幻想郷野球雑技団

東方projectの二次創作物です。幻想郷で野球の監督に就任して指揮を奮う話。キャラの崩壊にご注意下さい

安打と四球の価値は等価値ではない。

2021-05-31 19:19:30 | 東方野球
お久しぶりです。中々試合後に記事を作る余裕がなかったのですが
最近モチベーションがあるので、采配について久々にこちらのブログを使って記入したいと思います。
采配系はこちら。制作者的なのは向こうで書いていければと思ってます。

①得点力のある打線にするには?
得点力のある打線を作るには、OPSが重要です。これは得点相関が打率以上に高く
OPSの高さ=得点力と言っても過言ではないからです。
打率という評価では長打を評価しにくく(単打と本塁打が同じ価値なため)本塁打は入った瞬間得点が確定するので
より得点力を評価する上では長打力やOPSの指標が重要だということになります。

よっしゃ!だから全員本塁打を沢山の打てる選手を置けば優勝や!
初心者的な考え方ですが、かなり正解です。大間違いでは決してありません。
しかし相手がいて投手がいる訳ですから、中々本塁打を打つのは簡単ではありません。警戒もされます。
そして、大抵そういう選手は(このゲームでは)高年俸です。同じ戦力で同じ資金で戦う場合は、年俸の割に見合わない事が多いです。
これらは安打や本塁打の価値が低い事が要因です。

②安打と四球の価値を高くする。
東方BIG野球のゲームで2と4の球の強いチームを作れと言ったのは、良い出目が出やすいチームを作れという意味ではありません。
(1の球は長打が出やすく、2は安打、4は四球、3が内野ゴロ、5が三振が多い)
そんなオカルトで勝てるから強いんだな。と思っては欲しくはないのです。安打と四球を価値を高くするという考え方を持って采配することが大事だからです。
それは打順という考え方を軽視し過ぎてるからです。
安打と四球の価値は、安打≧四球である。本塁打でさえ同じ人が2打席本塁打を打ったとしても価値は違います。
それは走者の有無です。
走者がいる時に出現する安打。走者がいない時に出現する安打では価値が違います。走者がいる時に安打が出れば、走者は2つ3つ進むかも知れない。
「野球の本質はどれだけ多くの本塁ベースを踏む。つまり得点するが重要なのです。」
ならば、出来る限り多くのベースを奪い進める必要があり、走者が多ければ、1本の安打でより多くのベースを奪う事が出来ます。
2死満塁で安打一本出た時は、全員が1進塁。そして2塁走者がホームインするかも知れない。
仮に2死満塁からシングルヒットが出れば、3塁走者が1進塁、2塁走者が2進塁、1塁走者が2進塁。打者走者が1進塁したとする。
合計すると6進塁です。一方2死走者なしでシングルヒットが出ても1進塁です。

単純比較しても6倍の違い。野球には得点期待値という考え方があります。
(引用:https://1point02.jp/op/gnav/glossary/gls_explanation.aspx?eid=20013)
2死満塁だと0.758得点が期待値として、そこから安打からの6進塁の価値は2得点が確定の2死13塁となるので2.495得点
安打1本の価値が0.758得点から2.495得点へ上昇させたので、安打一本の価値は1.737得点となり、これはソロ本塁打を打った時の価値を上回ります。
一方2死走者なしから安打を打っても0.117得点の上昇しかありません。
この場合だと15倍近くの価値が違います。

体感でも2死走者で安打打つより、満塁で安打打ってくれた方が嬉しい筈です。

これを知らないと知ってるでは期待値がそもそも違いすぎます(15倍の差ですからね)
知ってて打線を組んでれば、ちょっと調子が悪い程度(スランプなら流石に困るが)なら四球でしっかり走者に出てくれれば
なんとか得点を他のチーム以上に奪う事が可能になります。そこに無頓着でいつまでも運だの言ってると本当に運が良い時だけしか勝てません。
確かに何も知らずにOPSの高い選手を組んでれば、相手の投手の調子が悪いか、谷間や1軍半の選手が投げてる試合を勝つ事は出来るでしょう。
しかし大きく勝ち越す事は難しくなる。そこで勝ちを増やす事に最も重要なのは、安打と四球の価値は等価値ではない事を知識として勉強することです。

