<2014/9/23 AM5:25>

起きたら北海道でした。
五稜郭で二度目の機関車付け替えの最中でした。

交換予定の貨物列車が遅れたため、トワイライトエクスプレスもしばらく待機です。
《五稜郭 5:28発(10分遅れ)》
ちなみに、時刻表には載っていない五稜郭の発車時刻が掛けるのは、車内で買える「旅のしおり」(600円)に運転停車を含めた時刻表が載っているからです。

朝の函館を北に向かいます。

七飯からは藤城線と呼ばれる短絡線を通ります。中央に見えるコンクリート橋のは再来年開業する北海道新幹線の高架です。

トンネルを越えて大沼へ。朝靄のかかった幻想的な光景が広がっていました。

大沼を出てすぐ右手に駒ケ岳の姿が。さらに朝日も裾野から顔を出しています。

朝5時半でも、ロビーカーはこの景色を一目見ようと混雑。

しばらく列車の右手には駒ヶ岳の姿がありました。

もっとも近づいて見えるのは東山と姫川の間。鬼のごとき姿をした駒ヶ岳が圧倒します。

このあたりから列車はカーブを繰り返しながら標高を下げていきます。大きな山があるわけではないのですが、七飯~大沼~森は25パーミル勾配を抱える山岳路線です。このため、トワイライトエクスプレスののぼりは駒ヶ岳を東側から回り込みます(通称砂原線)。

森の中を小気味いいリズムを立てながら走るトワイライトエクスプレス。

右を見ても左を見ても森。あたりには熊も出るそうです。

地平まで降り、駒ヶ岳も後ろへと去っていきます。

森駅手前でトワイライトエクスプレスは太平洋(内浦湾)と出会います。鹿部経由函館行きのキハ40が発車していくところでした。

《森 6:07(7分遅れ)》
勾配を抜け、トワイライトは加速します。

いったんトンネルに入るも、石谷で再び海と出会います。ここから八雲までは海沿いを走ります。

南を向けば朝日が海面を照らしていました。

自室からの眺め。トワイライトエクスプレスは青森・五稜郭で方向転換しているので、大阪発車時点で山側――つまり、私が今いる部屋の側が太平洋に面しています。普通の部屋なら通路越しに見なければいけないので、この点は琵琶湖の時同様山側の特権です。

安定したスピードで走ります。
実際のところ、トワイライトエクスプレスの表定速度(走行距離を停車時間を含めた所要時間で割ったもの)は66km/h[札幌行の場合]。平均時速で考えれば70km/h近いでしょう。並みの在来線特急より速かったりします。

駒ヶ岳がはるか遠くに見えます。

八雲付近から内陸寄りに入ります。

太平洋が見えるのは長万部付近までです。

さて、朝食の時間がやってきたので食堂車に向かいます。
食堂車は前日に係員が部屋にやってきて希望の時間を聞いてきます。6時から45分おきに4回設定されています。ただ、部屋のグレードによって選べるおおまかな目安はあるようで、私の場合6時からか6時45分からの2択でした。
この予約は大方昼飯時が過ぎた頃に(つまり福井ぐらい)車掌さんが1部屋ずつ訊いてきます。いないとスルーされて、かなり早い時間かかなり遅い時間になってしまうんので、この時ばかりは部屋にいるのが得策です。

案内された席に座ります。

本日のお品書き。トワイライトエクスプレスではメニューは1通りとなっています。昔は和食・洋食と分かれていましたが、統合して和洋折衷の独特のスタイルとなりました。

まずは「オリジナルビネガーエード」。ワインビネガーをシロップと水で割ったものです。舌に吸い付くような酸味が食欲を起こさせます。

先付3品。豆の胡麻和えサラダ、海老とアボカドのカクテル(練り物)、カポナータ(茄子・きゅうり・パプリカのトマトソースマリネ)。フォッカッチャもついてきます。どれも1口サイズですが、1口でも分る美味しさと食べやすさでした。

そして和食・洋食時代の名残であるお粥。中華粥仕立てですが、味付けは生姜・タイム・ベーコンと風変わりな1品。

メインはいろいろありすぎるので省略。これだけで7品も載っています。

最後に紅茶とデザートで締めくくり。メロンとパイナップルに、スープ仕立てのチーズのソースを掛けた1品です。
これだけの数のメニューを厨房で作っているのですから驚きです。

