2015年冬に終わったアニメの感想をボチボチ書いていきます。今回はいつにも増してゆっくり、5月中に書き終わらないかもしれない、という感じです。
◎ まずは2015年冬アニメ総論。
数値で評価すると数値が一人歩きするので避けていたのですが、ちょっと試しにやってみます。
5段階評価です。5がとても良い、4が良い、3が普通、2があまり良くない、1が良くない。仮に、0を付けるとしたらダメという評価で、6を付けるとしたら別格といった評価です。
6をつけるようなアニメって何があるだろう?。「魔法少女まどか☆マギカ」シリーズ、「ルパン三世」1stテレビ版、「最終兵器彼女」、「銀河鉄道999」シリーズ、「ひだまりスケッチ」シリーズ、「WORKING!!」シリーズくらいかなあ。
他の有名アニメでいうと、「新世紀エヴァンゲリオン」(TV版)は2、「境界の彼方」は3.5から4、「のんのんびより」は5、物語シリーズは全体としては5、「キルラキル」は5、「氷菓」は5、「ソードアート・オンライン」シリーズは2.5。
ほとんどが2.5から3.5の3程度になるだろうとは思います。
○ 今冬は全体としてかなり良かったです。ただ、良かったものには2期ものや秋からのものが多かったので、それでいいのか、とは思いました。
今冬からのアニメでは「ユリ熊嵐」と「冴えない彼女(ヒロイン)の育てかた」、継続や2期ものでは「東京喰種トーキョーグール√A」、「デュラララ!!×2 承」、「アルドノア・ゼロ」、「SHIROBAKO」、「寄生獣 セイの格率」、「四月は君の嘘」が印象的でしたし良かったです。「暗殺教室」は教育論にならなければなかなか楽しいコメディですが、春に続くので感想はその時に。特に、「冴えない彼女(ヒロイン)の育てかた」は今冬で一番です。
「艦隊これくしょん -艦これ-」は、1話の先行上映を見たときはもっとバトルがあるのかと思っていたのですが、日常系ばかりで、それも普通で、さらに赤城も沈まずにシリアス系にもならずに中途半端で、全体としては今一つだったのは残念でした。日常系中心なら、敵をシリアスに描く必要は無かったのでは。
「神様はじめました◎」は相変わらずで安心して楽しめたというか三森すずこ さんの声が可愛かったですし、「美男高校地球防衛部LOVE!」のおバカさと「少年ハリウッド-HOLLY STAGE FOR 50-」の淡々とした描き方で気持ちの動きを示せるところは良かったですし。
なお、「聖剣使いの禁呪詠唱(ワールドブレイク)」はシュール過ぎなので他人にはお勧めはしませんが数話で慣れ、慣れてからはシュール過ぎるゆえに目がテンになり過ぎて、逆に抱腹絶倒でした。
まずは2014年秋から2015年冬の超ダークホース「SHIROBAKO」から。
◎「SHIROBAKO」(しろばこ)(全24話)
「アニメーション業界の今が、ここにある。」
総合評価4.8。
制作進行や制作デスクの宮森あおい(みゃーもり)(cv木村珠莉)、アニメーターの安原絵麻(cv佳村はるか)、声優を目指す坂木しずか(ずかちゃん)(cv千菅春香)、3Dクリエイターの藤堂美沙(cv髙野麻美)の高校の同級生、同じ高校の2学年下でアニメ脚本家を目指す今井みどり(cv大和田仁美)の高校のアニメ同好会の5人など。
コピーが面白みに欠けますが、内容は面白かったです。新人の宮森が優秀すぎて少し興ざめなところを除けば、アニメ界のイロイロが覗けて、楽しいところも大変なところも覗けて、5人の成長も覗けて、それが興味を持続させるように上手く描かれていて、とても良かったです。
さて、「妄想代理人」(2004年、今敏 監督、全13話。2015年冬に再放送で見ました。)と同じところが。共に吉野裕行さんができの悪い制作進行担当の役で迷惑をかけているところ。宮森の心の声や迷いのほか、状況説明を2体のぬいぐるみみたいなのがしているところ(これにより、シロバコに変化が出て飽きないようになっていた。)。「妄想代理人」は中々奥深くて良かったです。