③走者の有無で安打や四球の価値が変わるということは
ここまで聞けば、何が言いたいのかお察しするかと思いますが、私の采配の最も大事な軸は「先頭打者」です。
走者の有無が重要だということは、得点圏打率が重要だし、そういう時に都合の結果を出せるの本当に運が良いよな。という発想とは真逆です。
「得点圏打数が多い」事が最も重要だと考えています。相手よりチャンスの数が多ければ、多少運が悪いくらいでも、どっかで結果は出てきます。
(ここでは得点圏に強い弱い打者という考え方はひとまず置いておきます。戦略より戦術の話で重要度が1ランク落ちる話なので)
どんな調子であっても、悪い結果だけを永遠に引き続ける事は難しいです。(まぁ...たまにあるんだがな)
確かに母数が少ない中で悪い結果が出れば騒ぎたくもなりますが、母数が多いので多少失敗の回数が多くてなんとかなります。
多くの点数を取った方が勝ちなので、得点圏打率は関係ありません。3回に2回だろうと10回に3回打ったチームが勝ちます。試行回数が大事です。
成功率が劣っても勝てるからです。

では母数を増やすには「先頭打者」が「高出塁率」であること。が大事で、これがあるイニングが攻撃のチャンスと言える訳です。
先頭打者が塁に出れば3アウトでイニングが終了するまでの間、多くの打者が「安打と四球の価値が上昇してる状況で打席に入る」ということです。
更に言えば本塁打だって当たり前ですがソロと満塁本塁打では入る得点も価値も全く違います。

1番打者がこの条件に当てはまるチームは多いのですが、それだと初回と運よく1番から始まる打順(単純に9分の1なら1試合平均2回)しか攻撃チャンスがないチームと
1番は当然、2番も3番も6番も7番も8番も嬉しいとかなれば2イニングに1回、5回くらいビッグチャンスが生まれる訳です。
出塁率が高い選手というのは総じて、選球眼が良い選手だということです。四球を勝ち取れる打者が先頭打者に回ってくるイニングを多く作るということです。
その工夫は勿論、比較的安く獲得できる出塁率が優れてる選手を多く保持する事です。
それを積み重ねることで、単体で強いカード(長打力が優れてて出塁率がそこまで高くない選手)より相乗効果(出塁により安打と四球の価値が上昇してる打線)のチームの攻撃力が同等かそれ以上の結果を生み出す事になります。

そして資金や年俸面で見た時は単体で強いカードが並んでるチームの方が総じて高いということです。
そして出塁と走力が高い選手は総じて守備力も高い選手が多く、余った資金で優秀な投手陣を揃えたりできたり、総合力で単体が強いカードを効率で上回れるということです。

④走者2塁や走者3塁やホームインへの意識
ここまでの話を聞くと出塁率が高い選手最高やんけ!と思いますが、これだけだとダメなのです。
27人の攻撃力を競うだけのゲームなら良いのですが、3アウトでチェンジになり「残塁した走者は無駄になる」からです。
得点はホームインして初めて認められるのです。出塁率が高い選手だけだと残塁のリスクが高くなることと
ノーアウトより1アウト。1アウトより2アウトと3アウトに近くになるにつれて残塁のリスクがあがってきます。

なので「塁に出る事は大事だよね。走者なし<走者1塁」
そして「ゲッツーの確率が低い。走者1塁<走者2塁」
さらに「ゴロや外野フライに得点価値が生まれる。走者2塁<3塁」
当たり前の「走者3塁<ホームイン」

走者1塁だと、ゴロに関してだけ走者なしよりゲッツーのリスクがあります。(ゴロの価値が下がる)
走者2塁だと、最強です。(だから犠打をして送りたくなるけど、アウトカウントあげるのはNG)
走者3塁だと、更にゴロや犠牲フライに価値が生まれる(2死3塁はゴロや犠牲フライに価値がないので、2死2塁と価値に大差なし)

