個展をしましたが、まさか自分の作った物が売れるとは、思ってもいませんでした。1回目は、案内葉書に使った帯地を売り物には、しておりましたが、初日に知人のお友達、はじめてお会いした方が欲しいとおっしゃって下さいました。一応、領収書という物を用意はしていましたが、書き方がわからず、オーナーのお父様に教えていただきました。書き方から、収入印紙が必要なお客様には送料は春宮持ち…とか、オーナーさん方々にも、お世話になりました。
初日に、帯が売れてしまったので、妹に、「何か売る物があった方がいいのでは…」と言われ、日本刺繍はこんな台に張ってするのですよ…と、見本のように展示していた刺繍半襟に、慌てて、値札をつけました。それも、すぐに買って下さる方がいて、領収書でモタモタしていたら、元銀行勤務だった方で、お客様から、領収書の書き方を教えて貰い乍ら書く…という、しまらない開催者でした。
2回目からは、いらして下さった方が求めやすそうな物を何点か用意しました。有難い事に、皆、求めていただけました。
何とか3回目まで、致しましたら、日本画の師(又従兄弟)から、「5回、続けなさい。毎年、続けて、5回出来る人は、そうそういませんから…」と厳しい課題が出されました。又従兄弟も、日本画は、どちらの会派にも属さずに、松屋さんの美術部で毎年、個展をしておりましたので、言葉に重みがありました。春宮も、どちらの会派にも、入っておりませんので、『やってみようか』と思いました。3回目までの、資金は用意していましたが、有難い事に、毎回、少しずつ求めていただいたので、それを充当して5回目まで、開催出来ました。
オーナービルでしたので、会場費が安かったのも、有難い事でした。会場費・設営費・諸雑費(師への御礼も含めて…)、ほぼ同じくらいの費用が必要でした。
絹物を扱う会で、お茶を出したくなかったので、2階がオーナーさん経営の喫茶店というのも、便利でした。お茶を差し上げたいような方は、2階にご案内して、春宮持ち…と、オーナーさんに言い、夕方、その日のお茶代を支払いに行っていました。
『領収書の書き方も知らない会主』ですが、オーナーさん親子のお陰もあり、続けられたと思います。
5回、全て違う物をお見せする…というのは、とても大変な事でした。しかし、自信にもなりました。