◎「ブラック・ブレット」(全13話)
○ 民間警備会社という名の軍事的組織のシリアスな戦いの物語。
東京エリアを統治する聖天使(cv豊崎愛生)を護衛する里見蓮太郎(cv梶裕貴)や天童木更(cv堀江由衣)。
聖天使暗殺を依頼されたティナ・スプラウト(cv黒沢ともよ)は序列98位ととても強くて普通であれば蓮太郎はかなわないのに、蓮太郎とティナは普通に道行く人として知り合っていたので互いに情が移り、互いに殺したくないと思っているとか、蓮太郎が奇跡的に勝ってティナが仲間になるとか、ティナに殺されかけたのに仲良くしている藍原延珠(cv日高里菜)と木更だとか・・・女心と何とやら、で片付けてはいけないのでしょうけれど。
結局、ダークでシリアスな雰囲気を基本としつつも、普通の萌アニメでもあったわけで。
○ 本当の敵は寄生生物のガストレアウイルスに感染したガストレア。
モノリス(人類の居住区である各エリアの外周部分を等間隔で囲っている巨大なバラニウム(ガストレアの再生を止められる金属。)製の金属板。)で街を守るほか、延珠のような「呪われた子供たち」(生まれながらにしてガストレアウイルスに感染した子供。強いけれど、ガストレア化する可能性があるかも知れないし無いかも知れない。)はガストレアから人間を守るために命がけで戦っているのに多くの人間からは忌み嫌われているとか、それでも戦うとか、それでも呪われた子供たちを殺す人間がいるとか、それでも戦うとか、勝つにしても犠牲が大きく、何か救いが少なく、でも、それはそれで筋が通っていてそれなりに楽しんだのですが、ただ、最終話を含めて救いの少なさが少しばかり押し付けがましいと。
全体としてそれなりに楽しみましたけれど。
「魔法少女まどか☆マギカ」って、そこの押し付けがましさが無かったですが、それは奇跡的なバランスだったのですかね。
○ さて、最終13話で、欠陥モノリスを作らせて差額をピンハネするなど、今回の戦いと多数の犠牲の原因となる悪事をした兄(親殺しの犯人の1人でもある。)との勝負に勝って兄を殺した木更。
それを見た蓮太郎がどこに正義があるのかと言い、木更が「里見君の正義のコブシは、悪には届かない。悪に対抗できるのは、正義じゃない。悪を上回る、絶対悪なの。」と答え、「木更さんの敵になるかも知れない。」とつぶやく蓮太郎。
死刑に値することをした兄ですが政治家で権力者で名家であるため有罪にできるか怪しいですから決闘で片を付けた木更。
蓮太郎は裁判を考えているのでしょうけれど、裁判になってもどうにもならないどころか裁判にすら持ち込めない可能性も高く、無罪放免になっても良いのか、と。蓮太郎がその場でそこまで考えたのかは分かりませんが、蓮太郎はそれでも仕方ないと考えたと同義です。
木更はそれへの正義感と、何よりも親の仇をとったと。
どちらが正しいのかは、以下のようなところでしょう。
法律的には蓮太郎が正しいですが、法律では実質的に裁けないでしょうから、法律では悪人である兄を裁けないでしょうから、それは法律的には無罪と同義です。
それは正義ではありません。
木更のしたことは法律的には悪ですが、一族のルールとして死んだとしても決闘は正義のようですし、悪人を裁いたこと自体は正義です。
現実世界で言ったら、本当に悪人か本当に悪事をしたのかが100%確実に言えるとは限らないこともあって蓮太郎の言う通りが法的な正義ですが兄は無罪になるから実質的な不正義、フィクションの世界では悪人も悪事も明白なので木更は法的な不正義ですが実質的な正義です。
勿論、フィクションでも現実でも、木更のしたことがバレたら法律に基づいて裁かれる必要はありますけれど。
民主主義という観点からは蓮太郎が言うことが常に正義ですが、フィクションくらいは木更のような正義があっても良いのでは。大きな悪ほど悪が悪として裁かれないことが多い現実ですから、フィクションでタマに実質的な正義が実現しても良いのでは。
○ 東京アニメセンターにて。
蓮太郎、延珠、ティナ、木更。
◎「風雲維新ダイショーグン」(全12話)
「童貞だから 天下一の男になれるんだ!!」
そっ、そうだったのか!!
じゃあ、大統領や総理大臣や世界企業の社長って、、、
○ 実は徳川家の後継ぎである徳川慶一郎(cv柿原徹也)と、暗殺者とのロボットでの戦いと、慶一郎を守る くノ一 の服部霧子(cv川澄綾子)との恋と、にぎやかな ちはる(cv田村ゆかり)と。
江戸時代、ドタバタして、下ネタも、萌も、ロボットも、バトルも、恋も。
単に好みではないということにしておきましょう。
【shin】