単純に考えて1塁だと3塁では3アウトまでに塁上に残るリスクもあるので、「長打も重要」だよね。ということになります。
いくら出塁率が高いと言っても、当たり前の話だけど2塁や3塁に行ってくれた方が嬉しいし、打者の結果に付加価値が生じやすい事になる。

⑤盗塁やバントについて
同じ出塁率が高い打者なら2塁打や3塁打を(ぶっちゃけ本塁打でも確定で点数は入るので良い)打ってくれる方が優秀でやっぱりOPSも大事な指標ではありますが
先頭打者が四球で出塁できた。では2塁の方がゴロの価値が下がらず、安打も価値があがるのでバントしよう!は状況によっては良いですが
先程も申し上げた通りアウトカウントが増えると残塁のリスクが増えるので、オススメしません。
現実ならせめて自分も生きるセーフティバントの成功率が見込める時だけにするべきです。

盗塁も私はもっと積極的にするべきだと思いますが、重要なのは「盗塁成功率です。
アウトになれば、せっかく安打や四球の価値が高くなってるのに、その付加価値(バフ)がなくなります。
だけど成功率を70%以上見込めるのならば、私は積極的に盗塁はトライした方が明らかに長打力に優れたチームでない場合
(長打力が優れたチームの場合、走者がいない事による付加価値の低下(デバフ)が痛いからです)
有効な戦術だと考えております。また走力の高い選手というのは、安打による価値を走塁によって付加価値をあげれるので
(走者2塁から安打一本でホームインできる状況はやはり強い。その為にアウトカウントを与える犠打が弱いだけで)
走力のない選手が走者にいられるより、安打の価値は高くなります。

⑥安打と四球の価値の差
単打と四球の価値は同じではありませんが、走者なしの場合は同じになります。(先頭打者の四球はとても偉い)

先頭打者に四球は失点するから良くないというのは、無死1塁が強いからです。
元巨人の桑田投手がテレビの解説で先頭打者を抑える事が大事と言ってましたが、正にその通りです。
攻撃で「先頭打者の出塁が偉い」ということは投手で最も意識することは「先頭打者を抑える事です」

中継ぎ起用でありがちな勘違いですが、右左左だから、左投手!ではありません。先頭が右なら右投手です。
左右左でどっちにしようか悩む!と来るなら、迷わず先頭打者のカードを見て下さい。先頭打者が左なら左投手です。
(もっともこれも戦術の話で、左でも右でも抑えれる投手を使えというのはその通りです。あくまでこれは選択しろというのなら。です)

先頭打者は単打と四球の価値が同じというより四球は安打の価値があるから、簡単に与えるべきではないのです。
しかし走者が出てからは明確に違います。「1塁が空いてるか空いてないか?」と「単打で走者が2進塁する」があるからです。

無死2塁から四球だとテイクワンベースで無死12塁で(1塁打分を稼いだ)
しかし単打だと無死13塁で(2塁打分を稼いだ)また走者が俊足だと一気にホームイン!となれば3塁打分と
明らかに安打の方がお得です。

四球は走者なし無死1塁や12塁や満塁なら全員が進塁するので、四球の価値が高くなり
1塁が空いてる2死3塁や2死2塁などで敬遠が有効な戦術となるシチュエーションでは四球の価値は低くなり、打者によっては
敬遠という戦術が正当化されます。

コントロールされた四球の価値は(1塁が空いてるから)低く
コントロールできない四球の価値(先頭打者や押し出しなど)は高い

また犠打は1塁空くシチュエーションになるので無死1塁から一死2塁とすることで1塁が空いてるので四球の価値を下げてます。
大抵犠打をするということは、次の打者は優秀な打者であることが多いです。それが四球の価値を下げてしまうことは勝負を避ける事も選択できる訳です。
四球が多い投手や打者の前で1塁をアウトカウントをあげるリスクを背負って空ける攻撃は多くの得点機会を奪います。

なので、多くの四球を期待できる投手や打者の場合は、1塁に置いてても良いでしょう。
しかしアウトカウントが増えて残塁のリスクを増えてくると、今度はホームインを目指す必要があります。
2死走者なしから四球を選んでも殆どが残塁します。というか2死なら四球で押し出しでもない限り次の打者の凡退でチェンジなど
残塁のリスクが高いでしょう。ここで求められるのは「一発長打。ホームランが偉い」です。

