固い政治の話で恐れ入る。先に政治家に提案していたこともあるので
少々話させていただきたい。
3月29日、参議院で与党が提出した11年度予算は否決された。だが、予算案に限り
たとえ参院が否決しても、衆院が認めた一般会計総額92兆4116億円は国会を
通過することになり、形式的に衆院が開かれ予算額は変更されなかった。
これを受けて、同日、11年度予算関連法案「子ども手当つなぎ法案」
「地方交付税法等改正案」などが衆院に提出され、公明党、共産党、社民党の
賛成を得て承認された。
また、参院でみんなの党の賛意をもらって、31日に参院で関連法案は
多数決で決まる予定。
ところで衆院予算委員会で審議中に東日本巨大地震の余震が発生、審議中に国会が
ゆれるシーンがテレビ中継された。
津波災害騒ぎのあと、自民党党首谷垣氏は、ばらまきをやめて、不足する歳入問題と
財源のネックを解消するために予算案の修正を迫った。だが、菅総理はマニュアルの
改変を拒んで、参院の通過を目論み、社民党と手をむすんだ。
結果的には、ばらまきが得意な仲間がふえただけではないか。
野党公明党は別なことを考えているようだ。「子ども手当」の
次には、以前の児童手当制度の拡張版らしい。
「もうやめてくれ」、今は財源がないではないか。災害復帰に金をまわそう。
「子ども手当て」はつなぎ6か月延長である。何と硬直した姿勢であろう。
国が財政破綻しつつあるのに、予算運用の適正化もできない無能政府ぶりである。
一方、野党国会議員は首相の災害現場視察を非難した。こんな足の引っ張り合いを
している場合か。怒りを覚える。30日の毎日新聞社説も怒りの論説である。
それにしても、今日30日の「モーニングショー」のレポートは出色であった。
レポーター玉川総研さんの「危機から脱したオーストラリア」のはなし。
二人の元首相の国政における指導ぶり、官僚に財政再建の責任を持たせる方策
首相の国民を説得する熱意が見事に成功を収めたというインタビューレポートが
私の耳をそばだてた。
同番組で評論家鳥越氏は、菅さんの「出来るものしかしないという言葉には
がっかりした」とのべている。菅さんは「これをやるんだ」という熱意がなく
総理大臣になりたいからなったという人に見えてしょうがないと、家内がいう。
「菅さん、あなたには失望した」。
財界の指導者は法人税減税を遠慮して、国家財政再建に協力しますと
申し出ている。11年度の補正予算の編成であなたの指導力を見ておきますぞ。
あなたの能力を検定します。
今の私はほんに憂鬱である。面白くない。
<追記>
「子ども手当つなぎ法」案は、31日参院を通過した。賛否120票同数、西岡議長の
「可」宣言で、ようやく法となった。野党の谷垣自民党総裁は、災害支援に
回すべき財源なのにと、政府を非難した。
なお、みんなの党は1名だけ賛成、他の議員は反対にまわった。