○ 1話、公道で他のアニメ会社の車とドリフトして競り合ったり、坂の頂点では跳ねたり、でもメーターは60キロだと示しています。滑りやすいタイヤなら60キロでもドリフトできるでしょうけれど(その代り、雨の日は危険。)、その程度のスピードで跳ねる坂だとしても、跳ねるような制限速度にするわけがないので、そこでの制限速度は60キロを大きく下回っているはず。と、ヤボなことを思いました。
○ 2話、木下監督(cv檜山修之)が何かが違うと言い出して、時間がないという異論の中、キャラ設定を議論していくと変えた方が良いとなり。たたでさえ時間が押していて大変なのが更に大変になるけれども良いアニメを作るために修正をOKする作画監督の小笠原綸子(cv茅野愛衣)だとか、良いアニメを作ろうという気概には頭が下がります。現実ではそんな上手くいくことばかりではなく、監督の我儘で悪くなることもあるのでしょうけれど。
木下監督の「ぷるんぷるん天国」の作画崩壊のように。
アニメ会社が低賃金で長時間労働でいつも締め切りに追われていて大変だという話は時々聞きますし。
制作進行のタロー(cv吉野裕行)がダメダメで無責任で人間関係をややこしくして仕事を遅らせていますが、そんなタローでもクビにならないほどに人手不足の業界ということなのでしょうか?。
好きだからやっている、好きだから薄給でもやっている、としか思えず、そういう人はそれはそれで素晴らしいことですが、それだと長続きしないでしょう。
尤も、20話では、好きだからという人は少なかったので、ますます長続きしないでしょうね。
以前から言われていたことですが、このままではアニメ業界は長続きしませんね。
ブルーレイは年にTVアニメ1~2作品+映画1~2作品しか買いませんが、増やせと言われてもなあ・・・・・
武蔵野アニメーション(ムサニ)制作のアニメ「えくそだすっ!」も終わった12話で終わるのかと思ったら、もう1クール。
○ 13話からは新しいアニメ制作の物語。
14話。オーディション後の選考会。人気声優を起用してブルーレイ売上げ重視の人、歌が歌える声優を起用しCD等を売ること重視する音楽会社の人、イベントで見栄えするし自分の好みということでグラビアアイドルなどの見かけ重視の人、監督らアニメ制作会社関係者は声が合うかどうかを重視。
原作者の担当編集のチャラい茶沢信輔(cv福島潤)は、原作者は忙しいとして合わせてもらえないですが、多分きちんと連絡を取っていないだけのいい加減な人である様子(後に、きちんと連絡を取っていないことが判明。)。
多分このアニメは、時々か、タマにか、マレにかは別として、実際にあることをエンターテイメントとして誇張しつつ描いているのだろうと推測しますが、それにしてもアニメ制作会社関係以外を悪く描き過ぎ。
結果としてアニメ制作会社(ここではムサニ。)を美化しているわけですが、ただ、ここであのタローが生きてくるわけです。
ムサニにいい加減なタローがいることにより、どっちもどっちという気にもなり、プロデューサーら3人の存在の信憑性(しんぴょうせい)が増すというわけです。
1クール目はタローと木下監督のいい加減さを描いてアニメ制作者側の問題を描き、2クール目は周辺の問題を描いたということになります。
○ 「第三飛行少女隊」の原作者の野亀武蔵(cv櫻井孝宏)からキャラにクレームが(15話)。16話、担当編集の茶沢信輔がきちんと話をしておかなかったから、かなり進んだ段階でこんなことになってやり直しになったわけですが、これもムサニ関係者以外が悪いという物語。そこもタローのいい加減さが時々挟まるので、ムサニがそれほどは美化されないものの、それでも少し美化し過ぎかなとは思いました。
