大宰府天満宮飛梅
3月17日のこと。75歳前後の認知症ご婦人が大宰府で保護された。東京から
新幹線に飛び乗り、若いころ過ごした大宰府に来たもの。福岡地方への家出で
ご婦人が保護されたのは、今度で3度目である。
何れも警察署に保護されて、福岡の兄(私の友人)のもとに連絡がとどいた。
突然現れた妹が警察署に保護されていると通知を受けた兄さんの驚きは、
度重なると怒りに転じる。
一方、夫君の方は、一寸の油断も許されないので、心が休まるときがなく
精神疲労の極に追い込まれる。特に老夫婦だけの生活に、認知症問題が
入り込むと悲劇となる。
今度も夫君は憔悴しきって、夫人がいる博多に現れた。認知症夫人は妄想に
精神が昂揚して元気さが続く。娘が亡くなったことを理解できないご婦人の徘徊は
当人にとって、当然のことである。
認知症高齢者の取り扱いについて、この頃一般的に市民の理解が進んでいて
警察の保護に協力するケースが多くなっているようだ。今度の場合、
市民の協力で無事筑紫野署に保護を受けることができた。
東京に戻るときの話だが、「娘を探す」と博多駅前で駄々をこねるご婦人を見かねた福岡の
3人の女性が、博多駅ホームまで、付き添ってくださったそうである。
夫君が感謝の気持ちを述べられている。「福岡の方有難うございます」。
認知症高齢者の増加はいまや、家庭破壊の社会問題化となりつつある。