野球のセオリーとして
私は無死走者なしでは出塁重視(出塁がとにかく偉い)
2死2塁または3塁では安打重視(四球の価値は低く、ボール球でも安打を狙って手を出しても良いゾーンがある)
2死走者なし、または1塁では本塁打重視(一発狙い。出塁しても残塁リスクあり)

こう並べると、「理想の攻撃イニングとは?先頭打者が出塁して安打と長打を打てる打者が後にいること」である。

野球は明らかに出塁率が高い打者とその後に長打力が高い選手のコンビネーションで打線を組むことが大事になります。
長打力が高い選手が並んでも、出塁してる打者がいなくては、安打や四球の価値が高くならず、
また出塁率が高い選手だけが並んでも残塁のリスクが高くなるのです。

それに見合った選手を起用しましょう。特に9回の攻撃イニングを有効に活用するならば
出来る限り先頭打者は必ず来るので、そこから得点できるパターンを多く作り、相手よりビッグイニングのチャンスを多く創出することです。
長打力が高い選手は、走者が増えないと付加価値が付かないので、打率が高い事により出塁率が補う場合はありますが、ビッグネームが並んだ割に付加価値(バフ効果)が効かず思ったより得点力に結び付かないチームになる場合があります。

もちろん長打力と出塁率が高くて走力も高くて守備力もあって、投手力もあるような選手が何人もいれば
ただ並べれば勝てるので、采配力の余地もないです。お互いにそういうチームが出来たら、それは運が良い方が勝つとかオカルト的な話に頼らなきゃ行けなくなります。
しかし現実的な話ではありません。そんなことに頼る前に当たり前の事を当たり前にやって期待値を積むことが何よりも重要です。

⑦具体的に言えば
最強のスラッガーと最高出塁率のカードを二枚持ってるなら打順の組み方は最高出塁率とスラッガーの順に並べることです。
最高のスラッガーが持ち前の長打を発揮した時の価値がもっともあがるのは、もっとも出塁する選手が出塁してる時です。
この2人の打者を離すということは両者の付加価値を軽視することです。

最高出塁率を獲得した打者の後ろが長打率が低い選手を置くことは得点力を軽減させます。残塁のリスクをあげるだけです。
先頭打者に出塁率が低いけど打率が高いような打者がいる事は勿体ないでしょう。1番打者が安打をせっかく打っても3割を大きく超えて打てるのなら出塁率が高いとも言えますが、走者がいた方が安打の価値が高くなる事を考えたら、せめて2番などに置いて1番に出塁して貰う期待をした方が良いでしょう。
もし代打を選択するなら、先頭打者は出塁重視、2死は長打率重視です。

多くのチームは長打は重視しますが、出塁を軽視してる傾向にあるので、出塁率の多い選手をもう少し多く起用すること。
そして出塁率の高い選手のあとは長打力の優れた選手を用意すること。4番が歩かされるのに、5番がアヘアヘ単打マン(久しぶりにこの単語を使った)はやばいです。

実際に映画化になったセイバーメトリクスを題材にした映画では、長打を打てる選手が優遇してたのを
出塁率が高い選手の価値を見直した事によって安くて強いチームを作った事で革命が起こった訳です。
出塁率を重視した野球を疑問視する人は未だに多いですが、特に先頭打者では重視した方が良いです。それは安打と四球の価値は等価値ではなく
走者がいるかいないかで同じ結果でも得点期待値に与える影響が違いすぎるからです。

ならば、もっと意識的に毎イニングしっかりと攻撃していくには出塁率が高い選手を並べた方が期待値に大きな差が生じます。
9イニングあれば点数の取り合いで上回れるし、シーズンを通せば勝率に影響を与えます。

私の言う本塁打を打てたら苦労しないから(現実的ではないから)
安打と四球で強いチームを作るとはこういう事を言います。

それじゃ気が向いたら采配のコラムはまた書くかも。


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