何度もダメだししてくる原作者の野亀、キャラデザインの井口祐未(cv沼倉愛美)が疲弊しているのを見かねた小笠原が木下監督と渡辺プロデューサー(ナベP)(cv松風雅也)にサポートするように怒っていましたが、小笠原が若いころに同じように苦労したのに小笠原が1か月くらい何も手を打たなかったのは何故なのでしょう?。
小笠原がゴスロリ衣装になったのはそのときで、自分を守るための鎧であり武装であって、そのとき描いていたキャラに合わせたというのは何なのだか。ゴスロリが好きだからではないということは何なのだか。今は好きなのか武装でしかないのかどうかも分かりませんでしたし。
現実世界で普通の人が普通に着る服や化粧にも多かれ少なかれ武装という要素はありますが、普段着のときは武装は従たる要素でしかないのですけれど。おしゃれ着のときでも、自分をよく見せるためという武装ですが、開かれた武装であり、小笠原のように鎧という閉じた武装ではないです。
まだまだ肩ひじ張って虚勢を張らないと仕事をしていけない/生きていけない、小笠原の窮屈さやクールで落ち着いた見かけによらず一杯一杯なところを表しているのでしょう。
と思えば、「第三飛行少女隊」のキャラデザインを頼まれたのに、12話でベテランの杉江茂(cv小柳基)を手伝ったことで自分の課題が見えてきたとして断った理由も分かりやすいです。
○ 小笠原のオアシスであるバッティングセンターでの気分転換も少しあって、良いキャラデザインが出来て原作者がOK。1か月遅れ。
ところで、小笠原という名前で左利きにしたのは、プロ野球選手の小笠原道大さんのバッティングフォームのマネをさせたかったからだけ?。ゴスロリ小笠原、凄過ぎ・・・
○ 20話。何のためにアニメを作っているのか、宮森がいろんな人に聞いていろんな人が言っていましたが、これまでの流れからして、アニメが好きだから、という人が多いのかと思っていたら、何となく、という趣旨の回答が多かったです。
つまり、仕事だから、ということなのでしょう。ムサニのほとんどの人は仕事だからきちんとやろうと頑張るけれど、それ以外の多くの人は仕事だけど結構いい加減な人が多いということになります。
現実のアニメ制作関係者にどう思っている人が多いのかは知りませんが、アニメが好きだから、という人を多数派にして視聴者に夢と希望を持たせてくれても良かったのにこう描いたということは、現実もそうなのでしょう。
21話。最初はやる気満々だったのに平岡(cv小林裕介)のようにやる気のない者も多いようで、忙しいし給料安いし各スタッフがきちんと動かないしでは、それも仕方ないのでしょうけれど(平岡は、トラブルを起こしたものの、最後には人並みにやる気を出して頑張るようになった。)。
○ 23話。しずか、オーディションで木下監督が気にしていたので、いつかは「第三飛行少女隊」に出るとは思っていましたが、ここまで焦らして重要なルーシー役できました。
アフレコ現場で知った宮森も大粒の涙。
感慨深いです。一番苦しんでいる様子に描かれていましたし。
21話で しずか がバイトする店に宮森やアニメ制作会社の人が飲みに来たときに声優志望だと伝えようとした宮森を止めた しずか というのは、自信のなさの現れ、オーディションで落ちてばかりでマイナス思考になっていたのでしょう。
宮森の世話になりたくないとは思っていないでしょうから(そんな仲ではないと推測。)、宮森に話をしてもらっても実力や合う役という運が伴わないと役はつかめませんから、却って迷惑をかけると思ったのでしょう。
そんなことも思いながら、感慨深かったです。
【shin】
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