今回は初めての作家の作品だ。この作家は今まで知らなかった。また素晴らしい作家を発見した。この新しい作家、と言っても私が感動する作家の事だが・・・、発見する度に、私は本当に日本人に生まれてよかったと思う。そう全く底がない程素晴らし作品と作家に恵まれている。定年まで残り1年+1ヶ月となったが、残りの人生を生きる上で、やはり読書は欠かせない。
この作品は、フィクション(のはず)だが、かなりノンフィクションに近い。但し、現実はこの様にかっこよくはいかない。しかし起きている事は確かだろう。
と書いたのは、余りにも実は現実に近いサラリーマンの話だからだ。最もこのような作品に登場する銀行マンと言うのはかなり限られた話ではないかと思うが・・・。
なぜかと言うと、主人公は、東京大学経済学部を卒業して、世界に通用する金融マンになりたいとWBJ銀行の全身である四和銀行に入行した樫村徹夫。と言う設定なので、あまり現実的には多くはないだろう。
さて、WBJ銀行の証券部で華々しく活躍していた樫村だが、大手銀行菱光銀行との合併により、証券部を追われ、子会社のWBJ菱光カードの部長へと左遷させられる。
仲間の送迎会後ふとあった老女の占い師に手相を見てもらうと、「人生、七味とうがらしだね」「人生の味付けをするのに、必要なものさ。うらみ、つらみ、ねたみ、そねみ、いやみ、ひがみ、やっかみ。この7つの味が、人生に深みを与える。これを称して人生、7味とうらがしと言うんだよ」「まあ、あんたの人生は、今まで順調だったね。面白くもなんともない。味で言えば、薄味。深みも特徴もない」「しかしこれからは7味とうがらしをたっぷりきかせた、味に深みのある特徴のある人生になるってことだよ」と指摘される。
会社を辞める決心をした樫村は、昔の仕事の知人で投資会社を経営している山本知也に相談する。山本はデリシャス・フード・サービス(DFS)と言う飲食フランチャイズ会社の筆頭株主で、業績が思わしくない、この会社の再建をCFOとして樫村に依頼するが・・・。
と簡単に上場会社のCFOと言う形で現実に事は運ばないと思うが、とにかくDFSの再建を頼まれて乗り込むと言う話だ。
しかしなかなか面白い。話は単純。敵も明白。見方も明白。人生ドラマ。まるで大岡越前?的で面白い。涙あり、くやしさあり。お色気ありの楽しい読み物だ。
ぜひ、サラリーマンの方に読んでもらいたい作品だ。しかし現実はなかなか、会社を辞める決心はできないだろうが・・・。
書籍名:人生に七味あり |
合併で居場所を失った私の転職先には、隠された巨額負債が!絶望しつつも前を向く、巻き返しサラリーマン小説 |
人生に深みを与える 七つの味がある。 うらみ、つらみ、ねたみ、そねみ、 いやみ、ひがみ、やっかみ。 これが人生、七味とうがらし。 |
『人生に七味あり』名言集 ■会社の再建というのは詰まるところ明るさだ。明るい経営者でなければ再建はできない。 ■従業員のモラルが下がるのは、経営者が彼らの働きや人間性を認めていないからだ。人間は誰でも他人から認められたいという願望がある。その願望を放置していると、いつの間にか、不平不満の多い社員になってしまう。 ■社長の口から出るのは、厳しい経営、リストラなど後ろ向きのことだけです。社員に夢を与えてください。私たち社員は、夢さえあれば一生懸命に働くことができるのです。 |
私、樫村徹夫(44)の人生の一大事だった。堂々と勤めてきた銀行が他行に吸収合併されたのだ。同僚たちの退行が始まった。送別会の帰途、私は辻占いの老女に七味どうがらしが待つと言われた。うらみ、つらみ、ねたみ、そねみ、いやみ、ひがみ、やっかみが降りかかり、本当の人生が始まるという。私もついに飲食フランチャイズ会社のCFOに転身したが、隠蔽された百三十億円もの含み損が発覚、社は倒産の危機に・・・。CEOを押し付けられた私と社員が七転八倒の果てに見たものとは?人生と仕事に苦闘するすべての働く人に贈る勇気と希望の一冊。 |
どうでも良いことだが、この書籍を読みながら、先日TVを見た。テレビ朝日のバラエティ番組・『もしものシミュレーションバラエティー お試しかっ!』の『行列のできる洋食屋「たいめいけん」噂のオムライス!「帰れま10」でマッチもヨダレ?』を見た。
当家で見るテレビ番組はかなり偏っており、最近は殆どドラマ関連は見ない。それでは何を見ているかと言うとバラエテ-かクイズ系となる。この番組もバラエティよりクイズ系に近いが・・・。
そして見た『行列のできる洋食屋「たいめいけん」』のオムライスがたしかに食べてみたくなる程美味しそうだった。
この番組を見た後で、ふとこの書籍を見ると222頁にこの『たいめいけん』が出てくる。昭和6年創業の老舗洋食店でオムライスが有名な店として・・・。
なかなか不思議な気がした・・・だからそれが何だと言われても仕方がないが・・・。
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