日本刺繍の個展を、お江戸で、しばらく開催していませんでしたら、いろいろな方から、「今までの作品を全て見たい」と、言われました。おっしゃって下さるのは、有難いのですが、会場を探すのが大変なのですが…。丁度、東京オリンピックに向けて、ビルの建て替えが進んでいた時期でした。皆様にいらしていただくには、駅から近い所が第一条件でした。毎年、大きなクリスマスツリーで楽しませて下さった銀座のミキモトまで、建て替え…6階のギャラリーで会をするのが、夢でしたが、潰えました。どうして日本は、古い建物を活かそうとしないのか…と、実感させられるくらい、ギャラリーのあるビルが壊されていきました。
設営をいつもして下さる方も、あちこちあたって下さいましたし、「銀座の和光だけは駄目ですよ。売り上げノルマが、きついから…」などと、アドバイスもして下さいました。
そんな折、春宮夫が大学の同窓会?の永久会員になりました。会報誌を見ていたら、神田錦町にある会館が、『会議・展示に部屋を貸します。』と、料金表付きで記載されていました。この会館は、春宮達が、結婚式をあげた所です。地下鉄の駅も近く、地下通路を上がった目の前です。『このくらいの広さの部屋で、このくらいの料金なら、何とかなるかな…』と、考えて、会館と交渉に入りました。会館は、土曜日・日曜日がかかると、結婚式があるので貸せない…とか、部屋貸しは、ランチなど飲食がなければ貸せない…などと、会報誌に記載されていない事を言い、断られました。諦められないので、同窓会の事務局に電話をし、「会報誌に記載されている事と違う」と言って、事務局まで巻き込んで交渉しました。会館側が,「土・日曜日が仏滅なら…」と譲歩して下さました。春宮の希望していた、3月の雛祭り頃の土曜日が仏滅でした。
会館の方の指定なさった日に、今までの春宮の個展の資料や掲載された本などを持参して、いつも設営をして下さる方にも同行して貰い、まいりました。会館側の方は、総務部長さんでした。お会いした時には、ほぼ貸して下さる意向のようでした。
会館は、重要無形文化財に指定されておりますので、釘を使用しないように…と言われました。春宮の日本刺繍の作品は、額装した物がありませんので、その心配はありません。衣桁とテーブルがあれば、よいのですから…。衣桁を乗せる台を設営して貰います。その説明にも設営業者さんに同行して貰ってよかったです。
会館での個展は、春宮がはじめて…と、伺い、びっくりしました。重要無形文化財で釘が使えなくては、普通の個展は出来ないでしょうね。設営業者の方は、「この会館で個展が出来るなら、和光やミキモトより、断然良いです」と、春宮より興奮なさっていました。何とか、個展の会場を確保する事が出来ました😊
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