◎「終物語」（「まよいヘル」「ひたぎランデブー」「おうぎダーク」）
総合評価5点（5点満点）
「阿良々木暦の高校生活 ―― 完結。」
「阿良々木暦が「何」でできているかを知る物語にして、すべての「始まり」を知る物語は、ここに締めくくられる――」
全7話の2時間スペシャルを2夜連続（2017年8月12日、13日）。
2回とも過去作を少し振り返ってからでしたが、それが計1時間くらいと長いのは、そのくらいの前提を知らないと、というかその映像で過去作を思い出さないと分かりにくいということでしょう。
会話劇を映像で見せるところなど、相変わらずの良いできです。
阿良々木暦（cv神谷浩史）、八九寺真宵（cv加藤英美里）、戦場ヶ原ひたぎ（cv斎藤千和）、忍野扇（cv水橋かおり）、
忍野忍/キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード（cv坂本真綾）、羽川翼（cv堀江由衣）、千石撫子（cv花澤香菜）、臥煙伊豆湖（cvゆきのさつき）、斧乃木余接（cv早見沙織）、忍野メメ（cv櫻井孝宏）など。
○ 「まよいヘル」
・暦は臥煙に殺され、地獄で真宵に会い、生き返るところまで臥煙が仕組んだことでしたが、予定に反して真宵を連れて生き返った暦、ブレないですね、暦。
扇との対決に必要な手順を踏んでいるようで。
○ 「ひたぎランデブー」
・卒業前にデートをしろと戦場ヶ原、暦の受験勉強中に免許を取って、レンタカーで暦をお迎え。
免許取り立てな上にレンタカーということは運転はあまりしていないということですから、運転していて怖くない戦場ヶ原はさすがとしか言いようがない（笑）。しかも、マニュアル。
走行中、暦も怖さは感じていないので、運転は上手いのでしょう。さすが、戦場ヶ原（笑）。
最後に、「ひたぎ」と呼んでと言う戦場ヶ原、照れながら互いに呼び捨てで名前呼びする2人。
ごちそうさまです。
・で、扇が暦に言いましたが、扇は「くらやみ」ではないと。本当がどうかは分かりませんが、取り敢えずはそういう前提で見ていきましょう。
「終物語」（2015年放送の「おうぎフォーミュラ」「そだちリドル」「そだちロスト」「しのぶメイル」）を見て、扇が「くらやみ」の可能性が一番高いと思っていましたが、そうですか。
○ 「おうぎダーク」
・臥煙による、扇を退治するための策略の説明を、暦、キスショット、真宵、余接と。
さすがに、この段階では扇は暦だろうとは思いましたが、2015年放送時にその可能性が高いと思うべきでしたね。
・扇は暦に負けるつもりで来たようにしか見えないのに、扇も助けようとして2人とも「くらやみ」に吸い込まれそうになるという暦の本末転倒っぷりは、自分の正義が貫ければそれでいいということで、他人のために行動する自分というのが自分のための行動ということでもあるわけで。
（他人を助けるためのみの行動であるなら、助けられたと思っているのに助けなくても自責の念にかられることはないはずですから。）
翼、間一髪、南極にいると突き止めてメメを連れてきましたか。さすが、翼。
メメが扇を姪と認めることにより扇を実在にし、嘘の存在であった扇の存在が本当になったので「くらやみ」は消えましたが。
・キスショットは幼女の忍に戻りたいと言って戻りましたが、どう見ても愛し合う2人でしたが、（暦にとっては異なる愛の形なのでしょうけれど、）戦場ヶ原がいるのに、博愛主義者ですこと（笑）。
真宵は神様になったので神社という居場所、つまり家が出来て、消えることが無くなり、暦と遊べるので嬉しそうですし。
・2人が名前呼びをしていると知った翼が戦場ヶ原に暦と呼ばないのかとからかったら、暦と呼んでから、「おかえりなさい、翼」と呼ばれて翼は少し驚き、「ただいま、ひたぎちゃん」と笑顔で。
卒業式をさぼって怪異に憑りつかれていそうな女生徒を追おうとする暦に笑顔で「いってらっしゃい」と声を合わせる戦場ヶ原と翼というのも含めて、この2人は暦を巡っての恋愛感情の交錯を互いにほぼ知っているので、本音ではややぎこちないところがありましたが、それももうなくなった様子。
・扇「変わりませんねぇ、阿良々木先輩。」
暦「いいや、変わるさ。だけどどんなに変わろうと、僕は僕のままなんだ。」
変わらないことも大事ですが、暦は変わった方がいいと思います。
キスショットの力で、暦は（ほぼ）不死身の半分吸血鬼に戻りましたが、そうでなくても同じようにしたのでしょうけれど、それは自殺行為です。
○ アニメジャパン2017にて。
【shin】
