いずれも閉じた孤独な思春期であり、しかも後者はそんな自分の不幸に酔っているような物語。
それはそれで雰囲気を楽しんだ前者と、酔った感じが、う~ん、となった後者と。
◎「メカクシティアクターズ」(全12話)
○ これは物語シリーズのような絵で、シャフト制作と一目で分かるアニメでした。
分かりにくい、閉じた孤独な思春期の物語。
で、シャフト制作でなかったら、もっと普通のアニメのような絵だったら、楽しめたのかなあ、、、、、会話が主ですし自意識過剰な閉じた思春期の分かりにくいアニメですし、きつかったのでは。
絵の面白さと物語の分かりにくさを、それらの入り混じった雰囲気を楽しみましたが、そういう人は少ないでしょうね。訳が分からない物語という声が多いらしいですし。私がこの物語を良く分かったというわけではありませんが。
カゲロウプロジェクトは名前と人気があることしか知らない私ですが、このアニメのおかげで、音楽と小説と漫画により展開している何かで、それらを基にアニメ化したというところまで耳に入ってきましたが、引き続きそれ以上知ろうと思わなかったことも確かですが。
なお、OPの「daze」(歌:じん ft. メイリア from GARNiDELiA)は歌も絵も格好良かったですし、EDの「days」(歌:じん ft. Lia)は歌も絵もしっとりとして思わせぶりで良かったです。
アニメジャパン2014にて。
○ エネ(cv阿澄佳奈)が騒々しくてウザい。ニャル子のような感じですが、ニャル子は騒々しい止まりでしたが、いくら阿澄さんとは言え、エネはウザい。このアニメにはそれほど騒々しいキャラがいないので、他のキャラとのバランスでウザく感じるのでしょう。
特に1話は、エネのおしゃべりが多かったから仕方ないのでしょうけれど。徐々にそれ程騒々しくはないキャラになりましたけれど。
一方、アヤノ(cv中原麻衣)の最後での語りはいい雰囲気で、小難しいことを語っていますが中身が分かりにくくても声だけで良いなと思えたり。アヤノが本編で普通に話す時も、抑えた、やや陰のある感じが良かったですし。
○ 目からの超能力を持つ者の多くは生きにくく感じているようで、人間に迫害されて殺されたりもして、彼らが集まってメカクシ団を結成。まあ、孤独な者同士が肩を寄せ合っているだけとも言えますが。
物語も重層的だったり、メカクシ団の個々の辛い過去話が群像劇で描かれたり、時間軸が行ったり来たりでどの時点の話なのか分かりにくいところがあったり、自分の閉じた世界の語りばかりだったり、8月15日に何人も死んでいたり(終戦記念日の8月15日ということに意味があるのかは分かりませんでしたが。)。
マリー(cv花澤香菜)が女王様で友達と別れたくないから知らない内に時間をループさせているとか、メカクシ団の他のメンバーも友達がほしいという点は同じですから、全体として自意識過剰で閉じた思春期の物語であり友達がほしいという思春期の孤独感の物語であると思えば、物語が分かりにくい理由としても、取り敢えずはOKなのかな。
◎「selector infected WIXOSS」(セレクター インフェクテッド ウィクロス)(全12話)
○ カードゲームWIXOSSの中でも特別な「ルリグカード」を持つ者はセレクターと呼ばれ、勝ち続けると「夢限少女」になれて願いが叶うとルリグに言われて戦ったり。でも、3回負けるとその願いは叶わないだけではなく、罰のようなことになると。罰のことはルリグは最初には言わないと。まどかマギカのQBみたいなものですね(これの原作と まどかマギカのどちらが先に世に出たのかは知りませんが。)。
7話、勝負すること自体に快感を自覚する中2の小湊るう子(cv加隈亜衣)。自分は強いことは分かっていて、でも望みはないし、負けた相手を追い込むことになるから戦いたくないと言っていたのに、結局は本気になってしまって勝つと。ギャンブル中毒のようなものですね。
アニメジャパン2014にて。
○ 9話、夢が叶うのはルリグで、勝ったセレクターとルリグは入れ替わって、その元セレクターは誰かのルリグになって勝ち続けないと現実世界に戻れないとか、・・・・・な設定。
肝心なことを言わずに良いことだけを言って巻き込み、悲劇的な真実が順次明かされて後戻りできなくなっていく悲しい物語としては「魔法少女まどか☆マギカ」(2011年冬)が記憶に新しいというか鮮烈ですが、物語の骨格だけ追うとたいして違わないのにこうも違うものなのか、と。これは、少し大袈裟な描き方で、萌も可愛いキャラもシリアスも、ということで欲張りすぎてどっちつかずになっているのかどうか、、、良く分かりませんが。
○ 3回負けて、友達がほしいという願いが叶わず、友達ができなくなった植村一衣(cv茅野愛衣)なんて不幸のどん底という表情でシリアスです。るう子はそんな子をもう増やしたくないという気持ちでしたが結局は戦ってしまったわけですが、全体的な雰囲気はシリアスなのに常に萌声な主人公の るう子が不釣り合いで、シリアスアニメなんだか萌アニメなんだか良く分からない雰囲気で。
○ 叶えたい希望もないし、相手を負かしたくないから戦いたくないと何度も言う るう子ですが、売り言葉に買い言葉も少しあって、でも結局はバトルが楽しくて快感であるということが忘れられないから戦う るう子なんて、その相反する感情への葛藤の描き方が少し足りない気もしますが想像力で補うとしましょう。
それでも、多くのキャラが自分の不幸に酔っている感じがして、あまり同情もできませんでしたし。それとも、ギャンブル中毒のような、単なる中毒と思えば良かったのかどうか。。。
しかも最終12話では全てのルリグを解放して人間に戻すことを願って浦添伊緒奈(cv瀬戸麻沙美)と戦い、勝って夢限少女になると言った るう子は まどか と同じで少し苦笑でしたし。るう子のルリグのタマ(cv久野美咲)が最後の言葉を言わなかったので夢限少女になれず、負けた上に、るう子のルリグがタマから伊緒奈になったのは、るう子と一緒にいたいから最後の言葉を言わなかったタマの本末転倒っぷりが不幸とダークさを強調するとともに苦笑でしたが。
○ つまらなかった訳ではありませんが、中二病的思春期の閉じたセカイと、その中で自分の不幸に酔っているキャラと、些細なことを大袈裟にとらえてしまう思春期のセカイの描き方に今一つ付いていけなかったところです。
秋に「selector spread WIXOSS」として2期があるそうで、それはそれで見ることにしますけれど。
【shin】
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shin{流れ星}
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