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「めくらやなぎと眠る女」感想

【ネタバレ】

◎「めくらやなぎと眠る女」

 2024年7月26日(金)公開(2022年製作、フランス、ルクセンブルク、カナダ、オランダ)、監督と脚本はピエール・フォルデス、原作は村上春樹、109分。

 総合評価は、上中下で中くらい。

 日本語版で見ました。監督の要望で、キャラとなるべく年齢が近い俳優を起用したとのこと。
 小村(平凡な銀行員)(cv磯村勇斗)、キョウコ(小村の妻。大地震のニュースを5日間見つづけた後に小村を捨てて家を出る)(cv玄理)、片桐(小村の同僚の冴えない銀行員)(cv塚本晋也)、かえるくん(片桐の家に現れた2メートルのかえる)(cv古舘寛治)、シマオ(ケイコの友人)(cv木竜麻生)、少女(小村の隣人)(cv川島鈴遥)、ジュンペイ(小村の甥)(cv梅谷祐成)、佐々木(小村と片桐の同僚)(cv岩瀬亮)、ケイコ(佐々木の妹で北海道にいる)(cv内田慈)、鈴木(小村と片桐の上司)(cv戸井勝海)、ケン(キョウコの友人)(cv平田満)、オーナー(キョウコの元バイト先のオーナー)(cv柄本明)など。




○村上春樹さんの「かえるくん、東京を救う」「バースデイ・ガール」「かいつぶり」「ねじまき鳥と火曜日の女たち」「UFOが釧路に降りる」「めくらやなぎと、眠る女」という6つの短編を上手く繋げつつ、東日本大震災を契機に小村、キョウコ、片桐に起きたアレコレで、3人が自分らしさを見つけるまでの物語でした。原作は読んでいないので、どこがどう繋がっているのかは分かりません。

かえるくんが現実なのか、片桐の妄想なのか、判断が付きかねました。映画内では、かえるくんは、片桐以外には見えないようにもできるし、他人に見えるようにもできるとのこと。が、パンフによると、かえるくんは片桐のアルターエゴ(別人格)とのことです。
 片桐が勤める銀行がお金を貸したのに返してくれない会社にかえるくんが土日に交渉に行くと月曜朝にお金を返すと代理人の弁護士が念書を片桐のところに持参して来ただけではなく、もう二度とかえるくんを寄越さないでと念押しされました。片桐に記憶がないだけで片桐が相手の会社に行って何かをしたのなら、かえるくんの話は出てきませんし。片桐がかえるくんと名乗って相手の会社に押しかけ、会社の人は片桐の顔を知らないからかえるくんと名乗る片桐をかえるくんと思ったし(電話では話しているので、声は概ね分かるはず。)、その場に弁護士はいなかったから銀行で片桐に会ってもかえるくんと同じ人と思わなかったといったところでしょうか。

 上司から金の取り立てが遅いと怒られていた冴えない片桐が、急に取り立てに成功したのでリストラを免れたところは現実のようです。

小村が同僚の佐々木から北海道にいる妹のケイコに渡してと頼まれた小箱の中身は何だったのか
 小村を陥れるための犯罪に関わるものかもとは思ったのですが、そうではありませんでした。小箱を受け取ったケイコは軽く振って微笑んだりも。何かの音がしたようには聞こえませんでしたが、実は音が出ていたのかも知れませんし、カラなのかも知れませんし。
 ケイコが小村に用意したホテルがラブホテルで、ケイコの女友達のシマオとともに部屋に入って、シマオが小村を誘惑してきて、それに乗ってHしようとした小村。それも罠かもとは思いましたが(家を出て行った妻のキョウコが、離婚を有利にするために小村の浮気の証拠を得るため。)、そんなことはなさそうでした。

 小箱は、妻が出て行った上に(空気の塊と暮らしているようだったと小村に書置きを残した妻)、リストラ対象になった、空っぽの小村そのもの、といったところですかね。

○公式HPから。
 「村上春樹原作初のアニメ映画。実写撮影をベースにした独自の技法と緻密な音響設計によって、村上作品のミステリアスかつ生々しいリアリティを見事に映像化した作品」

 「2011年、東日本大震災直後の東京。置き手紙をのこして突如家を出たキョウコ、妻キョウコの突然の失踪に呆然としながら北海道へ向かうことになる小村、そして巨大な“かえるくん”と迫りくる大地震から東京を救おうとする片桐。めくらやなぎや巨大なミミズ、どこまでも続く暗い廊下といった村上春樹ならではのモチーフが、アニメだからこそ表現なしえたマジックリアリズム的な世界観で再現され、人生に行き詰った3人が遠い記憶や夢をさまよいながら自身と向き合い、ゆるやかに解放されてゆく物語が描かれる。」

 「2011年、東日本大震災直後の東京。刻々と被害を伝えるテレビのニュースを見続けたキョウコは、置き手紙をのこして小村の元から姿を消した。妻の突然の失踪に呆然とする小村は、図らずも中身の知れない小箱を同僚の妹に届けるために北海道へと向かうことになる。 同じ頃のある晩、小村の同僚の片桐が家に帰ると、そこには2メートルもの巨大な“かえるくん”が彼を待ち受けていた。かえるくんは迫りくる次の地震から東京を救うため、こともあろうに控えめで臆病な片桐に助けを求めるのだったーー。 めくらやなぎ、巨大なミミズ、謎の小箱、どこまでも続く暗い廊下ーー大地震の余波は遠い記憶や夢へと姿を変えて、小村とキョウコ、そして片桐の心に忍び込む。人生に行き詰まった彼らは本当の自分を取り戻すことができるのだろうか…。」


【shin】


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