基礎実験

2022年08月02日 | 会社情報・お仕事改革

 

 私は、新しい物を創作するのが愉しい性分です。製品の製造作業の合間に、基礎研究をやるのが良い息抜きになります。

 写真(↑)は、振動板用の薄肉ドーム・プレス加工の習作です。(不要な外周は切り落として使用します)この様な加工は、金属加工専門の外注に出せば済む事でありましょう。では、何故わざわざ自前でやるのか?

 ご存知かもしれませんが、上記の様な加工のために、金型を製作するのには結構な費用が掛かります。そこそこの規模のメーカーでも、社内稟議が必要になると思います。しかしスピーカーユニットの振動板開発のためには、無数の試作が必要になります。音を極めるための自由な発想を、金型予算の都合で制約されるのは困るのです。

 そこで、今後の振動板開発のためには、自前で大幅に安く試作出来る必要があると考えて、試行錯誤をやっています。具体的な方策は勿論企業秘密ですが、大切な事は「知恵と工夫」という事です。上手い事考えて楽をしようと言う安直な話はあり得ないと思います。発明王エジソンと同様、私も、寝ている間でも、いつも新しいアイデアに思いを巡らせています。

追伸

 安さばかりが重視されて、スピーカーユニットのほとんどが某国産になってしまいました。当然ながら、自社開発を謳う有名ブランドでも、実際には某国におんぶに抱っこという図式から逃れるのは難しいでしょう。産業が空洞化、弱体化してしまった我が日本国にあっても、しかし、モノ作りのための知恵、工夫、忍耐といったものが改めて問われる時代になったと思います。氷河期時代に大型恐竜が絶滅する中で、知恵と小回りの利く小型哺乳類が生き残ったと言われます。私は、小規模な優良企業が、改めて日本で増える事を期待しています。自分も一石を投じられればと思っております。

 

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