◎「のんのんびより」(全12話)
○ 1話。冒頭の、空、電柱、田んぼ、畑、橋、家、線路、人、小鳥のさえずり、自動車の音などを、ピアノと笛らしき音楽とともにゆっくりと見せるシーン、雰囲気良く、綺麗で良かったです(最終12話でも似たシーンあり。)。
引き込まれます。風景と音楽だけで見せる力があります。
このアニメは楽しめそうだと十分に思わせてくれるオープニングです。
また、いかにも田舎という風景だけでなく、生活感のあるものも描いたところは、単なる憧れ(都会人に時々いるような。)としての田舎だけではない現実の田舎の一端も示していて良い感じ。
結果としても期待通り。
ノスタルジーにひたれるという意味も含めて、良いアニメでした。
心が洗われると言うと大袈裟ですが、良いアニメでした。
4人が歌うエンディング曲「のんのん日和」も雰囲気に合っていますし。
○ キャラが可愛すぎず、特にお洒落でもなく、現実感があります。
一方、田舎の子供である宮内れんげ(小1)(cv小岩井ことり)、越谷夏海(中1)(cv佐倉綾音)、越谷小鞠(中2)(cv阿澄佳奈)の髪が、薄紫やオレンジっぽい薄茶や明るい茶色という現実にはあまりない色で、東京からの転校生の一条蛍(小5)(cv村川梨衣)の髪がやや紫っぽいけれど黒なのは、このアニメでの田舎がフィクションだと言いたいのかも知れません。
でもそうだとすると、田舎のイヤな部分があまり描かれてはいないですが、描かれていること自体は現実的なのに、その現実までもフィクションに描いているように思えてしまうのですが。なので、風景は現実的ですが、ここまで仲良しで性格の良いキャラというのは非現実的だということでしょうか。
単にキャラを区別するために髪の色を分けなければならない程には、キャラは似てはいないし人数も少ないですし。(生徒は、越谷姉妹の中3の兄との5人。分校なので少ない。)
○ 阿澄さん演じる背が低く童顔な小鞠の性格が種島ぽぷら(WORKING!!)に少し塙かおる(たまゆら)を足した感じ。ぽぷらっぽいのは、それはそれで楽しいです。どうせなら「ちっちゃくないよ!」と言ってほしかったですけれど、それはそれでアレなのでしょうけれど。
○ 3話。小鞠と夏海の姉妹が、夏海が母と喧嘩してまきぞえで小鞠と家出。
これまでは妹が姉のことを、私がいないとダメだと言っていたのに、家出から戻ると、姉が妹のことを、私がいないとダメだ、と逆転。そう言われてそう気付いた妹がハッとするとか、1歳差の中学生なのに、姉は姉なんですね、やっぱり。
○ 4話。終業式、夏休み。東京から祖父母のところに遊びに来た石川ほのか(小1)(cv高垣彩陽)。道で見かけて直ぐに友達になって毎日遊ぶ れんげ。
子供って、直ぐに友達になることってあるよなあ、と思いつつ、ほのか の両親はずっと祖父母宅にいて出かけないのかよ、子供を連れて遊びに行くか、せめてドライブをしろよ、とも思い。
見渡す範囲には観光などをする場所はなさそうですけれど、一山越えればそれなりのものは、、、やっぱり無いのかなあ(因みに、1話で同じことを言っていましたが、田舎は、信号もなければ道も空いているため、車なら1キロ1分(時速60キロ)の法定速度通りに走れるので気持ち良いです。)。
○ 5話。電車で海水浴へ。水着回ってことですが、小鞠だけが浜辺で脱がず。
小さいから迷子に間違われて保護されるとか、まるで ぽぷら。140センチ無い程度とサバを読んだと小鞠は言っていたので、135センチないのかも。
自宅に帰って風呂に入るとき、小5のときの水着を下に着ていたとは、母がこれで良いと言ったから着ていたとは、それを妹に見られて赤くなるとは。
ただ、話が進むに連れ、田舎のほのぼのアニメというより、萌アニメに少し寄ってきた気が。
蛍が小鞠に ゆり妄想するのが、段々増えていきましたし。
このアニメをどう持っていきたいのかにもよりますが、1話の雰囲気からして、ゆり が増えていくのはどうかと思いましたけれど。
飽きないようにそうしたのでしょうけれど・・・
○ 6話。蛍が小鞠のぬいぐるみを大量手作り。そこに遊びに来る3人。慌てて洋服タンスに隠すも、結局は扉が開いてバレ。夏休みの自由研究だと思ってもらえ、事なきを得ましたが、どこをどう勘違いしたら自由研究だと思うのやら・・・
肝試しでお化けの役なのに一番怖がる小鞠も含め、だいぶ萌に寄ってきてしまったなあ。それでも楽しいですけれど、少し残念。
○ 8話。小鞠が大人ぶるけれど世事に疎くて墓穴を掘ってばかり。音楽、ファッション、恋愛。
中2ですから大人ぶりたいということでしょうけれど、大人ぶりたいこと自体が子供の証明ですよね、正に。
雑談しながら、紅葉の中、お絵かきも楽しかったですし。
◎ 少し萌に寄ったということで、それはそれとして楽しみましたが、、、、、まあ、萌に寄るのは仕方ないのでしょうね。
1年間の四季折々の風景の中での子供達の楽しくほのぼのとした日常が素敵でした。
これを支えたのは、やはり、小岩井さん演じる れんげ。
「いくん」「のん」とかを語尾に付けたり、「にゃんぱす~」という意味不明の挨拶とか、声や話し方とか。
無邪気で人の良い子供。非現実的というほどではないですが、あまり現実的ではない子供。
ここがしっかりしているから、他のキャラが騒いでも萌になっても物語があまりブレないと。
ただ、カゲで れんげ を支えているのは、姉で教師の一穂(cv名塚佳織)。
ぐうたらな姉で教師ですが、淡々とした話し方により、れんげ と他のキャラとの間をつないでいます。
凄い得をしたアニメでした。
【shin】
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