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前田秀一 プロフィール
金剛俳句 箕面吟行 季語:晩秋、初冬 兼題:紅葉、楓 〔平成26年11月30日(日)〕
散る紅葉捨つるを惜しみ思案掃き
選句:○○○○○○
波曳きてピイとひと声鳥渡る 且つ散れり利休が侘びの紅葉かな
金剛俳句 第十三回 季語:晩秋、初冬 兼題:冬仕度 (平成26年11月)
続 季語のお話
季重なりについては、小川さんの講評にもよく出ていました。
一般に、五七五の中に季語は一つが良いと言われていますが、芭蕉などの達人の句にも結構季語複数の句はあります。
例えば、
秋風のふけども青し栗の毬
と言う句があります。
もう秋風が吹いているのにまだ栗の毬の青い事よと季節の微妙な変化を吟じています。
一句に季語が重なっている時はどちらかが主で一方が従の関係が必要と考えられています。
この句では秋風が吹いているのにと言う条件のもとに栗の毬は未だ青いと栗の毬が主となっているのです。
それをふまえて我々の句を見てみましょう。
木枯しにマフラー引き出し冬仕度 木枯し(冬)マフラー(冬)冬仕度(秋)
秋祭りみこしの思いひ我になく 秋祭り(秋)みこし(夏)
冬近し夕暮れ時に小雪舞ふ 冬近し(秋)小雪(冬)
豊年を祈る八尾の風の盆 豊年(秋)風の盆(秋)
さて、これらの句どの季語が主でどれが従でしょうか。各人お考えください。
一句鑑賞
秋天や鳩と分け合ふ袋菓子
今回の最高点句です。
晴天の公園のベンチ秋晴れの穏やかな日差し袋菓子をつまんでいると鳩がよって来ました。
すこし撒いてやりながら、自分も食べる。情景が目に見え高点句宣なるかな。
金剛俳句 代表 中野陽典
団栗を拾ふ子蹴る子声響き
選句:◎◎○○○○○
炊きたての香りを食めり今年米 藁散りて広がる苅田にすずめ無く
選句:○○○ 選句:○
金剛俳句 第十二回 季語:秋 兼題:秋の空 (平成二十六年十月)
「季語のお話」
俳句は季節が詠まれる文学です。そのために季語があります。季語そのものが一句の中で詠われている句を一句一章といいます。一物仕立てともいいます。
例えば今回の句のなかでは、
矢筈萩野にあるままに活けてあり
この場合は矢筈萩が季語です。
太鼓打つ遠鳴り迫る秋祭
季語は秋祭りです。
これらの句は一句すべて季語と関連して成立しています。
一方、季語とその他が別仕立ての句を二句一章といいます。
秋の空友も白髪の高野山
季語は秋の空で、友も白髪の高野山は季語とは別の事をいっているのです。しかし、秋晴れに高野山に友と行ったが俺と一緒で白髪になったなと、良く味合えば季語とその他はどこかで繋がっています。
水琴の滴一滴秋の風
季語が秋の風ですが、水琴の滴一滴とは関係が無いのです。しかし、秋の風が何ともいえず水琴の・・と相まって秋の爽快さにつながっています。
二句一章の場合は季語とその他が露骨に繋がっているのを付き過ぎと言って駄目、また、どう考えても何の関係もないのを離れすぎとこれも駄目、付かず離れずが良しとされます。
芭蕉とか俳句の達人の句を、どのように季語が使われているか考えながら鑑賞するのも勉強になります。
同期同窓 故人句集からの事例
いま泣きし子が走りをり運動会 土生 重次 一句一章
運動会駆けてころぶ子べそかく子 河村 周一 一句一章
鳥渡る朝校門の靴の黒 富岡 隆夫 二句一章
秋うらら座す慈母像のおちよぼ口 小川誠二郎 二句一章
俳句は多作多捨です。沢山作ってどんどん捨てる。気に入った句はあんまり出来無いのですが偶に出てくるのです。達人でもしかりです。さあどんどん捨てましょう。
金剛俳句 代表 中野陽典
遠目にも山肌深し秋の空
選句:◎○○○
いづこぞや夕餉に秋刀魚風便り 土手腹に小群切なし彼岸花 太鼓打つ遠なり迫る秋祭
選句:○○ 選句:○○
金剛俳句 第十一回 季語:秋 (平成二十六年九月)
宿題の画題あれこれ秋祭
選句:○
門火焚き揺らぐ炎の友思ふ 野分け過ぎ被災刻々息を呑む
選句:◎ 選句:○○
金剛俳句 堺吟行 兼題:夏休み ほか自由 (平成二十六年八月)
(堺市役所高層展望階 ⇒ 反正天皇陵 ⇒ 大阪府立三国丘高校・三丘同窓会館)
千古なる陵深し夏木立
選句:◎○○○○
金剛の青嶺雄々しき青春譜 夏休み旅先談義夢めぐり
金剛俳句 第十回 季語:夏 (平成二十六年七月)
田植え機の水面の空に緑挿す
選句:◎◎○○
梅雨空の雲間にペダル漕ぎ急ぐ 五月晴れ稚児も心得伊達に舞う
選句:○○
金剛俳句 第九回 季語:夏 (平成二十六年五月)
葉桜や一年生も慣れた顔
選句:◎○○
手に取りて絵心誘ふ落椿 散華舞ひ手に手に花を花御堂
選句:◎○○
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