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放課後のプレアデス感想。各キャラが愛おしく、「なんにもないなら、なんにでもなれるはず」というファンタジーが現実味を帯びてくる

【ネタバレ】
2015年春アニメの感想の続きです。
ペースが遅いですが、多くはなるべく簡単に、順に書いていきます。

◎「放課後のプレアデス」(全12話)

このアニメには、すばる が、あおい が、いつき が、ひかる が、ななこ が、みなと がいて、そして、私たち視聴者がいます。


なんにもないということはありませんが、萌はほとんどなく、バトルはどうということはなく、変身シーンでさえも子供が見ても大丈夫なくらいにえっちぃのは何もなく、あまり大袈裟でもなく、何があるというわけでもなく、でも、さらりとした演出で描かれたそれぞれのキャラの思いがジワリとくる物語が多く、友達との関わりやバトルの中での各キャラの思いと もがいている ところが愛おしく、少し独特なところが心地良く響きました。

宇宙にも行ってしまうSFでもあり、魔法少女でもあり、少しバトルもありますがたいしたバトルではなく、中学生の選択と自己肯定とアイデンティティ、つまり成長を描いた日常系アニメです。
(2016年1月6日追記。SFと魔法少女といった方が分かりやすいので、日常系と言うと誤解を与えてしまいますね。このアニメにはこれだというものがあまり無い、そこがいい、そこがこのアニメを特別なものにしている、という事を肯定的に言いたいのですが、他にいい言葉が思い付きませんので、「日常系」は取って読んでください。)

なんにもない/何者でもないからから可能性は無限であるという「なんにもないなら、なんにでもなれるはず」というのは現実世界ではファンタジーでしかないのですけれど、それでも、そうではないかも、と少しだけ勇気をもらえます。過剰な勇気ではないところが、“結果としてダメでもいいじゃないか、ちょっと歩き出してみようか”、と思わせてくれます。


佐伯監督のTwitter(→リンク)。



○ 曲が良く、アニメやキャラの心情とも良く合っています。歌詞は、GMOの歌詞サーチから。
OP曲「Stella-rium」(歌:鹿乃)




8話挿入歌「reminiscence」(歌:ななこ)


特にED曲「ここから、かなたから」(歌:fragments(メインの5人の声優ユニット))。
青春の友情や成長を描いたアニメなら多くのアニメに合いそうな普遍的な内容です。それでいて概要にならず、行間(比較的分かりやすい。)を読ませるこのアニメとも合っています。





○ 総合評価4点(5点満点)。

抑揚が少なめなので少し退屈に感じる人もいるでしょうから少し低めの点にしていますが、2点や4点超をつける人がいても驚きませんし、合う合わないは分かれると思います。
特に後半はとても良くて個人的には気に入ったのでもう少し高い点をつけたい気持ちはありますが、客観的に見ればせいぜいこのくらいかな、という点です。

多くの人にお勧めできるアニメではありませんが、少し独特なアニメであり、見る価値はある良作です。記録には残らないでしょうけれど、記憶には残るアニメです。

後はざっくりとした感想を。


○ 1話。魔法使いの ほうき の代わりに車のシャフト(富士重工業とGAINAXが協力なので、当然、スバル車。)、光を発して動き、音は車のエンジン音(当然、スバル車の音。)。なんかシュール。


2011年2月1日にYouTubeで公開されたものは2015年になって見ましたが(BDが2015年4月に発売。)、2011年1月から放送の「魔法少女まどか☆マギカ」の影響を受けているのかいないのか、物語としては影響はほとんど受けていなさそうですが、キャラの外見としては受けているとも言えるし(キャラの性格は異なる。)、ありふれた外見なので時期的には偶然の一致とも取れるし、分からないところ。

プレアデス星人(会長)(cv藤田咲)の宇宙船のエンジンが分裂してカケラとなってアチコチに散ったので(結局は13個に分裂したと判明。)、流れ星や宇宙のアチコチに現れるカケラを集めてエンジンを直して宇宙船を動かすために最初は あおい(cv大橋歩夕)、いつき(cv立野香菜子)、ひかる(牧野由依)、ななこ(cv藤田咲)の4人、次に すばる(cv高森奈津美)が加わって。
謎の先輩の みなと(cv桑島法子)は すばる と親しくなっていき、謎の角(つの)マント(cv桑島法子)はカケラを集めていて対立していると。

