7月中旬、九州地方を襲った記録的豪雨は九州全域に及び多大の水害をもたらしました。
とくに被害がひどかった大分・熊本の山岳地帯で、短時間の記録的集中豪雨により
地すべり、山崩れ、河川の氾濫となって、多数の犠牲者が出ました。
7月4日と7月14日~16日の新聞をごらんください。大分・熊本両県の死者は25人を超える水害
です。両県の県境の被害が甚大で、山岳地帯の降雨量が短時間では記録的であったことが
報告されています。
被害は下流域に及び、福岡県、熊本県の河川堤防が切れ橋が流されて、平野部では
家屋が浸水、田畑の冠水で多くの住民が避難を余儀なくされ、交通網が寸断されました。
筑後平野の水害のひどさは、これまで私の記憶によれば、昭和28年の大浸水に匹敵する
ものです。大きな川の堤防が数か所で切れたのですが、平野部の堤防が切れたのには
国土庁の現地事務所が説明に苦しんでいます。流水量が想定を上回ったのはわかるのですが、
川幅が大きいところで決壊しているので、土木関係者が調査を始めています。
どうも河川の水圧が川床・土手に計算以上に働いたらしく、なぜにこんなところが決壊したのか
説明を要するところです。矢部川水系の土手の決壊場所は、中山地区、六合地区の二ヶ所。
中山地区は川下に向って、左側に湾曲した左岸土手のところです。
普段の流水では湾曲部で土砂が少しずつ堆積して左岸は川床が浅くなり、いかにも
水圧が少ないように見受けられます。
だけども、いったん水量が増したとき、右岸に激流がぶつかるが、左岸にその水圧が
川床を抉るように、時計の針の反対まわりの逆流の渦となって左岸土手にぶつかったらしい。
専門知識がない素人が診断してはいけないので、現地の惨状を克明に報告しているな程度に
理解していただくとありがたい。
8月4日、高速鳥栖ジャンクションを出て、大分県水分峠から「やまなみハイウェー」を南下、
飯田高原で西に折れて九重町で「九重夢大吊橋」の久住360度パノラマと名勝震動滝の眺望を楽しんだ。
上の写真は今度の崩壁前の紅葉。写真左4分の1のところ150メートルほどの滑落で岩肌がむき出しになっていた。
吊橋横の渓谷の崖崩れの生々しさにショックを受けた。170メートル眼下の崩れた崖壁が
川床に火成岩の赤茶けた山となっていた。
非常に深い渓谷の風景なので、壁落を気に留める人はあまり多くないようだった。
上の写真は「震動滝」の遠景。右側に男滝、左に女滝が見える。久住山系の峰を背景に流れ落ちる滝に
吸い込まれそうな軽い眩暈を感じた。
50年ほど昔、このあたりの民宿でランプをともしながら、生シイタケを焼き、竹筒のカッポ酒を飲んで
楽しんだことを思い出しました。
大吊橋の観光を終えてから、九重渓谷に沿って、豊後中村に出た。渓谷の途中も
水害でがけ崩れが散見された。なぜ渓谷が深くなったのか理解できました。
やまなみハイウェーの長者原で昼食を取りましたが、その料理の不味かったこと。
45年ほど前に食べた料理よりもさらに不味くなった気がしました。その食堂のそばを通ることが
あるまいと思いますが、その食堂ののれんはくぐらぬことにします。
旅行者の皆さんには、道端で売っているトウモロコシを生のまま齧ることをおすすめします。
やまのカラスがトウモロコシを狙うらしく、静かな山に空鉄砲の音が響いています。カラス脅しの
ビニールきれが沢山つるしてあります。
家内が山でトウモロコシをほしがるのが、よくわかりました。