Googleが今年3月にIE6の一部サービスを打ち切った事を発端にして、Webサービス企業やWebの制作会社などが反IE6のキャンペーンを展開しているそうだ。本家もIE6の葬式が実際に行われた時に献花を贈ったらしい。YouTubeやGoogleのIE6へのサポート終了と更にGoogle Gmailのサポートも年内に終了する予定らしい(※ITmedia News)。
以前このIE6と共にOffice2000の当社のしがらみの話(Windows、MSOfficeとIE6.0の憂鬱)をしたが、このIE6の問題は今更ながらに大きい。IE6が問題となるのは、一番にセキュリティホールと言われているが、これが最大の問題とは私は思っていない。もちろんスピードや機能の問題でもない。HTML+CSSの互換性の問題だ。この互換性がない為に、インターネット上のWebサービスを提供しようとすると、IE6だけが最大の問題となり、IE6への対応をするのに多大な工数が掛かる事となる。つまり、Webサービス企業は、過去の遺物のIE6は切り捨てて、無駄な工数は省きたいと言う事だ。
しかし、逆に最初からIE6に特化した社内システムが構築されていた場合には、簡単にはブラウザーを変える事ができない。これが多くの企業が多くのイントラ用にIE6専用にシステムを開発した事で、IE6の呪縛から逃げられない理由だ。
技術的にも機能的にもなんら新しいOSでもないが、逆に安定性のあったWindows Xpは企業にとっては、大変メリットのあるOSだった。更にWindows2000からのWindows Xpへの移行が割りとすんなりできた事も大きい。そしてIE6とWindows Xpはその後の長い期間に渡り、企業で使い続けられている。Windows Xpとあまり互換性がなかったWindows Vistaへもその後のWindows7への移行の誘惑にも負けず・・・。と言うか移行できなかったのだが。
従って、GoogleやYouTube等大手Webサービス会社がIE6のサポートを打ち切っても、事はそう簡単ではない。新しいOSとブラウザー上で、企業内の既存システムが正常に動作するかを全て検証しなければならない。これは膨大な工数とお金が掛かる事になる。しかし、一方で何れはIE6を捨てなければならない日がやってくる。これを心配しながら・・・。
企業ユーザーは、Windows Vistaが大々的に発売された時に、Windows Xpとの互換性がこれほどないとは、思っていなかったのではないかと思う。Windows 2000からWindows Xpへの移行が割りと簡単だった為に、Windows XpからWindows Vistaへの移行も簡単にできると思っていたのではないか?結果、親会社では、Vistaは捨てた(採用しなかった)。そして多くの企業も。そして、MicrosoftへWindows Xpのサポート延長を要請した。結果Windows Xpのサポート打ち切りをMicrosoftも延期せざるを得なかった。
何れはこのブラウザーとOSとOfficeのバージョンを乗り越えなければならなくなる。膨大な工数とお金と共に・・・。しかし、この時もはやMicrosoftの商品が必須かどうかは疑問だ。そう今度は操作の互換性が問題となる気がする。
ブラウザーでは、IE6 -> IE7 -> IE8では余り操作性に互換性がない。OSではWindows Xp -> Windows Vistaでも殆ど互換性がない。Microsoft Office 2000 -> Office Xpは互換性はあるが、Office2000(Xp)-> Office2007では殆ど互換性がない。そしてOffice2007ではファイルの互換性もない。マアーこれだけ、操作の互換性がなければ、別のLinux系のOSを使っても同じ事が言える。OfficeでもOpenOfficeの操作を覚えるのと大差ない。
企業は新しさを出す為(正しくは売る為)に、操作体系をよく変更するが、その新しい操作を覚える為に、多くの時間を掛けるのは苦痛でしかない。更にこれが仕事なら尚更だ。どんなに操作性が良いとPRされても結局は慣れた物が一番だ。企業ユーザーは、システムが変更される度に一からまた操作を覚えるほど暇ではないし、誰もそんな事は望んでいない。また多くのソフトを覚えない。Excelだけ使えれば、これがWordにもなる。従ってWordの操作も覚えない。従ってバージョンアップなど誰も望んでいない。
おそらく、中身は全く異なっていても、見た目と操作と結果が同じなら、それが最善だろう。
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