【ネタバレ】
◎劇場版「ルパン三世 THE FIRST」
「さぁ、はじめようぜ。」
「すべてを盗め。」
2019年12月6日(金)公開、山崎貴監督・脚本、モンキー・パンチ原作、93分。
ルパン三世(cv栗田貫一)、次元大介(cv小林清志)、石川五ェ門(cv浪川大輔)、峰不二子(cv沢城みゆき)、銭形幸一警部(cv山寺宏一)、レティシア(cv広瀬すず)、ランベール(cv吉田鋼太郎)、ゲラルト(cv藤原竜也)など。
○良くも悪くも、ルパン三世に有りがちなカリオストロの城リスペクトな作品で、これはこれで楽しいです。3DCGが今一つなので、総合評価は中の上くらい(上中下で。)。
(カリオストロの城リスペクトとは書きましたが、10代女子がヒロインとして出てきて、ルパン三世に好感を持つ物語となると、またカリオストロの城かよ、と反射的に思ってしまいます(笑)。)
ただ、ギャグ顔があまりギャグ顔になっていないので、不思議な気分です。実写なら、十分にギャグ顔として認識しますが、アニメなので、不十分すぎるギャグ顔です。3DCGの出来はまだまだ不満です。(実写の劇場版では「ルパン三世 念力珍作戦」(1974年)はDVDで見ていますが、「ルパン三世」(2014年)は見ていません。念力珍作戦は、あれはあれで楽しいです。)
○山崎監督のネットで見たインタビューでは、海外では2Dはあまり売れないので、日本も3DCGをもっと作るべきだという意味のことを言っていましたが、それはそれでもっと質の高い3DCGを目指して頑張ってください(顔などをリアルに寄せれば寄せるほど、不自然な動き、不自然な表情といった不気味さが目立つので、それらがないものを目指して。)。
ギャグ顔も多いルパンには3DCGは今一つ、ちょっと不気味です。
アナ雪2も3DCGですが、PVを見る限りではちょっと不気味ですが、ギャグ顔と言うほどではないので慣れれば大丈夫かもしれない、くらいには思えます。
但し、そもそも慣れるのかという大問題はあります。
なお、アナ雪2は、比較的リアル寄りなのに、いかにも2次元的に目が大きすぎるところは少し不気味です。
○ミニブラックホールを作り出す古代文明が残した装置というのは、たぶん、宇宙人が地球に来て置いて帰ったか、宇宙人が地球の環境になじめず滅んだという設定なのでしょう。地球人が作ったけれど、その地球人が滅んで技術も失われたと考えるのは、他のアニメも含めて不自然に過ぎます(そういう高度な技術は多くの知見があってこそできるものなので、周辺の高度な技術すら現代に残っていないのは不自然。宇宙人が地球外から持ってきたものなら、地球上ではごく一部の宇宙人だけしか把握していないから文明の崩壊とともに技術も消えたと考える可能性は成り立ちうる。)。
何でもアリのルパン三世シリーズはやはり何でもアリだったということですね。
◎TVスペシャル「ルパン三世 プリズン・オブ・ザ・パスト」
2019年11月29日、TVスペシャル、辻初樹監督、西田シャトナー脚本、モンキー・パンチ原作。
出演はいつものメンバーのほかは、ロレンサ(cv桑島法子)、ベルテ/フィオ(cv三木眞一郎)、フィネガン(cv平田広明)、八咫烏五郎(cv島﨑信長)など。
こちらはギャグ顔も違和感なく、いつものルパン三世TVスペシャルでした。総合評価は上の下くらい(上中下で。)。
・なお、プリズンが壊れたときにかなりの数の職員などが死んだと思うのですが、それが明示されなかったのはいいとして、あれでほとんど死んでいないとかだったら興ざめです。
○さて、レティシアは大学入学前と思われることから18-19歳で戦闘はたいしたことないのに対し、ロレンサは20代と思われ、戦闘もなかなかの腕前。
レティシアはルパンに恋とまで言えるかは微妙なものの、それに近い感情を持つのに対し、ロレンサはフィオに恋していて、ルパンに恋することは無し。
ルパン三世シリーズでルパンに恋するのは10代女子が多いような。もう少し言うと、まだ精神的に自立していない、まだ自分で自分の身を守れない、まだ自分で責任をもって判断することに不安があるという感じの10代女子。
そんな10代女子はルパン三世との関わりを持つことで自立していくわけですが、それって、「銀河鉄道999」におけるメーテルと鉄郎みたいです。
今更ながら、言っておきたかっただけです。
【shin】