食べ終わる頃には長万部~豊浦の2度目の山越えも終え、内浦湾沿いを走っていました。

徐々に住宅が増えてきました。

《洞爺 7:22着(約4分遅れ)》
北海道で初めてドアが開く洞爺に到着。

《洞爺 7:22発(約4分遅れ)》
人気のない駅を発車。

洞爺~伊達紋別では左手に有珠山の姿が見えます。

30分後、架線柱が視界に入るようになります。室蘭本線の分岐点・東室蘭です。

《東室蘭 7:55着(約3分遅れ)》

《登別 8:13着(約2分遅れ)》
トワイライトエクスプレスは順調に北の大地を走ります。

白老から苫小牧までのストレートではフル加速。

室蘭本線から千歳線に入り、湿地帯を走ります。

《南千歳 9:12着(約2分遅れ)》
空港方面や帯広方面と接続する南千歳では、ほぼ定時にまで回復しました。北海道でも重要な乗換駅ですが、降りた客は皆無。トワイライトエクスプレスはぱっと乗り換えられるような、そういう列車ではないのです。

《南千歳 9:13発(約2分遅れ)》
南千歳を出ると、次は終点の札幌です。

サッポロビール庭園では撮影者を見かけました。

北広島~上野幌の森林地帯を抜けると、次に見えたのはビルの森。札幌の副都心こと新札幌です。

《新札幌 9:42》
昼行特急は全部停車する新札幌も、容赦なく通過。
まあ、ホームが9両分しかないので停車してもはみ出す(DD51×2両+客車9両)んですけどね。

函館本線の上り線を乗り越えます。

複々線に入れば、札幌まではもうすぐ。

長い間お世話になった客室との別れももうすぐです。
そして――
<2014/9/23 AM9:52>

トワイライトエクスプレスの長い長い旅路は、ここで幕を下ろしました。

乗車できるのはここまでですが、この後手稲にある札幌運転所まで回送されます。

10分後、私は去りゆくトワイライトエクスプレスを見送ったのでした。
……え、なんで第0回みたいな先頭の写真がないかだって? 後ろから1両ずつ撮ってたら一番前まで追いつかなかったからだよ!
ということで、秋帰省の記録はここまでです。
読んでくださりありがとうございました。

起きたら北海道でした。
五稜郭で二度目の機関車付け替えの最中でした。

交換予定の貨物列車が遅れたため、トワイライトエクスプレスもしばらく待機です。
《五稜郭 5:28発(10分遅れ)》
ちなみに、時刻表には載っていない五稜郭の発車時刻が掛けるのは、車内で買える「旅のしおり」(600円)に運転停車を含めた時刻表が載っているからです。

朝の函館を北に向かいます。

七飯からは藤城線と呼ばれる短絡線を通ります。中央に見えるコンクリート橋のは再来年開業する北海道新幹線の高架です。

トンネルを越えて大沼へ。朝靄のかかった幻想的な光景が広がっていました。

大沼を出てすぐ右手に駒ケ岳の姿が。さらに朝日も裾野から顔を出しています。

朝5時半でも、ロビーカーはこの景色を一目見ようと混雑。

しばらく列車の右手には駒ヶ岳の姿がありました。

もっとも近づいて見えるのは東山と姫川の間。鬼のごとき姿をした駒ヶ岳が圧倒します。

このあたりから列車はカーブを繰り返しながら標高を下げていきます。大きな山があるわけではないのですが、七飯~大沼~森は25パーミル勾配を抱える山岳路線です。このため、トワイライトエクスプレスののぼりは駒ヶ岳を東側から回り込みます(通称砂原線)。

森の中を小気味いいリズムを立てながら走るトワイライトエクスプレス。

右を見ても左を見ても森。あたりには熊も出るそうです。

地平まで降り、駒ヶ岳も後ろへと去っていきます。

森駅手前でトワイライトエクスプレスは太平洋(内浦湾)と出会います。鹿部経由函館行きのキハ40が発車していくところでした。

《森 6:07(7分遅れ)》
勾配を抜け、トワイライトは加速します。

いったんトンネルに入るも、石谷で再び海と出会います。ここから八雲までは海沿いを走ります。

南を向けば朝日が海面を照らしていました。

自室からの眺め。トワイライトエクスプレスは青森・五稜郭で方向転換しているので、大阪発車時点で山側――つまり、私が今いる部屋の側が太平洋に面しています。普通の部屋なら通路越しに見なければいけないので、この点は琵琶湖の時同様山側の特権です。

