この秋、高校同窓会と大学同級会に参加した。どちらも有志による同窓会である。
喜寿を迎えたわれわれは、もう有志による集まる形でしか集合できなくなった。
集合した学友は老境を披歴して、思いっきり老春を楽しんだ。
私はこれまでにないほどの会の盛り上がりをカメラに収め
パソコン編集を加えてDVD版にした。
最近のスライドショーの編集ソフトはかなり進化していて、静止画面を動かして
ムービーのような効果をあげることが出来る。たとえば、バス横写真を
フレームをいじって、あたかもバスが静かに動いているような錯覚を
いだかせるのである。
また、視線の先に人物の横顔が次第に現れるような工夫が出来る。
さらに文字挿入やBGM編集やトランジション(場面変換)もできる。
同窓会のDVD版は、その会場の雰囲気を再現するのに成功していた。
DVDを見た学友は喜んだ。ただし、DVDを見ることが出来ない友人から
の謝辞はこなかったけれど。
白状すると、DVD編集は家内の手になるもので、私は
写真素材の提供役である。1会場、100枚を超える写真を撮りまくった。
そういえば、料理を落ち着いて味わうことができなかった。
せっかくの京料理の美味しさを覚えていない。料理は集中して、感覚を鋭くして
味覚を楽しむものだと思う。カメラマンを引き受けていていたので
同窓会の楽しさは半減した。
「カメラは持たずに参加しなさい」。これが家内の忠告である。