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「劇場版モノノ怪 唐傘」感想

【ネタバレ】

◎「劇場版モノノ怪 唐傘」

 「ーー解き、放つ。」

 2024年7月26日(金)公開、監督は中村健治、89分。
 総合評価は、上中下で中くらい。

 「『モノノ怪』は、2006年にフジテレビの「ノイタミナ」枠にて異例の高視聴率を記録した『怪~ayakashi~』の一編「化猫」から派生し、2007年にテレビアニメシリーズとして放送されて以来、根強く愛され続けている作品である」(公式HPから。)とのことですが、たぶんTV版は見ていません。
 映画館で予告を見たときに、絵が面白かったので見ることにしました。

 薬売り(cv神谷浩史)、アサ(cv黒沢ともよ)、カメ(cv悠木碧)、北川(cv花澤香菜)、歌山(cv小山茉美)、大友ボタン(cv戸松遥)、時田フキ(cv日笠陽子)、淡島(cv甲斐田裕子)、麦谷(cvゆかな)、三郎丸(cv梶裕貴)、平基(cv福山潤)、坂下(cv細見大輔)、天子(cv入野自由)、溝呂木北斗(cv津田健次郎)など。






・2024年7月の東京メトロ新宿駅のところ。




○和紙を背景にした絵というのでしょうか、和紙に書いたような絵と言った方が分かりやすいかもしれませんが、それも含めた独特の絵が面白かったです。カラフルで賑やかな絵も面白かったです。ただ、そういう賑やかな画面ばかりで、しかもほとんどが大奥という建物の中なので、背景の変化に乏しく、つまりメリハリに乏しく、少し見飽きる感じもありました。

 声優の演技は良かったです。主役は薬売りですが、主としてアサとカメの物語なので、対照的な性格のアサとカメの出番が多め。黒沢さんと悠木さんの演技を堪能した、といったところです。

 物語は普通。中村監督によると「合成の誤謬(ごびゅう)」(Febri(2024年7月29日、Web)によると、「個人の視点では合理的な行動であっても、社会全体では同じ行動をしたときに必ずしも好ましい結果が得られるわけではない、個人の合理性と集団の合理性は合致しない、という経済用語」)がテーマとのことで、それは描かれていました。

○薬売りがモノノ怪をなかなか捕まえられず、何人かが殺されましたが、ずいぶんと手間取るのだなと思いました。何回か取り逃さないと、映画としての尺が稼げないからか、薬売りの見せ場を作りたかったのか。見せ場というほどバトルに変化や面白みがあるわけではないのは少し残念でしたが。あるいは、主人公が強すぎる深夜アニメの見過ぎかも知れません。

悠木碧さんと黒沢ともよさんの対談がネット記事で出ていて、互いに、いつもなら役が逆だと言っていました(「MANTANWEB」2024年7月28日)。
 2人がこれまで演じてきた役のイメージからすると(すべての出演作を見ている訳ではありませんが。)、このままの役でも十分ではと私は思いますが、2人の本来の性格からすると逆だと言うことなのかも知れません。2人の本来の性格までは、私はある程度はイメージしていますが、それは2人がそう見せたいという自分を見せているだけかも知れませんし、それも含めて私は知るよしもありません。そもそも、2人ともトップクラスの演技派ですから(少なくとも30代以下では。)、大抵の役は水準以上で演じられるでしょう。

○公式HPから。
「"ナニモノ"か、より生じた抑えられぬ"情念"が"アヤカシ"と交わると「モノノ怪」となる。モノノ怪がひき起こす"怪異"が人々に襲いかかる時、謎の男"薬売り"が忽然と姿を現す。
この世で唯一、モノノ怪を斬り祓うことができる"退魔の剣"を携え、荒れ狂うモノノ怪の前に一人立ちはだかる。(中略)
豪華絢爛な世界を絵巻物のように描き、細部まで緻密に、時に大胆に表現した美術や、CGと和紙テクスチャを組み合わせた斬新な手法、膨大なカット数と独自の色遣いにより生み出される唯一無二の映像美など、薬売りのミステリアスな魅力と相まって、"密度"の濃い世界観に圧倒される。
さらに、個を殺し集団に染まることを強いられる生き辛さ、という現代にも通じる普遍的なテーマ、人間の内面に渦巻く業と願いを描く物語が深い共感を呼ぶ。
誰の心にもモノノ怪の種が根づきかねない混沌としたこの時代に、切なくも強く魂を揺さぶる"救済"の物語が立ち上がる。
シリーズの生みの親である中村健治監督の元に集結した、豪華キャスト・スタッフによる完全新作の劇場映画が、新たなる伝説を刻む。」

「舞台はーー大奥 女たちの情念が渦巻く場所。
大奥とは、世を統べる"天子様"の世継ぎを産むために各地から美女・才女たちが集められた"女の園"であると同時に、重要な官僚機構でもある特別な場所。独自の掟が敷かれた"社会"でもあるこの異質な空間に、新人女中のアサ(黒沢ともよ)とカメ(悠木碧)が足を踏み入れる。
キャリアアップを図る才色兼備のアサ、憧れの大奥に居場所を求めるカメ。正反対の二人は初日から、大奥で信仰される"御水様"に「自分の大切なもの」を捧げるという、集団に染まるための"儀式"に参加させられる。そこで起きた出来事をきっかけに、二人の間には絆が生まれてゆく。
御年寄の歌山(小山茉美)は、大奥の繁栄と永続を第一に考え女中たちをまとめあげるが、無表情な顔の裏に何かを隠している。そんな中、少しずつ、彼女たちを覆っていく"何か"。夜ごと蓄積されていく女たちの情念、どこからともなく響いてくる唐傘がカラカラと回るような異音、取り憑かれたように理性を失っていく女中…。
ついに決定的な悲劇が起こり、薬売り(神谷浩史)はモノノ怪を追って大奥の中心まで進むが、モノノ怪を斬り祓うことができる退魔の剣は「形」「真」「理」の三様が揃わなければ、封印を解き抜くことが叶わない。薬売りが大奥に隠された恐ろしくも切ない真実に触れるとき、退魔と救済の儀が始まるーー。」


【shin】


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