カケラを探してもらうために会長が呼んだのは1人のはずが、別の運命線から5人も来てしまったとか。

何者でもなく「未完成な」5人が、経験と友達とのやり取りと内省を経て「わたしよわたしになれ」となるまでを描いています。「さあ帰ろう 巡り逢うために また、いつか・・・」と、別れがあるから出会いがあることを描いているのも、大事な点ですね。


なお、藤田さんが ななこ、会長、会長のプレアデス語の同時通訳で声を変えていて、楽しいです。


○ 2話。すばる と あおい は元の世界でも友達だったのに、互いに相手が離れていったと誤解していて、それも解消。友情が主で、謎解きが少し。


○ 3話。5人とも何かが足りないと言う会長。

突然の水着回。カケラが海に落ちたので、それを取りに行くため。そしたら、突然の宇宙回。水着のまま宇宙へ。これぞ、魔法の力。しかも、真空なのに音が聞こえるとか。

何者でもないから何者にでもなれる、不完全な5人だから協力すれば完全に近い1人(角マント)よりも強いし、不完全だからこそ協力しなければならないし協力できるということでもあります。

宇宙で水着の図。



○ 4話。カケラが見つかったので、あっという間に月へ。

本も音楽も最後まで見聞きしない ひかる。途中までで先が分かるからということですが、それは逃げなんですよねえ。解決しましたが。


○ 5話。今度は、あっという間に土星へ。

いつき回。ひたいに幼少時に木から落ちて小さな傷があるので前髪を垂らして隠しているとか、その怪我で兄が怒られたから、皆に迷惑ばかりかけていると思う いつき。これも逃げなんですよねえ。思春期ですね。
それが友情により解消するとか。

土星の輪は意外と薄いとか、意外と小さい氷の集まりだとか(ほとんどが人より小さい。)。土星の輪に見えるプロペラのような形だとか、国立天文台により科学考証はきちんとされています。

いつも蝶が周りにいる みなと ですが、今回はたくさん。ミナティングと呼ばれるポーズ(笑)。



○ 6話。角マントが みなと ではなさそうだと見せておいて・・・


○ 7話。太陽へ。太陽の炎であるプロミネンスを前に熱いからよける皆でしたが、いや、プロミネンスがないところでもそれだけ近ければ十二分に熱いでしょうに。
魔法の力、恐るべし!

学校のシーンで、みなと らしき男子を見つけ、彼は すばる を知らないそぶりですが、すばる はそうは思っていないと。疑いもなく話しかける すばる に、自ら みなと だと認めると。

積極的な すばる は、まさに肉食系。

すばる が みなと に肉食系でもあり、声優のラジオやトークを聞いていると高森さんが桑島さんに肉食系でもあり、肉食系トークは楽しいです。


○ 8話。ななこ回。なんと、もう、太陽系の外れ、カイパーベルトの外側のオールトの雲のあたり(0.25光年先)まで行って、新惑星(5人がいる間に恒星に変化した。)を発見してしまいました。

光速の99.999%の速度で向かえば、地球では3か月だけど移動している ななこ には半日だと。そこは相対性理論に基づきますが、他の話も含めて科学的な検証をしっかりとしている割には、カケラを確保して地球に戻るのはワープでもしたかのように一瞬だというのは、、、フィクションですからね。

地球で実際に過ぎた3か月後か、ななこ時間である半日後のどちらにでも地球に戻ることができたけれど、半日後を強く願った者がいたから半日後の地球に戻ってきたというのは少し苦笑でしたけれど、意志あるところに道は開ける、可能性はゼロでない限りいくらでもあるというのはこのアニメのテーマでもありますから、とやかく言うべきではないでしょう。シュレディンガーの猫の理屈と同じ話を会長が何回かしていましたし。