安定したスピードで走ります。
実際のところ、トワイライトエクスプレスの表定速度(走行距離を停車時間を含めた所要時間で割ったもの)は66km/h[札幌行の場合]。平均時速で考えれば70km/h近いでしょう。並みの在来線特急より速かったりします。

駒ヶ岳がはるか遠くに見えます。

八雲付近から内陸寄りに入ります。

太平洋が見えるのは長万部付近までです。

さて、朝食の時間がやってきたので食堂車に向かいます。
食堂車は前日に係員が部屋にやってきて希望の時間を聞いてきます。6時から45分おきに4回設定されています。ただ、部屋のグレードによって選べるおおまかな目安はあるようで、私の場合6時からか6時45分からの2択でした。
この予約は大方昼飯時が過ぎた頃に(つまり福井ぐらい)車掌さんが1部屋ずつ訊いてきます。いないとスルーされて、かなり早い時間かかなり遅い時間になってしまうんので、この時ばかりは部屋にいるのが得策です。

案内された席に座ります。

本日のお品書き。トワイライトエクスプレスではメニューは1通りとなっています。昔は和食・洋食と分かれていましたが、統合して和洋折衷の独特のスタイルとなりました。

まずは「オリジナルビネガーエード」。ワインビネガーをシロップと水で割ったものです。舌に吸い付くような酸味が食欲を起こさせます。

先付3品。豆の胡麻和えサラダ、海老とアボカドのカクテル(練り物)、カポナータ(茄子・きゅうり・パプリカのトマトソースマリネ)。フォッカッチャもついてきます。どれも1口サイズですが、1口でも分る美味しさと食べやすさでした。

そして和食・洋食時代の名残であるお粥。中華粥仕立てですが、味付けは生姜・タイム・ベーコンと風変わりな1品。

メインはいろいろありすぎるので省略。これだけで7品も載っています。

最後に紅茶とデザートで締めくくり。メロンとパイナップルに、スープ仕立てのチーズのソースを掛けた1品です。
これだけの数のメニューを厨房で作っているのですから驚きです。

食べ終わる頃には長万部~豊浦の2度目の山越えも終え、内浦湾沿いを走っていました。

徐々に住宅が増えてきました。

《洞爺 7:22着(約4分遅れ)》
北海道で初めてドアが開く洞爺に到着。

《洞爺 7:22発(約4分遅れ)》
人気のない駅を発車。

洞爺~伊達紋別では左手に有珠山の姿が見えます。

30分後、架線柱が視界に入るようになります。室蘭本線の分岐点・東室蘭です。

《東室蘭 7:55着(約3分遅れ)》

《登別 8:13着(約2分遅れ)》
トワイライトエクスプレスは順調に北の大地を走ります。

白老から苫小牧までのストレートではフル加速。

室蘭本線から千歳線に入り、湿地帯を走ります。

《南千歳 9:12着(約2分遅れ)》
空港方面や帯広方面と接続する南千歳では、ほぼ定時にまで回復しました。北海道でも重要な乗換駅ですが、降りた客は皆無。トワイライトエクスプレスはぱっと乗り換えられるような、そういう列車ではないのです。

《南千歳 9:13発(約2分遅れ)》
南千歳を出ると、次は終点の札幌です。

サッポロビール庭園では撮影者を見かけました。

北広島~上野幌の森林地帯を抜けると、次に見えたのはビルの森。札幌の副都心こと新札幌です。

《新札幌 9:42》
昼行特急は全部停車する新札幌も、容赦なく通過。
まあ、ホームが9両分しかないので停車してもはみ出す(DD51×2両+客車9両)んですけどね。

函館本線の上り線を乗り越えます。

複々線に入れば、札幌まではもうすぐ。

長い間お世話になった客室との別れももうすぐです。
そして――
<2014/9/23 AM9:52>

トワイライトエクスプレスの長い長い旅路は、ここで幕を下ろしました。

乗車できるのはここまでですが、この後手稲にある札幌運転所まで回送されます。

10分後、私は去りゆくトワイライトエクスプレスを見送ったのでした。
……え、なんで第0回みたいな先頭の写真がないかだって? 後ろから1両ずつ撮ってたら一番前まで追いつかなかったからだよ!
ということで、秋帰省の記録はここまでです。
読んでくださりありがとうございました。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます