【ネタバレ】
◎「彼女が好きなものは」
「分かり合えない2人が見つけた「好き」の形。」
「【ゲイ】と【腐女子】から「私」と「あなた」へ」
「【ゲイ】と【腐女子】から「私」と「あなた」へ」
「交わるはずのなかった2人の純粋でいびつな恋物語。」
2021年12月3日(金)公開、監督と脚本は草野翔吾、原作は浅原ナオト、PG12、121分。
総合評価点は、上中下で上の下くらい。
総合評価点は、上中下で上の下くらい。
神尾楓珠(高校生でゲイでゲイの恋人がいるが隠していて苦悩している安藤純の役)、山田杏奈(中学でBL好きとバレて友達がいなくなったので高校では隠している三浦紗絵)、前田旺志郎(純の幼馴染みで紗絵が好きだけど紗絵が純を好きと知って見守る高岡亮平)、三浦獠太(学校カーストのトップクラスで純と亮平とも友達である小野雄介)、今井翼(純の恋人で、ゲイだと隠していて妻子持ちの佐々木誠)など。
・PG12なのは、ゲイの性行為が少し描かれているのと、女性の下着姿(性行為に至る前まで。)があるからだと思います。
・なお、東宝系で公開だからか一般向けっぽくは作られていますが、内容としては単館系っぽさも大きく、もう少しどっちかに振った方が作品の出来としては良くなった気もします。私としては、もう少し文学的にして、単館系に振って欲しいですが、LGBTQについての啓発の意味もあるのでしょうから、これはこれで。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/a5/5a92dcf48c5be7c0804d012568f855fa.jpg?1640427759)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/d9/06c4aa412efcba9c3d2236665a2b164a.jpg?1640427760)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/00/a4/d8c71735ab79f95757318f0898236261.jpg?1640427760)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/36/6c/2a00cbd13bb6f8df12809f4619f3cfa5.jpg?1640427760)
2024年1月に以下の写真1枚を追加。TOHOシネマズ新宿にて。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/65/d5/3506bee125fc586021317a187c1a648a.jpg?1706363226)
○公式HP(以下に抜粋。)に山田杏奈さんの評が載っていますが、そんな感じで、良いです。山田さん出演作を見たのは2作目ですが、当面、山田さんメインでの出演作は見ます。
公式HPから。
「【ゲイ】であることを隠している僕
【BL好き】を隠している彼女
交わるはずのなかった二人の出会い、告白、そして―。
⾼校⽣の安藤純(神尾楓珠)は⾃分がゲイであることを隠している。ある日、書店でクラスメイトの三浦紗枝(山田杏奈)が、男性同⼠の恋愛をテーマとした、いわゆるBLマンガを購⼊しているところに遭遇。BL好きを隠している紗枝から「誰にも⾔わないで」と口止めされ、そこから2人は急接近。しばらしくて、純は紗枝から告白される。
「⾃分も“ふつう”に⼥性と付き合い、“ふつう”の人生を歩めるのではないか?」。一縷の望みをかけ、純は紗枝の告⽩を受け⼊れ、付き合うことになったのだが・・・。」
「【ゲイ】であることを隠している僕
【BL好き】を隠している彼女
交わるはずのなかった二人の出会い、告白、そして―。
⾼校⽣の安藤純(神尾楓珠)は⾃分がゲイであることを隠している。ある日、書店でクラスメイトの三浦紗枝(山田杏奈)が、男性同⼠の恋愛をテーマとした、いわゆるBLマンガを購⼊しているところに遭遇。BL好きを隠している紗枝から「誰にも⾔わないで」と口止めされ、そこから2人は急接近。しばらしくて、純は紗枝から告白される。
「⾃分も“ふつう”に⼥性と付き合い、“ふつう”の人生を歩めるのではないか?」。一縷の望みをかけ、純は紗枝の告⽩を受け⼊れ、付き合うことになったのだが・・・。」
「セクシュアルマイノリティの男子高校生と、BLをファンタジーとして享受していた女子高生が、生身の相手を通して自分や世間の壁に向き合うこの青春小説は、当事者の苦悩や生きづらさ、世の中の無知と誤解が引き起こす暴力、誰の心にも潜む無意識の偏見をひとつひとつ紐解いてみせる。それらと闘い、傷を負いながら自らの生き方を切り開いていく若者たちの物語が、このたび次世代期待のキャストで映画化。原作の問いかけを受けとめて一つのアンサーを見出した。」
「葛藤する主人公・純を演じたのは神尾楓珠。(中略)圧倒的なビジュアルに裏打ちされた存在感で、激しくせめぎ合う十代の繊細な心を力強く体現し、生きた魂を刻みつけた。」
「BLの世界に傾倒しながらも、恋人がゲイであったという現実を受けとめきれず、戸惑う紗枝を演じたのは山田杏奈。(中略)主演作の相次ぐ新鋭が、未知の世界を知って新しい扉を開ける恐れを思春期の輝きに変え、本領を発揮している。」
○原作小説は「彼女が好きなものはホモであって僕ではない」(2018年)ですが、映画の内容は「彼女が好きなものは僕であってホモではない」であって純のモノローグでの台詞としても出てきます。それ以上に、ゲイであることに苦悩する純や誠の苦悩、家族や子供は欲しいと思っている純の苦悩、ゲイとバレたら周囲の人や世間から冷たい目で見られることの恐怖や不安、異性愛者による異性愛者にとっては何気ない言葉が同性愛者を傷つけていること、がどちらかというとメインです。
○ゲイと聞かされてからも好きという気持ちは変わらず(揺らぎはしますが。)、交際を続けたいと思う紗絵ですが、純が親戚がいる大阪の高校に転校するということを直接のキッカケとして、別れを切り出す紗絵(今は東京の高校に通っている。)。
自分に振り向いてくれないと思ったからなのかどうか。入賞した絵のタイトルは「初恋」で、男子高校生の背中が描かれていて、純のことと思われます。その後の言動からもまだ純を好きなことは間違いないですから、振り向いてくれないから別れたと考えるのが妥当です。
ただ、ゲイと知る前に初めてHをしようとしたとき、純が誠を思い出して勃起していたものが萎えてしまいましたが、最後まで出来ていたらどうでしょう。純からすれば、女性と結婚して子供が生まれて、という未来が現実味を持って想像できることになるので、交際を続けたいと言ったかも知れないと少しだけ思いました。紗絵からすれば、それでも自分を愛してくれているわけではないので、別れたとは思いますが、転校しなければ、もしかしたら愛してくれるかも、と思っていたかも知れません。少なくとも紗絵を大切にはしてくれますから、身近にいる間は別れられなかったかも。
○純が、ゲイであることについてSNSでやりとりしている男性が既に死んだ人だったというのは・・・。リアリティのある題材を比較的リアルに描いているところにあり得ないファンタジーを持ち込むと題材が嘘っぽく見えてしまいます。
○LGBTQに無知や無意識の偏見がある雄介、純が紗絵にゲイであることを告白したところを盗み聞きしていた雄介が、亮平に、ゲイであることをおまえは知っていたんだろう、と怒って他の生徒の前で大声で言ったところ、雄介の言動はダメです。なお、亮平は知らなかったと思います。雄介は亮平にも言わないというのがベストですが、仮にそこは譲ったとしても皆に聞こえるように言うのはダメな言動です。亮平が紗絵を好きだと雄介が純に教えたのに、紗絵を好きではないのに純が紗絵の告白をOKしたことに腹を立てていると雄介は言っていますし、それ自体は尤もなことですが、皆の前で言うのはダメです。
更に、教室で体育のために着替えるときに、そういう目で見ていたんだろう、出て行け、と雄介が純に言ったこともダメです。それで窓から飛び降りて大怪我して入院です(2階と思われますし、下に藤棚みたいなものがあって木のツタがクッションになっていました。自分の教室なので2階ということは分かっていますから、本気で死ぬつもりだったのかはよく分かりませんが、死んでもいいとは思っていたことでしょう。)。
雄介はどちらかというといい奴なので、反省もしていますけれど。多くの異性愛者にはLGBTQへの理解がないことの一例として描かれたのでしょう。それは、少し異質なものごとへの理解と理解する努力がたりないということでもあります。
○それをキッカケに全クラスでLGBTQについて話し合い、紗絵と雄介と亮平のクラスでは、皆がLGBTQが身近にいてもかまわないという意味のことを言いますが、紗絵と雄介は級友が人ごとみたいに言っていると感じました。(そもそも、皆の前で意見を言うとなれば、変なことは言えないだろうと思ってそれらしい答えを言うのは当たり前のことです。特に未成年ならなおさらです。)
○雄介は申し訳なくてお見舞いには行けていないようでしたが、紗絵と亮平はお見舞いに。
いつもの感じで接しようとしているとはいえ微妙なやりにくさのある2人を純がどう感じたのかというのは、純は感情をあまり表情に出さないのでどちらとも取れるのですが、その後も諸々の付き合いは雄介も含めて続いているので、好意的に受け取ったのだと思います。
【shin】