ピントが合ったのは

“昔は見なかったような・・・”
“最近，よく現れるなぁ”

黒い羽根に水色の帯が入ったチョウチョが目の前を飛びます。
庭に畑に，近頃よく見かけるようになったんです。

「待て，待て，ジットしてろ！！」
優雅に飛んでいるように見えますが，動きが結構早いんです。
チョウチョの行動は予測できません。
チョウチョは，あっちに『フワフワ』こっちに『フワフワ」』です。
何とか撮ろうとするんですが・・・

“おっ，止まった”
やっと撮れた１枚，名前が分からないチョウチョです。


『ホーホケ，ケキョケキョ，ホーホケキョ』
“おっ柿の木だ，柿の木からだ”
チョウチョがどこかに飛んでいった直後です。
畑の柿の木で，ウグイスの鳴き声が聞こえます。
声を頼りに，そっと近づき探します。

“どこかな，どこかな”

柿の茂った若葉の間を，目を凝らして探します。
ウグイスは茶系です。
緑の中なら，分かりやすいはずと目を凝らしますが・・・

“あれいつの間に”
『ホーホケキョ』
聞こえた声は，柿の木からではありません。
庭の金木犀からです。
もう追っかける元気は出ません。
ウグイス撮りは，諦めます。

“うぅーん”
“今日の撮りで，「まあまあ」ピントが合ったのは君だけだ”
いつものように，臼の水を飲みに来た野バトです。