半日後に戻ることを強く願ったのが誰かは明示されませんでしたが、ななこ でしょう。1人でカケラを探しに行くことにためらいはなかったですし、移動中も1人で平気でしたし、守られないと分かっていたけれど守られると期待していた約束が守られずとてもガッカリした幼少時も思い出しながら(親が離婚し、母と弟が出て行った。直ぐに会えると言っていたが、以後会っていない。室内にあった手紙からして、定期的に手紙は来ている様子。)、仲間の大切さ、仲間が大切になっていることに思いをはせた ななこ でしたし、その日が ななこ の13歳の誕生日でしたから。

ななこ が歌う曲を背景に、何があるというわけではないですが、ジワリとくる物語でした。


さて、ななこ はドライブシャフトに最初から立っていますが、他の4人は座っています。8話を経て座るのかどうかと思いましたが、最終話まで立ったままでした(8話で5人そろってからの非常事態で、一時的に一度座っただけのはず。)。

友達というのは迎合や相手に合わせるばかりではなく、互いの違いを認め合って、互いの違いを尊重し合って、ということなのだと言いたいのでしょう。「わたしよ わたしになれ!」です。



○ 9話。なんと、すばる が みなと と一緒にプレアデス星団、つまり、すばる まで行ってしまいました。実際に行ったというより、意識が行ったという感じ。2人でデートですね。

400数十光年ですから、宇宙レベルでは直ぐ近くですけれど・・・・・

引いた画面と光によってよく見えませんでしたが、最後は口づけをしたのでしょう。
雰囲気も良い感じで、台詞も押し付けがましくなく、自然に口づけしてしまいましたね。
みなと の言葉からしてここでの記憶はなくなったと思っていたら・・・・・魔法使いだから、すばる は覚えていたと後で分かりますが。

みなと は すばる と出会った子供の時から病床のようで。
自分の記憶が本当だと分かって嬉し涙の みなと。

でも、みなと は すばる達が集めたカケラを見つけて悪い顔に。角マントはやはり みなと だったか。


○ 10話。子供の時、みなと が見たときの会長でもあるエルナト(cv堀江由衣)がエンジンのカケラを探していて、エルナトが見えた みなと も魔法使いになって一緒に探すと。自分がカケラで役に立たないものと思っている みなと の孤独を思うと、9話で自分の子供の時の すばる との記憶が本当だったと分かって涙した みなと の気持ちもより分かりやすいです。

そんな みなと は自分の不幸を呪って新しい世界に行こうとカケラを集めているとのこと。

でも、みなと はカケラに刺されてどうにかなり、すばる が全てのカケラを取り戻して皆のところに戻ってきました。喜ぶ皆と、元気のない すばる との対比がいい感じでした。


○ 11話。魔法を失った すばる、なんにもないから魔法少女になれたのに、何者かになってしまったからだと会長。
でも、何も変われていないと落ち込む すばる。

最後のカケラが現れて追いかけるものの、いつの間にかワープできるようになっていたのにまるで近づけないのは、誰かがカケラを見つけたくないと思っているから、今のままが良いと思っているからだろうと会長。

それを否定する4人、すばる も みなと が本当にいたことに確信が持てて新たな魔法の力を手に入れて変身時の衣装が黒に変わり、4人と会長に追いつき、さあ、5人がそろいました。


○ 最終12話。でも、5人では足りず、角マントを すばる が説得して協力してもらうことに。


もう今のままがいいとは思っていない皆。カケラ集めに成功。

さて、地球に生命が誕生する前、「全ての可能性の源」、何者でもない地球に皆が集まり、そこからそれぞれがそれぞれの人生を歩むために戻って行きました。

7月25日の一挙上映&キャストトークショーで立野さんが、みなと を助けて希望の物語にして欲しい旨、監督に強くお願いしたと言っていましたが、みなと も良い方向に向かっていそうな感じ。


語り過ぎない、派手ではない、でもそれぞれの思いが雄弁に描かれ、ジワリとくるシーン。
さあ帰ろう 巡り逢うために また、いつか・・・


○ おまけ。




【shin】
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