカバーの帯の作品紹介>

奈良の中学3年生のぼくは、あこがれの同級生・小夜子とのデートを明日に控えていた。だが、親友に借りたレコードを返しに行く途中、ひき逃げ事故に遭って、そのまま昏睡状態に。ところが20年後、僕は目覚めた。医者は「奇跡だ」と言った。 レコードは枕元にあったが、デートはどうなったのだろう?---会いたかった小夜子は親友の妻になり、しかも離婚していた。僕は彼女に会った。綺麗な大人の女だった。ぼくたちはようやくデートをした。でも自分が会いたかったのは、いまの彼女なのか20年前のなのか。もちろん童貞のぼくは、何をどうしたらよいかもわからず、とりあえず学校へ通うことにした。35歳のおじさん高校生だった---。

 事故で20年間、 眠り続けた 中3のぼくは、34歳で目覚めた。

古都・奈良で、現代の「浦島太郎」になった青木タモツの、不思議にリアルな恋愛小説。

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主な登場人物は、小夜子とのデート前日に、事故にあい、昏睡状態のまま、中学生からいっきに20年後に目覚めて34歳となった青木タモツ。事故に遭った事も知らずに、転校して行って、その後、偶然タモツの友人笠井と結婚し、何故か離婚していた高見小夜子(ナイト)。そしてタモツの親友でもあったが、ナイトと結婚・離婚し今ではTVの著名プロジューザーとなっていた笠井。35歳の高校生となったタモツと同じ高校で何故か気になる存在となった鳥野イチコ

浦島太郎状態の中で、悩み苦悩する青木。かれは高校に行く事を選択するが、虐めにあう中で、鳥野と知り合い、彼女の家の仕事「葬儀屋」をアルバイトとして手伝う事にする。一方ナイトとのデートも重ね、一晩を共にするが、今の彼女を好きなのか、昔の彼女が好きなのか?苦悩する。一方、笠井とナイトの離婚にはどちらにも理由があり、ナイトは心の病の治療の為に、ハワイにわたる。

ナイトに会いたいが為に、ナイトの呼びかけに応じ、タモツはハワイに行くが、そこには笠井も来ていた。

タモツを中心に、その後二人の仲は急速に接近し、笠井の母親の急死の対応をナイトが行い、結果笠井とナイトは再び、やり直す決心をする。一方、自分を理解し、好きだとはっきり分かったタモツは鳥野イチコの元へ・・・。


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